第二幕 ―許可―
「って、ことがあったんだ。」
トーヤは先日のことを、ため息混じりに、幼馴染で兄のように育った青年コウハと、トーヤの恋人であるルナに話した。
「まあ、玲さんの気持ちは分からないでもないが……」
「コウハ? どうして??」
「だって、あの人、今まで弟みたいに思っていたんだぜ、お前のこと。 そりゃ心配になるって。」
「でも……」
「そんなに行きたいか?」
「うん。」
「なんかいい方法ねえかな?」
二人がその良い方法を考えていると、「あ。」といままで黙っていたルナがつぶやいた。
「ねえ、私達三人もついて行くっていうのは?」
「「は?」」
ルナの提案に彼女以外の二人はぽかんとする。
「だから、トーヤが一人で行くって言うから玲さんは心配しているんでしょう? だったら、私達も一緒に行くっていうのはどうかしら?」
ねえ、良い考えだと思わない?
そう言うルナにコウハはがしがしと頭をかきながら困った顔をする。
「っつっても、なあ……。 オレ、一応ここの用心棒だぜ?」
「あら、大丈夫よ。 コウハより強い人は何人もいるし、いまさらコウハ一人くらい抜けたって大丈夫よ。」
にっこりと笑いながら、ルナはコウハに言った。
「……ルナ、お前何気に酷いな。」
「……へ? 何が??」
泣き舌交じりに言うコウハにルナはきょとんとした顔で答え、ますますコウハを落ち込ませた。
「あ、えーと、コウハも琳さんに修行つけてもらうといいよ。 そうすれば用心棒の仕事ももっと上手くいくと思うし、何より女の子にもてるかもよ。」
「よし! 行こう。」
トーヤの言葉にキッパリと答えたコウハにトーヤは苦笑した。
(……ははは、コウハ軽いなぁ)
さっそく三人は玲の下へ交渉に行った
「はあ……、今回はあたしの負けね。」
「……て、コトは……」
「もう自由にしなさい。 これ以上止めても無駄だろうし。」
その言葉にトーヤはやったーと喜んだ。
「ねえ、いつ出発する?」
「ちょっとまって、」
わくわくとした表情で言うトーヤを玲は制止した。
「実はキャンセルの書状もう書いちゃって、飛ばしちゃったのよね。」
「ええ!!」
トーヤはがくりとうなだれた
「すぐに、あれは取り消すって書状書いても、琳の機嫌損ねるだけだし……少なくとも2,3週間はあけて書状を送らないと」
「そんなあ……」
玲の言葉にトーヤははぁ~、と大きなため息をついた。