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断章 ―終わり―
闇の炎に焼かれた体を、金髪の少年が貫いた。
ああ、誰かに似ていると思ったら―――こいつはアークの血縁か……
私を殺した奴によく似ている。
琳の方を見ると彼は瞬きひとつせず、私のほうを見つめていた。
ああ、もう終わりだよ……
私はもう無へと還ろう。
琳は、もう大丈夫だろう。
私を見つめる瞳は悲しいものであったけれど、確かに強い光を浮かべていた。
彼には頼れる仲間がいる。
私の役目はもう終わりだよ……
後は次の物語へと続けるために、逝くべきなのだ。
琳、最後にお前に伝えよう。
私のもとへ来てくれてありがとう。
その言葉が届いたのかセフィルの瞳から一筋涙がこぼれた。
だがそれを知るのは本人のみである。




