第十五幕―祠の中―
ミハルに祠の奥へ案内されたトーヤは、祠のおくのホールのようなところへたどり着いた。
「ここは?」
トーヤは広く開けた場所を不思議そうに眺めていた。
「闘技場、といったところか」
声がして振り向くとそこにはセフィルがいた。
だが、不思議なことにかれは、ホールに入らず、入り口近くの通路の壁に寄りかかっていた
「セフィルさん……闘技場って?」
「文字通り、戦う場所」
「たたかう?」
トーヤは首をかしげる。
いったい何と戦うというのだろう。
その疑問を打ち消すように、ミハルが口を開く
『わたしと、よ』
「ええ!?」
なぜ、自分が精霊と戦わなければならないのか
『それは、あなたが私の守る、古の光の力にふさわしいかどうか、確かめるためよ』
くすくすと笑うミハル。
トーヤの思ったことに対する答えを的確に与える彼女にどこか薄ら寒いものを感じた。
(この人、俺の心を読んでいるのか?)
『あ~ら、心なんて読んでないわよ』
「え!? ……じゃあ、何で俺のかんがえていることが!?」
『顔を見ればわかるわ。 貴方わかりやすいんですもの』
かわいいわね、とミハルはくすくす笑いながら言った。
その様子を見てため息をつくセフィル。
「ミハル、遊んでいないでトーヤにここの説明をしてやれ。」
『はいはい、わかったわよぅ。 ……相変わらず、頭硬いわね。』
ぶつぶつと文句を言いながらも、ミハルはトーヤにここ、闘技場の説明を始めた




