第一三章 ―light―
もう本当にタイトル考えるのが大変です。
実はタイトル、サブタイトルが決まらないために、投稿できない小説が(ピーーー)作……(汗)
部屋に戻ったトーヤはどこか落ち着かないように、部屋中をうろうろしていた。
「セフィルさん大丈夫かな?」
「きっと大丈夫よ、お医者様も言っていたでしょう?」
はあとため息を吐くトーヤをなだめるようにルナは言う
「セフィルさんならきっと大丈夫よ。」
「でも……」
「……セフィルさんがああなったのはあなたのせいじゃないわ」
ルナの言葉にトーヤはまじまじと彼女の顔を見る
「ルナ、気づいていたの!」
「ええ。女の勘を甘く見ないで頂戴!」
ふふ、と得意そうに笑うルナにトーヤはばつの悪そうに頭をかいた。
「かなわないなあ。」
「あら、いつものことじゃない?」
幸せそうに笑う二人にコウハは溜息一つ。
「俺がいるって忘れていないか?」
翌日
驚異的な回復力で、すっかり体調を戻したセフィルは、トーヤを屋敷の中庭によんだ
「セフィルさん、何をするの?」
「お前の潜在能力を調べる実験だ」
「じ、じっけん!」
セフィルの言葉にトーヤはまじまじと足元にかかれた禍々しい雰囲気の魔方陣を見た。
「…………」
「安心しろ。痛くはない……………………多分」
「多分って何!?」
「失敗しなければ、という仮定の話だ」
「失敗したら?」
トーヤは恐る恐るセフィルに聞いた
「さあ?」
「さあ? って、なんだよ!」
どんどん不安になっていくトーヤにセフィルは一言
「失敗したことがないからな」
さらりと言ったセフィルの言葉に少なからずトーヤは安心した。
「とりあえず、魔方陣の中心に立て。」
「うん。」
指定されたとおり、トーヤは魔方陣の中心にたった
それを確認すると、セフィルは懐から白い石を取り出した。
「白き闇の聖霊よ 我と血の契約の下 我が前に現れよ」
感情無く、小さくつぶやかれた言葉に反応するように、石が発光した。
「うわっ!」
トーヤが光から目をかばうと、光は徐々に人の形お形成していき、最終的に一人の青年の姿となった!
「どーも、初めまして……て、おや? どこかで会ったことあるような?」
まじまじとこちらの顔を覗き込む青年にトーヤは若干引き気味だった
「は、は?」
「どこであったんでしょうね?」
うーん、と考えた青年はやがてあっと声を上げた
「そうだ!アークだ。 君、アークに似ているんだ!」
「……アークはおれの兄だけど。」
「え? アークの弟はまだ幼いって聞いたけど?」
首を傾げる青年にセフィルはため息交じりに言った
「……今が、何歴何年か言えるか?」
「52歴37年?」
「今は今は45年だ。」
呆れたように青年に向かってセフィルは訂正を入れた。
「年号もまともに言えないほど時間感覚がくるっていたか。」
「だってだってぇ~、主は最近僕のこと石に入れたままで殆ど外に出してくれなかったじゃないですか!」
「……一日一回は、世間話位ならしていただろう。」
「でもぉ~」
そう言っておいおいと泣き出す青年の後頭部をセフィルは遠慮なしに叩いた
「いたっ!」
「泣くな。 外に出さなかったのは謝るから、まず仕事を頼まれてくれ。」
「仕事?」
「この魔方陣にお前の魔力を注いで、解放してくれ。」
「……それでなんで僕を?」
「魔力が足りないから手伝え。」
「はーい」
青年は返事をすると地に膝をつき魔力を解放した。
「この身に流れる闇の力よ……」
小さくつぶやく言葉と共に、黒い闇の力がトーヤを囲む。
「うわ!」
その時、トーヤの体から淡い光が流れ出した。
「なに、これ……」
トーヤは茫然とつぶやく
「やはりな。」
一人、セフィルだけが納得した様子でいた。
「やはり、って?」
「お前の体には闇の力と対になる光の力が流れていた。」
「光の力・・・」
まじまじと、トーヤは見慣れた自分の掌を見た。
「基本的にこの世に存在するものの多くは、自然界の力、主に火、水、風、地の力を扱う。」
「えーと、兄さんが火で、玲さんが水、だよね?」
「そうだ。だが、たまにそれとは違うもの、光と闇の力を扱うことのできる者がいる。」
「……」
「おまえと、僕だ」
「ええ!?」
「この二つの力は特殊でな、たがいにその力を引き出しあうものだ。僕の魔力が暴発したのは微量にお前の体から漏れ出た光の力を浴び続けていた結果だ」
「えっと、ごめんなさい」
トーヤは申し訳なさそうにあやまる。
「べつにいいさ。 それに気付かなかった僕の不注意でもあるから」
「でも」
「それより」
「?」
「その力、伸ばしてみる気にはならないか?」