第十幕 ―修行始まり!―
「今日から修行だ。」
そう言うレントはどこか意地の悪い笑みを浮かべていた。
朝食を済ませると、三人はレント、フィアール、セフィルにラメドの修行場へ案内された。
修行場、とは言ってもそこは人の通らない町はずれの森。
一般人は入れないようになっており、モンスターがうじゃうじゃいる。
森の入口まで来るとレントが口を開いた。
「今日の修行だが、セフィルとお前たち三人で勝負をしてもらう。」
「「「え!?」」」
3人は顔を見合わせた。
「と、言っても、剣を持ってぶつかり合うわけではない。」
言い終わるとレントは長く真っ白な包帯を懐から取り出した。
「セフィル、これで髪をしばれ。」
「は?」
セフィルはきょとんと眼を丸くしてレントを見た。
「そのリボンをはずして、……ああ、お前は髪が崩れにくいように、リボンを結ぶ前、細い髪留めの紐で結んでいるだろう?」
「はい」
「じゃあ、大丈夫か。 包帯を少し緩めに結んで……これでいい。」
リボンをとり、包帯を結んだ髪をセフィルはなれないように触っていた。
正直長すぎる包帯が腰まできていて鬱陶しい。
そんなセフィルの様子に苦笑しながらフィアールは3人にいう。
「ルールは簡単。 3時の鐘が鳴るまでに、セフィルの頭に付けた包帯を奪えれば、トーヤたちの勝ち。奪えなければセフィルの勝ちだ。 セフィルはハンデとして愛用の剣は没収。 ナイフも切れないものを……」
「魔法は?」
セフィルはフィアールに問う
「中級まで許可。」
「はい。」
「トーヤ君たちは自由に戦ってくれ。 昼飯はこのリュックに……傷薬も入っているぞ。」
トーヤ達は3人分入った大きめのリュック。 セフィルは一人分の小さめのリュックを持たされた。
「……フィアール様、重いのですが。」
「2キロの重り付きハンデだ。」
その言葉にセフィルは小さくため息をついて、じぶしぶしょった。
「では、始め」
レントの高らかな掛け声にセフィルはサッと森の中に入った。
トーヤが率先して彼を追い、あとの二人も(コウハは荷物を持ちながら)続いた