A SISTER TRIED TO COOK!
美穂編の続編です。
タイトルが英語になっているのはこのシリーズのものです。英語、苦手なのでちょっと書くのが不安ですけど…
感想や評価御待ちしております。
というわけで一週間の寝床を確保しました。
その代わりに、お兄ちゃんと冴子お姉ちゃんのイチャイチャシーンを見せられたという、一種拷問のようなイベントもあったけど。
何はともあれよかったよかった。
お父さんとお母さんが帰ってくるまで、ここを拠点にして生活できます。
「で、私、どこに寝ればいいの?」
さっきのイチャイチャの原因となったような質問ですが、これについてはお兄ちゃんが平然と答えます。
「そうだな、俺とお前で1日交代でベッド使おう。ベッドに寝ない方はリビングのソファーで寝るとか。」
このお家のベッドはダブルサイズ(理由を言うのは野暮なので言いません)なのです。だから、2人寝れます。
冴子お姉ちゃんと一緒に寝る順番を交代交代にしようというのです。お兄ちゃんなんだかんだ優しい!ありがとう!
そうしていくつかの決めごとやこの家のいろんな場所の使い方だったりを教えてもらった後は、皆で晩ご飯のお買い物です。
聞けば、基本的にはいつも2人で自炊しているとのこと。
お兄ちゃんも一通りの料理は出来るそうな。お兄ちゃんも料理できないと思っていた私的には仲間がいなくなったようでちょっとショックです。がーん。
そうこぼしたところ、
「大丈夫、この一週間でみっちり鍛えてあげるから!」
と冴子お姉ちゃんに言われました。でも後でお兄ちゃんから『サエ、俺のときそうだったけど、意外にスパルタだぞ。』って教えてもらったのでちょっと怖いです。
…そんなこと言っているから料理美味くならないんですけどね。はいはい、トライしてみるだけトライしますよ。
で、そんなこんなしているうちにスーパーに着きました。
お兄ちゃんたちはいつもこのスーパーを使っているということで、どこに何があるかを熟知しております。さすがです。
お兄ちゃんがかごを持ち、冴子お姉ちゃんがそのかごの中に品物をひょいひょいと入れていきます。私もガムが切れたことを思い出してガムをかごに入れときました。
お兄ちゃんから白い目で見られたけど何も言われなかったので大丈夫でしょう。もーまんたい。
「そういえば、今日の晩ご飯、何にするの?」
「う〜ん、パスタかな。サバの缶詰を使ったトマトソースのパスタ。」
ほぉ、おいしそうです。
そんな洒落たものを自分たちで作れるとは、さすが冴子お姉ちゃんです。というわけでこの一週間でそのスキルを少しでも盗みたいと思います。
というわけで足りない食材やら明日明後日以降の食材とかいろいろ買って御会計です。何故だかお兄ちゃんにガム代100円を徴収されましたが、あれおかしいなー私この家で一週間暮らしていくはずなのになんで会計が別なんだろうか。
それはおいといて、お家に帰って早速クッキングです。
いつもは2人でやっているということですが、今日は、私の練習も兼ねて、私と冴子お姉ちゃんでキッチンに立ちます。その間にお兄ちゃんは洗濯物を畳んだりお風呂掃除をしたりするそうです。
お兄ちゃんのエプロンを借りて装着。エプロンなんてそんなにしたこと無いので装着にも一苦労したのは秘密です。
「うん、美穂ちゃん、似合ってるね。」
そんな私の姿を見た冴子お姉ちゃんはそう言いますが、冴子お姉ちゃんのエプロン姿、超似合っていて可愛いです!
っと、見とれてる場合じゃないです。今日から頑張って料理スキルを盗むんでした。
冴子お姉ちゃんに一つ一つ助けてもらいながら、パスタをゆでたり、ソースを作ったりします。
…
ふぅ、できました!所要時間30分!確かに簡単でした!
(手伝ってもらったとはいえ)初めて自分で料理を作りました!歴史に刻まれた瞬間です!やりました!
「おぉ、これ美穂が作ったのか?うまそうじゃん。」
いつの間にか家事を終えて食卓の用意をしていたお兄ちゃんがパスタが盛りつけられた皿を見てそう言います。
エヘン。やれば出来る子なのですよ、わたしは。
「でもサエなら10分ぐらいでいつも作ってるけどな〜」
…その後のお兄ちゃんの言葉は聞こえなかったことにして。
テレビの前のローテーブルにお皿を並べ、お兄ちゃんはジベタリアン、私と冴子お姉ちゃんはソファーに座って、いただきます!
お兄ちゃんたちは食べながら友達の話とか買い物の話とかいろいろしてます。私はとりあえずそれを聞いている。
「ねー、いつももこんな感じなの?」
「そうだぞ。特に何も面白いことは無いぞ。」
ずずー、と、お兄ちゃんがパスタをすすりながら私の質問に答える。
ふーん。ふふふ。なんだか、心があったかくなります。
さっき2人でしゃべってた話とか聞いてたり、この雰囲気とかをみると、お兄ちゃんと冴子お姉ちゃんはもはや夫婦のような感じです。
そんな雰囲気が心地いいのでしょうか。私までほんわかした気持ちです。
そんな雰囲気は、ご飯を食べ終わってちょっと一息というとき、いや、寝るときまで、続いていました。
お互いがお互いを分かり合っていて、尊重し合っていて、そしてなにより愛し合っていて。
本当に、2人はいいカップルなんだなぁ、と改めて思ったのでした。
…ちなみに今日、私はソファーで寝ます。うぅ、狭い。ゴロゴロできない。




