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近所にいた基地外おばさんの話

作者: 山田 勝
掲載日:2026/06/07

 子供の頃、近所に有名な基地外おばさんがいた。



 チリン!チリン!


「どきなさいよ!」


「キャア!」

「来たよ!」

「基地外おばさんだ」


 カマキリのような見た目だ。


 年齢は50超えているかな。一軒家に住んでいた。


 時々、ママチャリで走り回る。


 そして・・・



「貴方!私を見ていたでしょう!」


 業者などのおっさんが近所に来ると途端にカラミ出した。


 外の人間だからやっぱり分からない。

 本気で女性を怒らせてしまったと思って平謝りだ。



「申訳ございません。配達で迷っていました。ここは住所が分かりづらくて・・」

「嘘よ!怪しいわ!警察につれて行くわ!おっさん気持悪い!」


 近所の人が来て。おっさんに耳打ちをする。


「この方は病気な方なんだ・・・・無視して大丈夫だよ」

「はい・・・」



 多分、生活保護者だ。

 時々、役人みたいな人が来る。



「入院できないのですか?」

「暴力は使っていないから・・・今、考慮しています」


 家族はどうなっているのだろう。



 しかし、ある日からおばさんは一線を越えた。


「証拠よ!」


 パチパチと写メで撮す。

 何でも携帯が壊れたから交換しにいったら、カメラの機能が付いたものを渡されたらしい。



 それまでならまだよい。


 それをネットにアップしたらしい。



 >私を監視している男です!おっさんです。気持悪い!


『え、とカメラはやめて下さい。水道工事の者ですよ』

『嘘仰い!MI6でしょう!私を監視しているのね!』





 これは完全におかしいのか?自分はおばさんなのに、同じ年齢くらいのおじさんを嫌っている。


 大人達は何とか出来ないかな。と話しているときに、奴らは来た。


 ネットを見た暇人たちだ。



「実況です。〇〇基地外BBAの家の前です!」



 彼女の家の前に、マスクにサングラスをかけた青年たちが現れるようになった。

 1人はカメラを持っている・・・




 そして、BBAが出てくると。


「キィー!あなたMI6の回し者でしょう!」


 すると、青年は答えた。


「はい、そうです。MI6の回し者です。〇〇さんを監視しています」

「ヒィ、嘘よ!そんなわけないわ。本物の監視役は白人男性よ!!」





 何でも配信文化最盛期だったので、彼女の動画を見た暇な方がワザワザ関東の田舎町に来て訪問するのが流行っていたらしい。


 これはマジで意味が分からない。



「警察!警察!」


「ここは公道です」

「悲報、〇〇おばさん。強制入院か?」


 その後、おばさんはどこにいったのか分からない。


 強制入院になったとも家出したとも言われている。

 興味ないが・・・・久方ぶりに帰ったら。



 もう、既におばさんの家はない。平地になっていた。



最後までお読み頂き有難うございました。

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