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第1話 あの、神さまって信じていますか?

 こんこんきつね。こんにちは。


 あの、神さまって信じていますか?


 そのとっても可愛らしい女の子にはふさふさの動物のしっぽが生えていた。最初はしっぽの飾りのアクセサリーのようなものだと思ったけど、見れば見るほど本物みたいだった。

 白い動物のしっぽ。いぬ、ねこ、……、いやきつねのしっぽだろうか?(あんまり動物のしっぽのことなんて見たことないから、たぶんだけど)

 それから、頭の上に動物のみみみたいな形の艶々の黒髪の膨らみがあった。

 わざとそんなふうな髪型にしているかなって思ったけど、どうも違うように思えた。(しっぽのことがあったから)

 それからこのことが一番気になっていたのだけど、その女の子は『頭の上に小さな緑色の葉っぱを一枚』をのっけていた。(本物の葉っぱだと思う)

 女の子はにこにこと笑いながら、チャイムの音を聞いてドアを開けた私を見ながら、「あ、こんにちは。あの、わたしは『あなたのことを幸せにするため』にやってきました。お家の中に入れてもらってもいいですか?」ってなんだかあやしい宗教のお誘いの人が言うようなとっても胡散臭いことを(まっすぐなきらきらした目と無垢な笑顔で)言った。

「えっと、あの、君はどこの子? この辺りの家で暮らしている子?」と私は少しだけ屈んで、作り笑いをしながら、女の子の顔を見てそう言った。

 すると女の子は「いいえ。違います。わたしが暮らしているのはとっても遠い山の中です」と嬉しそうな顔で言った。

「とっても遠い山の中?」

「はい。山の中です」

 私はなんだかきつねにばかされているみたいな気持ちになった。(このあとですぐにわかることだけど、本当にきつねにばかされていたんだけど)

「えっと、君は、誰?」

 と私はなんだかとっても変な顔をしながら女の子に言った。

「私は『きつねの子』です。お名前はみゆきです! 今日からよろしくお願いします!」

 と深々とお辞儀をしながら、そんなことをみゆきちゃんは私に言った。もう私たちが一緒に暮らすことが決まっているみたいに、お断りされるなんてこれっぽっちも思っていないような幸せな顔をして、……。

 みゆきちゃんは偶然だとは思うけど、私、深雪みゆきと同じ名前だった。

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