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八国史〜『新約魔書』世界一のワーストセラー〜  作者: 月詠 夜光
~水の章~

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第9話:テレビ

 電波塔の建設の際、サマリは敢えて、テレビの電波も拡散出来るように設計していた。


 お陰で、テレビの開発が(はかど)った。


 ラヂオ放送開始の一年後には、テレビの試作機が造られ、試験放送も行なわれた。


「おおっ!」


 どうなるかを想像していたとは言え、実際にテレビが映ったのは、感慨深いものがあった。


 但し、コレを量産となると、中々に厳しい。

 何しろ、一台一台、龍血魔法文字命令を施していっているのだから。


 だから、龍血魔法文字命令を刻むシステムそのものを設計した。


 それさえ出来れば、後は板状の画面に、土台を付ければ済むことなのだから。


 スピーカーは、画面の板がその性能を兼ねるようにした。


 そうなると、王侯貴族、大商人はそのテレビを買い求めた。


 当初は、情報発信の媒体とした。

 だが、すぐに娯楽性を求められる事になった。


 先ずその為に行われたのは、過去の映画の再放送であった。


 自然と、映画の俳優たちから、『芸能人』となる人々が現れることとなった。


 そして、音楽番組に於ける、新しい形のミュージシャンの台頭も、同時に進行する事になった。


 あとは、バラエティ番組に於ける、コメディアンの台頭等だ。


 ニュースキャスターと云うのも、正確に情報を伝える役目として、狭き門の厳しい指導が行われた上でのニュース番組の放送が行われた。


 それらの人たちは、テレビだけでなく、ラヂオでも登場した。


 芸だけで喰って行ける、プロの芸能人の登場と相成った。


 中には、番組の中で食堂や料理を紹介する為に、本当に芸として喰う芸能人も居た。


 流石に、すぐに大食いや早食いの番組が放送される事は無かったが、次第にそう云った番組が現れていくであろうことは明らかだった。


 ブラウン管と云う発明は、恐らくされないだろう。

 サマリにも、そんな存在の発案は、断片だに思い付かなかった。ただ、龍血魔法文字命令を駆使して、強引にテレビと云う形にしただけだった。


 画面板の強度にも問題が無い。但し、無理矢理破壊しようと思えば、簡単に壊れてしまうが。


 重量的にも充分に軽く、落とした程度では壊れない。


 テレビを見る人たちに言わせれば、「夢を見ているようだ」との評判だ。


 ソレは、売れに売れ(まく)った。

 特に、電波塔を建てた風神州・天星州の人々に。

 残念ながら、水帝州を含むその三州以外は、電波塔の建設に手間取った。


 中でも早かったのが、光朝州だった。

 それらの州に於いては、州独自の番組を放送し、視聴率に従ってスポンサーから報酬を得ていた。


 そう、普及しても見られなければ意味が無い。

 よって、夜中には昼間に放送した番組の再放送が行われた。


 更に、光朝州の黄金芋のCMが好評を博したとあって、各車はCMの作成にも力を入れた。


 光朝州で放送されると云う事は、闇夜州でも放送されると云う事だ。


 施設は共同で使用し、光朝州はその事について闇夜州にも出費を願った。


 ただ、闇夜州そのものは、然程富んでいる訳でも無い。テレビを所持する者は限られた王侯貴族・大商人と云う事になる。

 だが、芸能人と云う存在そのものが、充分な富裕層となり得た。

 よって、テレビを買う芸能人と云うのも現れるようになる。


 そうなると、他州も多少無理をしてでも、電波塔の建設に力を入れた。


 そうして、各州に芸能人と云う名の有名人が現れるようになった。


 各州の王族としては、それが気に食わない。

 故に、王族の芸能人と云うのも現れるようになった。


 良政を敷いていた国ではそれで良かったが、圧政を敷いていた国の王族では、そうはいかなかった。

 集まる、批難の意見書。

 それは、州王に対する非難の意見書とイコールだった。


 上王陛下も、ただ手を(こまね)いていた訳では無い。


 上王陛下は、圧政を敷く州に行政指導をするようになった。

 コレが、劇的な効果を発揮して、各州は富裕への道を歩み出した。


 水帝州も、既に技術大国として、富裕州の一州に数えられるようになっている。

 特に、外貨獲得に因る食糧品の輸入への割り当てに役立った。


 富裕州として数えられるのは、風神州・天星州・光朝州・水帝州の四州に(とど)まっていた。


 次いで、地底州が数えられるが、富裕州と言える程ではない。


 いや、一時期は富裕州だったのだ。王女の風神国への嫁入りによって、風神州の食糧支援が行われる事に因って。


 だが、その王が引退したのが地底州衰退の切っ掛けであった。


 ただ、そんな地底州にも光明が射し込み始めていたのだ。光朝州に因る、黄金芋の種芋の提供と、飼育・調理の術の提供で、である。


 地底州であれば、ある程度の昼間の光と、夜の十分な寒さが伴って、上質の黄金芋の生産が行なわれるようになった。


 それに次ぐ作物の提供も、光朝州と地底州の繋がりに伴って、率先して行われるようになった。


 地底州にしてみれば、風神州よりもよっぽど、光朝州に因る支援の方が有り難かった。


 次の代の作物の生産方法も、光朝州は地底州に技術の提供を躊躇わなかった。


 だが、今のところ、黄金芋は光朝州と地底州以外では生産不可能な作物だった。


 それだけ、今期の光朝州と地底州の王女の交換に近い婚約の結び付きは強かった。


 そして、地底州も光朝州に倣って黄金芋のCMを行ない、主要な輸出産目となった。


 問題なのは、特に闇夜州である。


 現時点では明らかでは無いが、闇夜州は世界を終わりに導く可能性が未だある。


 ソレが明らかになるまでは、闇夜州に要警戒の必要があった。


 ただ、闇夜州で世界が滅ばなければ、時州、空州、電州、磁州、央州の発生からの、『新たなる世界の誕生』と云うエンディングである。


 出来れば、闇夜州の破滅で終わって欲しくは無いが、皆さんの意思表示次第である。


 少なくとも、現時点ではその両者の意見の判明が起こっていない。


 或いは、変態さん達が、フザケて破滅エンドへの導きと云う可能性もあるが、それもまた、立派な意見である。


 判断するのは、皆さんである。最悪を回避する為に、アカウントを作ってでも意見を反映させる覚悟でも無ければ、この可能性の変更はあり得ない。


 それも、数十人規模の意見次第なのである。


 重々承知を願うところである。

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