表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八国史〜『新約魔書』世界一のワーストセラー〜  作者: 月詠 夜光
~地の章~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/73

第19話:スターの優勝

 キクマルが色々学んでいる頃、スターはフライトカーレースで一度は優勝してみたいなと思っていた。

 だが、キクマルを見れば分かるように、スターは未だ学びが足りない。


 だが、優勝は狙える。ミヲエルに、ちょっとだけ無茶なメソッドを組んで貰えば。


 メソッドは今度、キクマルを参考に、仰角を1度から始めて、高度501メートルで仰角45度に到達し、スタートダッシュは最初の1秒で4Gは変えないものの、1G/sで5秒後に9Gまで加速し、サッサと時速1000キロに到達してしまう。


 そして、ミヲエルはキクマルに秘策を隠してくれた。


 この条件ならば、勝てる!……かも知れない。


 9Gまでの秘策を、今回は7回も許して貰えた。


 ただ、スターはミヲエルの本当の秘策を知らずにいた。

 ミヲエルは、ソレの説明をしない。ただ、キロコアを搭載したなら、可能にはなっている。


 ミヲエルには、『光速の貴公子』と云う二つ名があった。

 それは、音速を超えることに由来する二つ名だった。


 ミヲエルには、スターの秘策は必要ない。己自身の秘策である、『キロコア』の運用によって、二位と大差をつけてゴールする。

 果たして、スターが気付くか?とミヲエルは様子見していたが、スターは遂に、『キロコア』の運用におけるメソッドの組み立てをミヲエルに依頼して来た。


 スター曰く、瞬間的に12Gまでの加速を、して欲しいらしい。時速1000キロの状態から。


「危ないから、今度もレースで3度しか使えない秘策にしておくよ?」


 正直、音速を突破する競い合いはミヲエルはしたくなかった。お互いの機体にどのような影響が起こるか判らないからだ。


 だが、機体そのものの性能は、音速に耐え、50Gに耐え、ソニックブームにも耐える設計が為されていた。

 スターにも、その性能を備えた機体が用意されていた。


 音速を超える競い合い。

 中々、スリリングな響きの言葉だった。

 そりゃ、後続車に1時間ものリードを保てると云うものだ。


 更にスターは、キクマルを見習って、仰角1度から、高度501メートルで仰角45度に達し、高度1001メートルで仰角を0度に、高度750メートルで俯角45度、高度499メートルで仰角1度まで上げるまでを、ミヲエルにメソッドを組んで貰った。


「タイミングの計算は、今回は敢えて行わないよ」


 ミヲエルにそう宣言されてしまったが、別に構わないだろう。

 空気抵抗その他で、実レースではどう展開するものか、判らないのだから。


 計算する下地となる条件を付けて苦労して数値を出しても、誰も喜ばないのだから。


 そして、スターは念の為、まとまったお金を確保しておくために、今回のレースは優勝を狙っていた。


 メソッドも、ミヲエルにより高速で惑星半周するレースの秘策やその耐久トレーニングやらを施されていたが、何よりも、『キロコア』の扱いに慣れる事が出来なければ、二位にも入れない。


 スターは、トレーニングを頑張り、レースを頑張り、そして神頼みまでする始末だった。


 結果を言えば、スターは優勝した。

 齢を比べればスターの方が一つ年上だが、お互いにとって適齢期に婚約を結び、そして結ばれた。更には結婚一年後には男児を一人、産んだ。


 風神国にも利があり、直系の王族に男児を産んでくれたスターは、立派にその勤めを果たしたと言える。


 そうしてスターは、風神国王族ОGとして、不老長寿の宿命を受けて、約20年の王妃の座に就き、引退後はミヲエルと共にフライトカーレーサーとして活躍するのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ