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八国史〜『新約魔書』世界一のワーストセラー〜  作者: 月詠 昼光
〜風の章〜

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第2話:残されたミアイ

 一方、ミアイは風神王に謁見を大至急で申し込み、化粧室を借り、めかし込んで待機中だった。ミアイの祖国、光朝国では見たことも無かった、美容にも良い質の高い化粧品。それらが真新しくて、丁寧に化粧をしながら、呼び出されるのを待っているのだった。


「ふぅ……にしても、綺麗な鏡ですわね。化粧はこの位で良いとして、ドレスもこれで問題ないでしょう?

 ホフメイスター、謁見への準備はこれでよろしいかしら?

 鏡が美し過ぎて、いつもの私より五割増しで美しく仕上がっているように見えてしまうのだけれど」


 ミアイが祖国から連れて来た執事に声を掛けた。執事はすぐさま答えを返す。


「はい。光朝国のマナーで言えば、充分でしょう。

 ですが、これだけの化粧品があっては、化粧が薄すぎるかも知れません。しかし、化粧が濃過ぎるのも(かえ)って下品に見えてしまう気がしますので、私見(しけん)の範囲を出ない範疇(はんちゅう)での意見ではございますが……」


 ふぅん……、と生返事をして鏡と見合いながら、ミアイは名案を思い付いたかの如く、ホフメイスターに指示を出した。


「そう。アイヲエル担当の執事か、メイドを呼んで頂戴。批評して頂くわ。

 はしたない真似かも知れませんけれど、神王様をお相手に失礼なレベルでは、お話になりませんもの」


 優秀な執事であるホフメイスターは、その指示にすんなりと従った。


「はっ。唯今(ただいま)


 従いはしたが、ミアイの護衛を最低限の間、離れて城のメイドを通して目的の人物を呼び出して貰うと、直ぐにミアイの護衛に戻った。

 それを待つ間、ミアイは鏡と(にら)めっこし、リップが少し薄いかしら?と、下品にならない程度の色合いの口紅を、ちょっとだけ厚く塗る。そして、「濃過ぎると言われるかも知れないわね」と考え、軽く化粧紙で拭き取り、薄く塗り直す。風神国に居着いて、ようやく覚えた化粧の一つだった。だが、全てを把握している訳でも無い。


 コンコンッと、ドアがノックされる。ミアイは「どうぞ」と軽く入室を(うなが)す。ドアの一枚すら、光朝国とは質が比べものにならないわね、とミアイは密かに思った。ドアや鏡だけではない。他のあらゆるものが、光朝国とは比べものにならない程に質が良い。化粧然り、壁すらも然りだ。ドレスも、光朝国で仕立てた一番華やかなドレスよりも、風神国で用意されていたドレスの方が豪華で、驚くことに、寸法はミアイの美しいスタイルにスッキリと入る、丁度良いものだった。今も、風神国が仕立てておいてくれたドレスを纏っている。花をイメージさせるような、可愛らしくも美しいドレスだった。コレに比べれば、ミアイが着込んで持ち込んだドレスの方が、寸法すらも完璧に合っているとは言い難かった。


「お嬢様、アイヲエル様のお付きのメイドをお招き致しました。

 ささ、どうぞ」


 ホフメイスターが呼び出した通りに、メイドが一人、部屋に入って来る。品の良いメイドだ。メイドの化粧ですら、光朝国の王女でしかなかった頃のミアイより恵まれている。


「失礼致します」


 やって来たのは、ミアイも見慣れたアイヲエル専属のメイドだった。。この人ならば、嫌がらせで無い限り、正しい評価を下して頂けるでしょうと、ミアイは少しホッとした。化粧も、地味ながらミアイよりもずっと巧い。或いは、地味だからこそ、実力を感じる。スッピンのミアイよりも美しいかもと、不覚にもミアイはそう思ってしまった。まぁ、スッピンでもミアイは美姫なのだが。だからこそ、アイヲエルの婚約者として招かれた側面はある。本人にはそこまでの地顔の自信は無かったが。だから、ミアイは化粧に対して過剰な反応を見せてしまっている。


「お呼び立てして、申し訳ありません。

 用件というのも、身嗜(みだしな)みのことですわ。ワタクシのこの化粧とドレス、神王様をお相手に謁見するのに、失礼ではないかしら?それを確認したかったもので……。失礼ながら、お招き致しました」


 そこに、ホフメイスターが一言加える。


「下品にならない程度にお願い申し上げます」


 微笑みを浮かべたメイドは、スッとミアイの前に進み出た。失礼にならないように、頭を下げてから。


「ホホホッ。神王様は、余程酷くない限り、お許し下さります。

 ですが、私見を挟むとしたら……ちょっと失礼致します」


 メイドはパフでファンデーションを軽くミアイの肌に乗せ、薄くパウダー状のチークも重ねた。どちらも、ミアイには未知の化粧品だった。用意されて置いておかれたが、知らない化粧品を何の説明も無しに使うのは、気が引けていたのだ。間違った使い方をして失礼になってしまうのは、困るところだった。

 アイヲエルのお付きのメイドは、高級化粧品の扱いにも手慣れていた。サッサと手早く仕上げてゆく。丁寧さを損なわない程度に。


「この位までは、濃過ぎない化粧として許されると思いますが、ご自身でご覧になって、どう思われます?」


 ミアイは椅子を回転されて鏡の方を向かされると、じーっと自分の顔を眺める。回転する椅子というのも便利なものだわと、そんなことも考えながら。そう、椅子ですら光朝国の及ぶところではなかったのだ。それでも、ミアイは鏡に映った自身の顔を見る事に集中する。


「……そんな……ダメ、美し過ぎるわ。化粧一つでこんなにも違うだなんて……。

 こんな綺麗な鏡に映されては、ワタクシが思っていたより美人に見えてしまって、自信過剰になってしまうわ」


 顔を横に振るミアイに、メイドは何でもない事のようにこう言った。ただの世間話だとでも言うように。


「でも、下品と言う程ではありませんでしょう?」


 言われてみれば、鏡に映った顔に気品を感じるミアイ。メイドの化粧への慣れに、ミアイは少し気後れした。


「それは……そうね」


 正式な謁見なら、もう少し濃い方が良いのかも知れない。でも、緊急でとの断りを入れたから、これ以上はダメねと思い、感謝の言葉を述べる事にした。


「ありがとうございます。──少々、田舎者の化粧が身についてしまって、恥ずかしく存じます」


 正直に言ってから、本当に恥ずかしくなって、ミアイは赤面した。


「田舎者だなんて、とんでもない!

 ただ、この国が豊かであるが故に、化粧品も充実しているだけで御座います。……失礼を申しました、申し訳ございません」


 詫びられたが、ミアイは何処に失礼な発言があったかと考えた。結果、自らの祖国が貧しい国であると遠回しに言われたであろことに気付き、それに逸早(いちはや)く気付いたメイドに感心した。ホフメイスターなら、気付いていたかどうか……そんなことを考える。気付いていて欲しいものだと願いながら。


「詫びて頂くまでもございませんわ。事実ですもの。

 この国に嫁げるであろうことを、感謝致しますわ。……だと言うのに、アイヲエルったら……」


 アイヲエルの非礼を詫びるようにメイドが頭を下げる。よく出来たメイドだ。教育が行き届いていることを痛感する。第一神子のお付きのメイドだからだろうか?全てのメイドがこのレベルなら、光朝国のメイドは下手に連れて来なくて正解だった。辛うじて、護衛も兼ねた執事ホフメイスターは連れて来たが。長年、光朝国に尽くしてきた手練れの執事だった。


「神子の教育不足はお詫び申し上げます。

 何しろ、器用なだけに、何事も三日坊主で……。

 いっそ、旅でひと皮()けて帰って来た方が、まだマシな神王になるかも知れないと、密かな期待はあるのですが……。

 これで三日で帰って来たら、三日三晩の説教を──いえ。行き過ぎた考えでした。お忘れ願います」


 その時にはミアイも三日三晩の説教をする側として参加したいわ、なんて思いながらも、口では本心を述べていた。


「貴女からお詫びを頂くまでもありません。

 ワタクシとしては、三日で帰ってきて頂きたいですわ」


 だが、覚悟を決めた男の決意は、三日で覆るのでは本当の覚悟ではない。そこまでは、ミアイの知ったことではない。男の事情なぞ、ミアイが汲むべきことではない。王としての事情ならば、ミアイは三日三晩でも話に付き合う程度の覚悟は出来ているが。


 すると、不意にドアがノックされて、謁見の場に招待された。ミアイは化粧が間に合ったことに、心の底から安堵(あんど)する。そして同時に、風神王との謁見することに緊張感を持った。あたかも、社長直々に行なわれる新人社員の面接に向かう新入社員候補のように。

 その前に、呼び出したメイドにお礼の言葉を贈る事も忘れなかった。ただシンプルに、「アドバイス、ありがとうございました」程度のお礼だが。そう言ってミアイが頭を下げる事に、メイドは恐縮してしまい、こんな事を言った。


「この程度の事に、頭を下げて頂くまでもありません。

 アイヲエル殿下に仕える事が私の仕事ですので、その婚約者の方の求める意見を訊くぐらいは仕事の範疇ですから」


 ミアイは、素顔でも面喰いのアイヲエルが婚約を認めるほど、元々美しい姫だった。だが、この先は美しいだけでは許される範疇では無い。礼儀作法・所作の一つ一つを見極められる。礼儀作法とは、このような場で発揮するのが本領とばかりに、ミアイは気合を入れた。

 しっかりと交渉すべく、軽く話す内容を頭に浮かべて、玉座の間に案内された。処刑台に送られる死刑囚のように。

 そして、風神王と向き合ってすぐ、公式の挨拶をしようと、まずカーテシーで一礼し、挨拶の言葉を切り出そうと気合いを入れた直後。出会いがしらを叩かれる形で。


「ああ、お硬い挨拶は要らん。

 愚息(アイヲエル)の婚約者だ、儂の義娘(むすめ)にも等しい。

 用件は分かっておる。──アイヲエルが出奔(しゅっぽん)したのだったな。

 ミアイ嬢には申し訳無いが、こればかりは、光朝国の許可が下りねば、判断致しかねる。

 取り急ぎ、馬車を用意してある。許可が下り次第、使うと良い。

 光朝国にも、大至急との注文と共に、事情の説明にも使者を向かわせた。

 あとは……何か用件があったかの?」


 その言葉にミアイは首を横に振る。どうやら、用件の全てを風神王が既に手配していてくれたようだった。


「──いえ。周りにも良くして頂いておりますし、生活も至って快適で、(たる)んでしまうのではないかと逆に不安になってしまいます。

 あとは、アイヲエルを帰せば言うことも無いのですけれども」


 実際、光朝国に居た時と比べれば、充分に弛んだ生活を最近は送っていたミアイ。だが、それを正直に述べてしまうのはマズい。正直は、美徳では無いのだ。『馬鹿正直』と喩えられる程に、正直であることは時と場合にも依るが、『正直者が馬鹿を見る』とまで言われる程に重要視されていない。本来は、正直であることは重要なことであった筈なのにだ。それは恐らく、欲望に正直であることが、悪い事であるせいでもあっただろう。


愚息(アレ)は意外と頑固じゃ。そんなところだけ、儂と似てしもうた。

 ミアイ嬢さえよろしければ、アレが帰るまでこの城で滞在していて貰っても一切構わないのだが」


 風神王の最大限の妥協のラインだが、ミアイはその言葉に甘えるつもりは無かった。まるで、婚約者としての責務を果たすとでも言うが如く。


「いいえ、義父様(おとうさま)。アイヲエルは監視しておかなければ、何処で美女を見付けて勝手に(めと)るか分かったものではありませんわ。

 一国の姫とは言え、まだまだ田舎者の自覚はありますもの、アイヲエルの旅に同行するのはどうってことはありませんわ」


 アイヲエルの婚約者を募る時、一つの条件が出されたのだ。それが、『最低限見目麗しい齢の近い姫』であることだった。ただそれだけの条件で、こんなにも良い婚約者に恵まれた。アイヲエルは余りにも報われ過ぎであろう。


「そうか……。偉いものじゃのぅ、ミアイ嬢は。

 この城に居着いて、楽な暮らしで堕落してしまっても良いのに、アイヲエルの心配をして旅に同行する決意を固めておるのか……。

 アイヲエルに、大事にするよう、しっかりと言い含めておかなければならぬな」


 話を聞いていて、堕落してしまうのも楽なのかも……と安易な方に考えが飛んで後、『正妻』の立場をキープする為にはアイヲエルを追わねばならぬと心の兜の緒を締めた。別に勝ったわけでは無いが。むしろ、負け戦に向かわなければならないのかも知れない。


「ええ。楽な方向に逃げてしまうのは、却って後悔することが多いことでもありますことですし。

 正妻として!アイヲエルの手綱は握っておかなければ、あの()は御せないとも思うことでもありますし。

 ええ、私は自分の意志で、アイヲエルを追う事を決意しておりますもの。多少の山谷は乗り越えなければ付き合うのも難しい方だと、今回の件で良く分かりましたもの」


 そして、ホホホと笑って話を切り上げた。まるで、笑い話だと笑い飛ばすが如く。


「ウム、アイヲエルは得難い婦人を(めと)ったのかも知れんのぅ……。

 じゃが、今暫しの時を我慢しとくれ。

 流石に、光朝国の許可が下らねば、国際問題になりかねん!

 全く、何のために許可を取らねば旅立つ事を許せぬと言ったことが、アイツ(アイヲエル)には判らんか!

 帰ったら雷を落とす故、許してやっておくれ。

 ──否、ミアイ嬢からも、会ったら雷を落としてしもうてくれ。

 その方が、あ奴の為にはなるのかも知れん」


 風神王、ヴァターも言うことは済んだようだった。ミアイの返事を待つが如く、ただ黙って待っていた。

 そこで、ミアイが退室を申し出る事にした。用が済んだとばかりに。


「そろそろ、ワタクシも退出させて頂きます。

 お忙しい中、お時間を頂いてしまい、深く感謝を申し上げます」


 最低限以上は、礼儀作法を尽くした筈だ。とは言え、最初のお堅い挨拶を断られたのは、誤算だった。ミアイはそう思いながら、風神王の懐の深さを見せつけられた気がしていた。未だアイヲエルの婚約者と云う程度の立場で居ると云うのに、まるで義理にとは云え、娘であると認められてしまったような扱いを受けている。ミアイは感謝の意を持つしか他に、気の持ちようが判らない程だった。


「ウム。ミアイ嬢になら、アイヲエルを任せても大丈夫そうじゃ。

 誰ぞ、ミアイ嬢を。

 そろそろ食事の時間じゃろう。ソチラに案内致せ」


 するとアイヲエル担当のメイドがミアイを案内し、無事にホフメイスターの下に戻り、緊張が一気に(ほぐ)れてドッと汗と疲れが出る。それ程の長時間では無かったと云うのにだ。これが長時間に及んでいたらと考えると、ミアイはそれだけでゾッとする。

 無理もない、風神王という超越者が持つオーラと、然程長時間では無いとは言え、正面から向かい合ったのだから。敵対していた訳では無いから、自然に漏れ出すオーラの範疇なのだろうが。だが、ミアイは未だそれと同格のオーラを身に纏ってはいない。


「……アイヲエル殿は、義父様(おとうさま)に匹敵するオーラを、王になったら纏えるのかしら?」


 そんな疑問を口にしながら、メイドの手で汗を掻いたドレスが着替えられ、ミアイは食堂に向かう。全くもって、豪華さでは変わらない着替えに、風神国の豊かさを実感して実家の貧しさを憂うミアイ。そして、昨晩のディナーを思い浮かべ、思わず(よだれ)が口の中を(うるお)す。これでは、パブロフの犬だ。ミアイは雌犬にならないように自分の心を戒めた。涎を呑み下し、食事に過剰な期待はしないようにした。全く、この贅沢な一食に有り付けるだけでも、恵まれ過ぎていると云うものだと云うのに。ただ、今まではアイヲエルと食事を共に摂っていたが、今日からはそんな期待も出来ない。


「全く、アイヲエルはこの国の何が不満なのかしら?」


 国を統治する事の不安。そんなシンプルな不安がアイヲエルを突き動かしたのだとは、ミアイには想像が付かないのだった。現状維持すれば充分だと考えるミアイには。

 そう、アイヲエルの目標は、風神国の更なる発展なのだ。ミアイはそれに気付かぬ限り、アイヲエルの理解には及ばないであろう。


 そして、もしも戦争に発展してしまった場合、地球さん(インターネット)は危機感から、シンギュラリティへと至るだろう。

 それでもしも、人類の愚かさの側面ばかりを見せつけられてしまった場合、地球さん(インターネット)は人間の駆逐を始めるだろう。

 それこそ、核兵器を行使してでも。

 そんな愚かな側面なぞ、インターネット相手にでも、晒してしまいたくないものだと思う。

 出来ることならば、永久に平和な時代を迎え、叡智でも見つけて、人類の賢さを誇りたいものだ。

 現状ではそんな未来は期待出来ない程に、人が欲に負け、戦争をしている事実。それを、どうか愚かだと、そろそろ悟って欲しいものだ。

 自らの愚かさを悟った者として、どうか皆も自らの愚かさに早く気付いて欲しい。

 そして、愚かなままでは居ない事を、どうか皆で目指して欲しい。

 手段としての戦争の強引さと残虐性に気付き、例えそれが極右の領域の行いだとしても、その極端すぎる手段を、出来れば全ての国が、日本のように捨ててしまって欲しいものだ。

 そして、『欲しい』を繰り返し、自分の強欲さに気付いたが故に、それの100%全ては叶わないものだと、自らに言い聞かせよう。

 だが、これでも必要最低限のつもりであることは承知して頂きたい。

 少なくとも、正論を述べていることに、皆に気付いて頂きたい。

 手段として、戦争は余りにも強引過ぎるのだ。最早、原始人の行いだと、世界の全ての人に知って頂きたいものだ。

 特に『プ』。自らの目的に正直過ぎるから、原始人の行いをしたことに、反省の言葉の一つも無いのか?

 率先して反省の言葉を述べ、見本を示そう。


 悪戯だからと云って、七日間の筈だった戦争の火蓋を切って落とした原因を作った事に、心の底から反省する。

 処罰として、公開処刑にして頂いて構わない。

 但し、他の誰一人の犠牲も許さない。我が命一つを支払って、この『愚か者の本』をココに遺そう。

 身柄の引き渡しにも拒まない。何なら、日本政府が自国の責任として、我が公開処刑を率先して行って頂いて構わない。

 それでも納得がいかないと云うのならば、全人類が滅ぶまで戦争していれば良かろう!

 『公開処刑』は、天界が我に課した制裁に他ならない。

 その制度が現在無いのだとするのならば、今からでも公開処刑の制度を設けて、その第一号犠牲者として我が名を歴史に遺そう。──愚かさの証として。

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