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宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~  作者: 出雲大吉
第3章

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130/152

第130話 予想通り


 町中を歩いていくが、町人の他には商人や冒険者の数が多いように見える。


「フリオ、騎士がいないな?」

「この辺はさすがに少ないですよ。ペインやルビアもあまりいなかったでしょう? やはり大きい町に集中していますから」


 騎士も大きい町が良いのか。


「国境を守れよ」

「さすがに軍隊がこの山脈を越えるのは無理ですよ」


 フリオが苦笑いを浮かべた。


「それもそうか……あれが駅か?」


 前方に広場が見え、その先に駅らしき建物が見えている。


「そうですね……では、我々はこの辺りで待機しています」


 フリオはそう言うと、オフェリアと共に立ち止まった。


「わかった。じゃあ、行ってくるわ」

「お願いします」


 俺とエルシィはそのまま歩いていき、広場を進む。


「エルシィ」

「ええ。兵士の数が多い気がします」


 やはり反乱が起きているのか?

 新聞を規制しているから一般市民は知らないだろうが、軍部は当然、把握しているだろうからな。


 俺達はそのまま進んでいくと、駅に入る。

 駅の中は人がかなり多い。

 それに何よりも改札のところに何人もの兵士が立っていた。


「やはりか……」

「検問ですね……それに何かを持っています」


 兵士達は全員、一枚の紙を持っていた。


「どうするか……」

「先輩、ちょっと受付で聞いてみます」


 エルシィがそう言って、ウェンディを渡してくる。


「頼む。それとできたら兵士の前を通ってみてくれ」

「わかりました」


 エルシィは頷くと、まずは右の方にある時刻表のところに向かう。

 そして、時刻表を確認すると、正面にある改札の前を通り、左の方にある受付に向かった。

 その際、すべての兵士がエルシィを追うように見て、持っている紙と見比べる。

 しかし、すぐに視線を外した。


「……レスターさん」


 ウェンディが小声で囁いてくる。


「……予想通りだ。誰かを探しているな」

「……オフェリアさん……ですかね?」

「……エルシィを一瞬、確認したということはそうだろう」


 若い女性だったから確認した。

 しかし、エルシィとオフェリアでは髪色も体型もまるでタイプが違うのだ。

 だからすぐに視線を外した。

 そう思える。


「……なんでなんですかね?」

「……まだわからん。エルシィを待とう」


 エルシィは受付のおばさんと楽しそうに話している。

 そのまま待っていると、話を終えたエルシィがこちらに戻ってきた。


「お待たせしました。まずは外に出ましょう」


 エルシィに促されたので駅を出る。


「どうだった?」

「マズいですねー……オフェリアさんを探しているようです」


 やはりか。


「正直、そうなんじゃないかと思ってたわ」

「私もです……」


 ハァ……簡単には500万ゼルをくれないか。


「エルシィ、どうする?」

「見捨てるかですか? どう助けるかですか?」


 俺達はお尋ね者になっていない。

 だからこのまま列車に乗り込むということもできる。


「両方」

「前金の500万ゼルと金のインゴットを持ち逃げするのはどうなんでしょう?」

「ダメですよ」


 ウェンディも反対のようだ。


「わかっている。確認だ」


 フリオもオフェリアも王都まではよくしてくれたしな。


「こうなったら密輸大作戦です」


 それか……


「とにかく、戻って2人と相談しよう」

「わかりました」


 俺達は広場を抜けると、通りのベンチに腰かけて待っている2人のもとに戻った。


「どうでした?」


 フリオが聞いてくる。


「ダメだ。改札のところで張られている。どうもオフェリアを探しているっぽいな」

「え? 私をですか? どうして?」


 さすがにオフェリアが驚いた。


「わからん。とにかく、作戦会議をしよう。どこかの宿で一泊したいが、フリオは知らないか?」

「宿ですか……私もこの町には来たことがあるのですが、その時は宿舎に泊まりましたし……あ、でも、道中に宿屋があった気がします」

「そういえばありましたねー」


 エルシィも見つけていたらしい。


「そこにしよう。案内してくれ」

「ええ。こちらです」


 フリオが頷くと、オフェリアと共に立ち上がったので来た道を引き返していく。

 すると、心なしかオフェリアが俯いていた。


「オフェリア、気持ちはわかるけど、逆に怪しいから顔を上げて」


 フリオが優しく声をかける。


「そうでしょうか?」

「オフェリアを探しているとはいえ、この辺りに兵士の姿はないよ。堂々としていれば問題ない」

「わかりました」


 オフェリアが顔を上げ、さらに歩いていくと、フリオが建物の前で立ち止まった。


「ここが宿屋だと思います」


 【麓の宿】って看板があるし、そうだろうな。


「俺達が話す」

「お願いします」


 フリオが頷いたので俺とエルシィを先頭にして中に入る。

 中は木材を使用した落ち着く雰囲気の内装だった。


「いらっしゃい。団体さんだね」


 奥の受付にいるおばさんが笑顔で声をかけてきた。


「こんにちはー。一泊したいんですけど、空いてますー?」


 受付に向かうと、エルシィが店員のおばさんに聞く。


「4人部屋かい?」

「2人部屋を2つ借りたいです。こことここです」


 エルシィが自分と俺、オフェリアとフリオを指差した。


「2部屋ね。夕食と明日の朝食は?」

「お願いしたいです。あ、この子も食べるので5人分です」

「ウェンディでーす」


 いつもようにウェンディが手を上げて、挨拶をする。


「えっと……人形?」

「使い魔です」

「へー……まあいいよ。じゃあ、食事はそこの食堂で食べてね。好きな時間に来てもらえればいいから。えーっと、合計で2万ゼルだね」

「じゃあ、これでー」


 エルシィがカウンターに2枚の1万ゼル札を置く。


「確かに……じゃあ、これが鍵ね。部屋は2階の5号室と6号室だから。何かあったら私がここにいるから声をかけてちょうだい」

「わかりましたー」


 俺達はすぐ手前にある階段を上っていく。

 そして、5号室の前までやってきた。


「どっちがいい?」


 一応、聞いてみる。


「一緒ですよ……じゃあ、奥の6号室にします」


 フリオが苦笑いを浮かべながら答えた。


「じゃあ、これでーす」


 エルシィがフリオに鍵を渡す。


「ありがとうございます。宿代です」


 フリオは財布を取り出し、エルシィに1万ゼル札を渡した。


「フリオ、オフェリア。作戦会議をしたいから落ち着いたら部屋に来てくれ」

「わかりました」

「すぐに行きます」


 2人が頷いて、部屋に入ったので俺達も自分達の部屋に入った。


お読み頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
怪しいスーツケースなんか絶対詮索されるよね たしか前回は中身は詮索するな言われてるで通してもらったが、今回はその言い訳使えないしどうするんだろ
結構しっかり見張ってるなあ 人手が多ければ別の路線の出口なんて見張ってそうなもんだけど大丈夫かな
密輸か、楽器ケースに入ってもらって移動かな?
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