表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~  作者: 出雲大吉
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

107/151

第107話 変な目で見られない?


 王都をぐるっと回る道を歩いているが、通り過ぎるのは冒険者や商人っぽい人間が多いように思える。


「普通の町人はいないんだな」

「中に住んでいる町人は別のところに用があってもまっすぐ進みます。ここを通るのは外に用事があるものがほとんどですね」


 なるほどな。

 確かにその通りだわ。

 俺達と違って街並みにも詳しいだろうし。


 俺達がそのまま歩いていくと、ちらほらと見えていた騎士の姿が増えてきたように思えた。


「騎士が増えてきたな。西門に近いのか?」

「ええ。そろそろですね。御二方はそんなことしないと思いますが、あまり騎士に怪しまれるようなことはしないでくださいね」


 さすがにしないな。

 俺達はチンピラじゃないし。


「そういうのもいるのか?」

「治安の良い町ですが、粋がって虚勢を張る若者や質の悪い酔っ払いはどうしてもいますからね」


 それはどこにでもいるか。


「俺達はそういうタイプじゃないから安心しろ。むしろ、トラブルを避けたい方だ」

「そんな感じはします。逆に騎士は誇り高いので向こうから絡んでくることもありませんのでご安心を」


 そんなイメージはあるな。

 ナイト様ってやつ。


「あのー、オフェリアさん、ちょっといいですか?」


 エルシィの腕の中にいるウェンディが声をかける。


「何でしょう?」

「騎士さんはどういう立場なんですか? やはり他国の兵士とは違う感じですかね?」


 ウェンディが気になっていたことを聞く。


「そうですね……兵士という点は一緒です。ただし、騎士は騎士爵という身分になります。分類上は貴族になりますね。ただ、領地を持っているわけではありません。あ、いや、持っている人もいますが、ほとんどの騎士は持っていませんといった方が正しいですね。というのも騎士は戦場や魔物退治などで功績のあった者やその勇気や力を王家に認められた者がなれます。もちろん、身分ですので子孫に代々継がれます。しかし、やはり騎士家の当主は勇気と力を持たないといけません。騎士の子供は物心がついた頃から剣や魔法の腕を磨き、功績を作って国に認められるわけですね」


 曖昧なところが多いな。

 まあ、昔の日本でいうと武士だろう。


「じゃあ、レスターさんでも騎士になれるんですか?」


 なれない。

 無理無理。

 俺のどこに勇気と力があるんだ。


「外国の方がなることもありますね。もちろん、それ相応の功績が必要です。どうです? 魔物退治でも?」


 オフェリアが笑いながら振ってくる。


「無理。俺は錬金術師だ」

「そうですよね。まあ、御二人ならば騎士にならなくても錬金術師として功績を作って、地位を確保した方が早そうです」


 それもないけどな。


「やはり何かあった時は騎士が率先して出ていくわけか?」

「そうなりますね。騎士の家はどこも馬を持っており、これが騎兵隊になります。ここのところは他国との衝突もありませんが、修練を欠かしていませんし、魔物退治なんかをしています。おかげで、冒険者ギルドのそういう仕事はほぼ騎士達に取られているって感じですね」


 鉱物という資源が豊富なのにこの国が侵略されないのがよくわかるな。

 海と山脈という天然の要塞に囲まれ、さらには兵も強い。

 でも、逆に騎兵が中心だから山を越えるのも海を渡るのも難しい。

 そりゃ他国も放っておく一択だわな。


「……錬金術師の育成に力を入れているのも頷けるな」


 エルシィに小声で同意を求める。


「……はい。この国の弱点がわかりました。飛空艇です」


 エルシィもわかったようだ。

 まあ、そうだろう。

 俺達はイラドの宮廷錬金術師だった時に軍事用の飛空艇開発の仕事もしていたのだ。


 実はこの世界ではまだ戦争に飛空艇は使われていない。

 しかし、イラドもゲイツもその研究、開発を始めている。

 もし、これが進み、実用化されたらイラドが真っ先に攻め込むのはここだ。

 同盟国である仲良しこよしのランスと協力して資源が豊富なこの国を狙うだろう。

 もちろん、そんなことはこの国もわかっているから錬金術師の育成をし、対抗しようとしているわけだ。


「……国関係の仕事はNGにしよう」

「……それが良いと思います。下手に目をつけられたら強引にでも勧誘されそうです」


 俺達、飛空艇開発のノウハウも知ってるからな。

 もっと言えば、前世の記憶があり、錬金術師として一流な俺はこの世界にはない銃でも爆弾でも作ろうと思えば作れたりする。

 エリクサーを作れることもだが、よく考えたら俺、かなりヤバい人間だわ。


「あのー?」


 オフェリアが内緒話をしている俺達を見て、首を傾げていた。


「あ、いや、仕事のことをな……それよりもあれが西門か?」


 前方には大きな門が見えている。


「ええ。あれが西門になります」


 西門の周りには多くの騎士がいる。

 しかし、それと同時に家族連れも多いように見える。


「子供がいるぞ」

「先ほど言った乗馬体験ですよ。他にもお遊びのような演習体験もやっているんですよ。騎士達は国を守りますが、それと同時にイメージアップ戦略も欠かしていないんです」


 軍は民衆に嫌われやすいからな。

 それにあの子供達が騎士を目指してくれたらそれが戦力アップに繋がるわけだ。


「ウチのウェンディでも乗馬体験ができるのか?」


 子供よりも小さい人形なんだが……


「多分? まあ、行ってみましょう」


 俺達は西門に向かって歩いていった。


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

【予約受付中】
~書籍~
~3/27発売予定~
覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
web版はこちら

~4/30発売予定~
宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

【新刊】
~漫画~
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)

【現在連載中の作品】
元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
一応105話の所にもコメントしてましたが、乗馬の出来る軍の施設は東門の外とあったのは西の書き間違いですかね…? 文中では判別つかなくて誤字報告は送って無かったのですが。
悩ましいな 国防に参加する気がないのに平穏に暮らしたいってのは 他者の犠牲に成り立つテイカー状態でもある ど田舎にいって完全自給自足を目指すのでないのならば 国への協力姿勢は必要だと思う。自己防衛の…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ