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第4話 寮の案内

 コーラを飲んでしばらく話したあと、迅斗が寮を案内してくれることになった。

 部屋から出て、最初に1階まで行った。

 そこには食堂があるらしくて、結構人で賑わってる。


 「ここからも女子寮と教育所、道場に行けるんだ」

 「……最初の女子寮ってやつはなんとなくわかるけど、他の2つはわかんないんだけど」

 「教育所っていうのは知識をつける場所だ。敵の弱点をさがす方法だったり、基本的な刀の扱い方だったりを教わる。道場は実践だな。仲間同士で木刀で斬り合ったり、空手とかやる」


 空手……?

 痛そう。


 「それと、教育所と道場は男女混合でやるからそのへんは理解しといてくれ」

 「へー、道場を男女混合でやっていいの?」

 「『恋愛対象の性別に見られればやる気が出る』っていう理由らしい」


 その表現、時代が変わったんだなってわかるな。

 確かに俺の恋愛対象の性別は女性だから、女性に見られればやる気出るってことか。

 俺はあんまり見られたくない系の人なんだけどな。


 「基本的にここじゃ金銭のやり取りはないから、全部無料だ。ほしいもの言えばもらえる」

 「じゃあ食堂で食べたいもの言えば無料で出されるってこと?」

 「そういうこと」


 それはいいな。

 やっぱり向こうの世界より全然楽しそう。


 親とか友達と別れるっていうのはちょっと寂しいけど、ここで新しく友達つくってワイワイするの楽しそう。


 「今腹は?」

 「あんまり減ってないな。なんかキャラメルシェイクがお腹に溜まってる」

 「『精神安定剤』な。じゃ、部屋に戻るぞ。明日からお前も教育所で勉強することになるから今日はゆっくり休むぞ」




 ──────────────────




 「新しい服とかは明日支給されるから、今日は今着てるその服で我慢してくれ。服の貸し借りは禁止されてるんだ、この寮ではな」


 部屋まで戻って、ゆっくり休むことにした。

 さっきスマホ出したけど、もちろん圏外でなにもできなかった。


 この世界ってスマホ使えないのかな?

 もし使えたら親とか友達と連絡取り合えるのに。


 それに、昔からやってるスマホゲームのデータが……。


 「……そういえば、今の時間は?」

 「だいたい5時」

 「そんなか。今から寝るわけにもいかないな。どうする? トランプとかで遊ぶ?」

 「修学旅行かよ。お前、この世界のこともっと知りたくないのか? てっきり、そういうこと訊かれるかと思ったんだが」

 「うーん、確かにそういうことは考えなかったな……」

 「精神安定剤のせいだな。じゃ、もう寝るぞ。俺も今日は疲れた」

 「いや、今から寝たら真夜中起きない?」

 「俺は平気だ。それにお前も平気なはずだ。精神安定剤を服用すると、副作用として睡魔が襲ってくるはずだ。で、12時間くらい寝ないとその睡魔は消えない」


 精神が安定する代わりに睡眠12時間か……。

 釣り合ってるようで釣り合ってなさそうだな……。


 「布団はお前のもあるからな」


 いや、今から寝れるわけ――




 ──────────────────




 ――寝れちゃったよ。

 あのあと雰囲気で横になって目閉じた瞬間に意識がなくなったよ。


 今何時だろ……。


 部屋の壁に掛けてある時計を見る。

 6時だ。


 俺13時間寝たことになるじゃん。

 精神安定剤怖いな。


 これからは飲むとき気をつけよ。


 「――起きたみたいだな」


 隣で寝てた迅斗が喋る。

 そして起き上がった。


 「どうだ? しっかり寝れたか?」

 「ああ、結構スッキリした」

 「もう精神安定剤の効果はなくなったから気を付けろ」


 え、もう切れちゃったの?

 ってことはこれから俺、冷静じゃいられなくなるってこと?


 「ここからがお前の本番だな。死にたくなかったら脳みそ完全に起こしてから今日を過ごせ」


 なにその言い方。

 怖いんですけど。


 「腹は? 減ってるか?」

 「いや、そんなに……」

 「じゃあ教官のところまで行くぞ。お前は新人だからな」




 ──────────────────




 迅斗に『第4教官室』ってところまで案内された。


 「ここに教官がいる。その人の指示に従ってくれ。ここからはお前一人で行け」

 「マジで一人で行くの……?」

 「慣れるためだ。俺はもうちょっと寝る」


 迅斗はそれだけ言ってどこかに行っちゃった。


 どうしよう、もう精神安定剤の効果切れちゃったから緊張しまくりだよ。

 この中に知らない人が……。


 いや、迅斗の言った通り、これは慣れるためだ。

 頑張れ、風月。


 俺は深呼吸をしてからノックを3回してドアを開けた。


 中には20代前半っぽい女の人がいた。

 うう、なんか怖そうだな……。


 ……? いや、この人見たことあるよ?


 「よお、早いな、風月」


 そう女の人が言う。


 やっぱりそうだ、チョウカさんだ。


 「もっと中まで来いよ」

 「し、失礼します……」


 中に入るけど、やっぱり緊張する。

 ……チョウカさん、美人だな……。


 「迅斗とは仲良くなれそうか?」

 「は、はい。なんとか……」

 「そうか、それならよかった。……あ、これが私の名前な」


 チョウカさんは懐から小さい紙きれを出す。

 昨日迅斗からもらったやつに似ている。


 それには漢字で『蝶香』って書いてあって、フリガナで『チョウカ』って書いてある。

 漢字でこう書くんだ。


 それより、もっと気になるものがあった。


 名前の隣に『第4教官』って書いてあった。


 「君のももうできてるから、あとであげるよ」

 「ど、どうも……」

 「それじゃ、早速今日から教育所で勉強していくぞ。最初は自己紹介だな、頑張れ」


 うう、自己紹介とか苦手だよ……。

 なんて言えばいいんだろ……。

バトル要素を早く書きたいのにまだ書けないという絶望がすごい……。

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