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第26話 デート準備……?

※本当は後書きに書きたかったですが、それができなかったのでここで書かせていただきます。

作者の都合で、12月上旬まで投稿を一時的に中断させていただきます。

そのうちのひとつに定期考査があります。

頑張って戦ってくるので、よろしくお願いします。

 よし、話すぞ。

 うん、俺なら相談できる。

 いつも話してるんじゃん。

 一緒にご飯も食べてるし。

 だから話すことくらいなんともない。


 だから訊くぞ。

 今目の前にいるんだ。


 「あの、天菜」


 俺は目の前にある天菜に話しかけた。

 天菜はちょうど俺に背中を見せてて、俺の声が聞こえたらしく振り向いた。


 「? どうしたの?」

 「あっと……ちょっと相談していいかな……?」

 「……うん、いいよ」


 急にニヤニヤ――っていうより、軽く笑う天菜。

 なんだこの表情は……。


 「えっとさ、なんというか……」

 「私の部屋で話そ?」


 いや、女子の部屋なんて入れませんよ。

 雨米といい天菜といい、なんでそんな抵抗なしに男を部屋に入れられる?


 けれど天菜ほ俺の手を掴んでそのまま歩いてく。

 結果、俺は普通に天菜の部屋に入ってしまった。


 天菜の部屋、きちんと整理されてるなー……。

 天菜の性格通りだ。


 そのまま本棚を見てみる。


 うん、本とノートと教科書と問題集がたくさんあって――


 ――って、本とノートと教科書と問題集がたくさんある!?

 え、勉強してるの!?


 「えっと……花楓ちゃんは――」

 「ちょっと待て! なんでこんなに勉強道具が!?」

 「え?」

 「いやいや、『え?』じゃなくて! めっちゃ真面目じゃん! 俺たち異世界転移してきて勉強なんかしなくていいのになんで!?」

 「……やっぱり変わってるかな?」


 急に声のトーンが低くなる天菜。

 だから俺も黙った。


 俺、もしかして変なこと言った……?


 「ずっとさ、本読んでて……ずっと勉強……好きでやってるのって……変わってるかな……? 変かな……?」

 「いや、その――」

 「私もさ……思ってたよ……。『この世界からは変わろう』って。初めてかえ――親友もできて変われると思ったけど、やっぱりダメだった……。ごめんね……変で――」

 「変じゃない!」


 つい言葉が出た。

 思うより早く、先に言葉が出た。


 「さっきは何も考えずに言っちゃったけど、全然変じゃない! 好きなものは人それぞれだし、それを否定するのは間違ってる!」

 「……じゃあさ、『人を殺すことが好き』って人にも、それ言える?」

 「え……?」

 「私はさ、言えないよ。そして、その人を……殺したよ……。知ってる? そんな知り合いを殺して、みんなから憎まれる、この気持ち」

 「…………」

 「……ごめん! 急に暗い話になっちゃったね! 元気出そう!」


 自分の頬を叩いて、天菜はニッコリ笑う。


 「いい? 今の話は内緒。誰かに話してたり、ずっと覚えてたら許さないからね?」

 「でも――」

 「私は風月よりも早くこの世界に来た。だから先輩命令。今は元気になること。先輩の命令に逆らうと、雨米ちゃんがご飯つくらなくなります」

 「え、それは嫌だ!」

 「ねー、雨米ちゃんのご飯美味しいもんねー。それをちゃんと食べたかったら、命令には従うこと? いい? 花楓ちゃんも元気な人のほうが好きだよ?」

 「……わかった。でもごめん……」

 「気にしないで。じゃあ早速考えよっか」


 天菜は机の引き出しからなにかを取る。

 眼鏡ケース……?


 「ちょっといい?」


 天菜はそこから眼鏡を出して、俺に掛ける。


 「お、似合うじゃん! 印象一気に変わるね! ここから一気にギャップ萌え狙っちゃう?」

 「えっと……俺は今何をされてるのかな?」

 「花楓ちゃんとのデートの準備! で、髪はこんな感じかな……」


 さらに俺の髪をいじる天菜。

 ……こう思っちゃいけないかもだけど、マジで女子に髪触られてる。


 女子との接点なかったからな、ずっと。


 「……うん、カッコいい! クールにも見えるし、結構情熱的にも見える。でも花楓ちゃん、変に飾るのはあんまり好きじゃないんだよね……」


 え、そうなの?

 ちょっと意外。


 「だから変にオシャレするより、そのままでもありだな……。風月って普段メイクとかしてないもんね? 化粧水とかは使ってる?」

 「化粧水も使ってませんね、俺は」

 「いいなー、綺麗な肌してて。向こうでモテモテだったでしょ?」

 「妄想では」

 「うそー、絶対好かれてたって。顔もいいし知的そうだし、優しいし」

 「そんな優しいかな……?」

 「一人でクリーチャーと戦ったり、討伐補助に行こうとする時点で優しいよ」


 嬉しい、普通に。


 「やっぱりいつもの風月一番カッコいいな。ごめんね、急に触って」


 俺から眼鏡を外す天菜。


 こいつ、勉強できるよね? 多分。

 勉強もできてオシャレとかもできるって、JKの理想じゃない?

 しかもちゃんとしてるし。


 「ま、頑張って! 応援してるから!」

 「さっきデートって言ってたけど、そこまでじゃないと思うよ……? 迅斗から『花楓はお前のこと、恋愛的には見てない』って言われてるし」

 「あー、なるほどー……。ま、そういうふうに行くか……。ま、頑張れ!」


 うん、よくわかんないけど頑張る。

 頑張りたい、初の女子との二人の外出。

 「――失礼します!」


 ドアを勢いよく開けるのは護殺人の少女――帆佳。

 その部屋の奥には第4教官――蝶香が立っていた。


 「教官! 相談があります!」

 「……なんだ?」


 細い目で帆佳を見る蝶香。

 帆佳はその目線を受け流しながら喋った。


 「風月のところに1型クリーチャーが出現したって、本当ですか!?」

 「……ああ」

 「それで1体の護殺人が死んだと聞きました! それって、まさか――」

 「風月じゃない」


 帆佳の声を遮る蝶香。

 帆佳はそれを聞いて多少安心する。


 「風月は……重症ですか……?」

 「いや、そうでもなかった。数分で病院から退院できるくらいのもんだ」

 「……あの、私も天星市に移させてください! 私の担当の街には、私の他に5体の護殺人がいます! 私だけ抜けても大丈夫です! なので――」

 「それはまだだ」


 再び帆佳の声を遮る蝶香。

 帆佳はそれで再び言葉を止めたが、それは先刻とは違う意味だった。


 「あの街の護殺人はまだ誰も死んでない。数は足りてる。しかもそのうちの3人が優秀な成績をおさめている。お前が行く必要はない」

 「でも――!」

 「無理なんだ! また……昔みたいになるぞ……?」


 『昔みたい』。

 その言葉で、帆佳はこれ以上喋るのをやめた。


 「……失礼しました」


 帆佳は一礼をし、そのまま部屋から出た。

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