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74. 絶対防御のはずなのに

 

 ドラゴンが破壊した巨大な建造物は王都のお城だった。


 尖塔? って言うんだっけ?

 お城の中心の高い塔で、一番上はザ・お城って感じの三角形になってる場所。

 あの三角部分がドラゴンブレスで吹き飛んだ。


 ……あの部分って中に人いないよね?

 もしいたら塵になっててもおかしくないよ。


「ネロ、お願い!」


 ネロに頼んで、今や吹き抜けとなった塔へ急行する。


 どうしてドラゴンがまだ暴れているのか分からないけど。

 折角全部解決したと思ったところでこれだ。これ以上被害を出されるのは腹が立つ。


 改めて魔力反応を意識すると、強い反応が二つあることに気がつく。あ、ネロは除いてね。


 一つはドラゴンのもの。

 もう一つは壊された塔の上の方からだ。

 でも、こっちの反応は急速に弱まっていくのを感じる。


 解決はしたはずなんだけど、暴走していたドラゴンは竜帝のために強い魔力を狙っていたよね。

 ……もしかして、このドラゴンはあの魔力反応を狙ってるんじゃない?


 ドラゴンが塔の上に降り立つのが見える。

 と同時に、そのドラゴンの目と鼻の先に誰かがへたり込んでいるのも視界に入ってくる。



 ——あ、これはマズそう?



「ごめん、先行く!」


 ドラゴンとその人物の間をめがけて、ネロの背中から飛び降りる。




 バシッッッッ!!




 咆哮をあげ、まさに今、勢いよく振り下ろされたドラゴンのかぎ爪を左手で受け止めた。



 ふー、危ない危ない。間一髪ってやつかな。

 あ、ネロも降りてきたね。



 ……それで本当にどういう状況なの。

 えと、襲われそうだった人は——って、え、この人って。



 改めて後ろを振り返ると、そこで座り込んで俯いている女の子には見覚えがあった。


 というか、王女様だよ。


 こんなところで一人でどうしたんだろう。

 しかも、真剣でドラゴンに襲われる五秒前じゃなかった?



「大丈夫?」



 私の声に反応して、ゆっくりと顔を上げて私のことを見る王女様。


 その目は真っ赤に充血していて、はっきりと涙の跡が見てとれた。

 可愛い顔がもったいない。


「……」


 私のことは視界に入っているはずだけど、ぼーっとしているだけで反応がない。

 まだこの状況が理解できなくて反応に困っているのかも。


 ……いや? もしかして、私のことが分かってない?


 考えてみればそうだよね。一回会っただけだし、大して話もしていない冒険者のことなんて覚えていないか。ただでさえ王女様なんて忙しいだろうし。

 急に出てきたけど、あなた誰? ってなってるのかも。


「えっと、大丈夫? 私、リコ、ですけど……」


 なんとか思い出してもらおうと名前を伝えてみる。

 すると、やっと王女様が反応してくれた。


「……リ、リコ……。——リコっ!!」


「え?」


 噛みしめるように私の名前をつぶやいた直後、急に目を見開いて今度は私の名前を叫ぶ。


 驚きと焦りが混ざったような声だった。

 彼女の視線の先は私の背後。


 ——背後?


 私が振り返ると、かぎ爪を掴まれたままのドラゴンがまさにブレスを撃とうとしているところだった。


「おっと」


 ヤバいヤバい。ドラゴンのこと忘れてたよ。


 ブレスは止められなさそうだね。


 なので、かぎ爪をぐいっと引っ張りドラゴンの顔を私の方に寄せ、下から掌底で顎を撃って顔の向きを強制的に変える。


 この部屋には屋根がないので、そのブレスが被害をだすことはなかった。

 ……屋根がないっていうのもいいことがあるもんだね。


 それじゃあっと。

 よいしょ、背負い投げー。


「——あっ」


 簡単にドラゴンは投げ飛ばされ床に沈む。


「——っぶない! セ、セーフ……?」


 ここが一応屋内なのを忘れていたよ。屋根はないけど。

 でも、建物の中でドラゴンなんて重いもの投げたら、床をぶち抜いてしまってもおかしくなかったよね。

 今回は大丈夫でよかったよ。さすが王国が誇るお城の耐久力だ。屋根はないけど。


 ……で、これはどうすればいいの?


 もうドラゴンは暴走しないんじゃなかったの?

 竜帝さん、話が違うよ。


 そんなことを考えていると、ネロがそのドラゴンのそばに歩み寄るのが見えた。


 くるるー。


 グゥ。


 くるるー。


 グル。


 くるるー。


 グルルー。



 ……会話してない?



 あ、ドラゴンが起き上がった。


 ドラゴンはこちらに背を向け翼を広げるとそのままゆっくりと上空に消えていった。


 ……ええと? 思わず見送っちゃったけど。

 ネロがなにか言ってくれたみたいだし問題ないのかな。


 くるるー。


 今度は私のそばに来てくれる。


「えと、もう大丈夫なの? もうあのドラゴンは襲ってこない?」


 くるるー。


「そっか。ありがとね」


 ネロが頭を差し出してきたので、撫でてあげながらお礼をいう。


 ネロがそう言うならそうなんだろう。

 多分、説得とかしてくれたんじゃないかな。

 これで後始末についても解決だね。


 しばらく目を細めながら私に撫でられていたネロだったけど、不意に私の背後を見据えて、くるーと鳴く。


「ん? ——あっ」


 今度は王女様のことを忘れてたよ。


 未だに座り込んでいた王女様のそばに慌てて駆け寄って、目線を合わせるために床に膝をつく。


「ごめん。えと、怪我はなかっ——え」


 王女様が正面から抱き付いてきた。

 私の背中に腕を回して、お腹に顔を押し付けてくる。



 ——ぐすっ



 鼻をすする音がする。



 あ、あわわわわ。



 ええと。

 ええええと?

 ええええええと??



 ど、どうすればいいの?


 泣く子どもの相手なんて私には一番ハードル高くない?

 しかも、よりにもよって王女様。



 ……あああ、王女様の涙で私の一張羅がぐしょぐしょにー。



 これ、ドラゴンと戦う方がマシかもしれない。

 ドラゴンに勝てても、女の子の涙には弱いよ。


 そして、私の魔力も弱い。

 どうしてドラゴンブレスは防げて涙は無理なわけ?


 現実逃避気味なことを考えていても、王女様は何も言ってくれない。


 もうどうにでもなれと思って、とりあえず落ち着くまで頭を撫でることにした。



リコ「……なに、この状況。そもそも、ドラゴンと一対一になる王女様って、どうしたらそうなるの……」




 早いもので、いつの間にか投稿を始めてから2ヶ月が経っておりました!

 それもこれもいつもお読みいただいている読者様がいてくださるおかげです。

 本当にありがとうございます!


 ただ、毎日投稿については、あと数話で途切れることとなります…!

 お話はまだまだまだまだまだ続いていく予定ですが、頭に展開の構想はあっても、ページは未だ白紙ですので…。

 どれくらいの頻度で更新できるかも分かりませんので、進捗や投稿予告などの最新情報をXにてポストしていく予定です。気になる方はXのフォローをお願いいたします。


 というか、多分、毎日投稿が切れたあとは、ぶっちゃけモチベーション次第です!

 そしてモチベーションアップのためには、皆様の応援が必要です! 具体的には、評価、ブクマ、感想、リアクション、Xのフォロー、拡散とかです! どれもこれもめちゃくちゃ嬉しいです!! いつも感想、リアクションくださる方々、本当に感謝しております!! 1件1件むせび泣いて喜んでおります。


 というわけで、今後はまったり進行になると思いますが、お付き合いいただけると幸いです。

 今後ともよろしくお願いします。


 作者X → https://x.com/doubloom0415


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― 新着の感想 ―
こんなの惚れてまうやろー キーワードにある属性が好みにドンピシャで強くても驕らない主人公に好感が持てます。 話のテンポがよく物事が滞りなく進むので読んでいて飽きません。 きっとこの先もっと伸びると思…
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