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48番のシヤ。~俺、器用貧乏なんですよ。外伝~  作者: さんまぐ
旅の終わりシーシーの地獄。(全4話)
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第19話 皆で夢見た世界。

シーシーは絶望の気持ちの中で駆け出す。

「助けて!助けて!マスター!ミチト・スティエット!私達はここ!死にたくない!助けてください!」

必死に思うが口は動かない。

シーシーが駆け出してすぐに前方で転んだヨミが「うぅ…ぁぁああぁぁぁっ…超熱術!」と言って燃えた。


ああ…間に合わなかった。

ヨミが死ぬ。

ヨミはシローと仲が良かった。

シローと同じ優しい面持ちのオドオドした少年。

すぐに泣く子で戦場は不似合いだった。


シーシーは駆けながら胸が苦しい中休む事なく走り続ける。


その時に耳を疑った。

ミチト・スティエットの術人間の1人、緑色の髪色の遠目でもわかる美人が「助けなきゃ!」と言ってヨミに駆け寄ると「奪術術!」と言ってヨミの火を消し去ると「ゴメン!吸収術!」と言ってヨミを殴り止めて気絶させた。


今のは何?

奇跡?

シローはあの火で死んだのにヨミは助かるの?


シーシーが思っている間にシイとシヅも超熱術を使うがそれすら緑色の女性は助けてしまう。シイを殴って気絶させるとヨミの上に乗せる。

その次はシヅだ。


あの3人は助かった。

50番は足が速い。

シーシーより後に指示を受けたのに先にピンク色の髪色の人の側で超熱術を使っていたが無効化されて助けられていた。

ピンク色の人は凄かった。次々に出てきている術人間達も無力化している。

今殴り止めたのはシヤでよく見るとサードロットも出てきていたがサードロットも殴り倒されている。

そうしている間に49番も助けられた。

良かった、次は私の番だとシーシーが思っていたがシーシーには無限記録盤との親和性が高く、この状況でも暴走しないで済んでしまっている。


「超熱術!!」

そう言ったシーシーは見ていた緑色の女性を狙ってしまっていた。


正確に発動をした超熱術は一瞬で燃え広がって山肌を、シヅをヨミをシイを、そして緑色の女性を焼いてしまう。

止めて欲しい、自分が間違いを起こしたくない、そう思った時に少し離れた場所でサードロットを殴っていたピンク色の髪色をした女性が「くそっ!広域奪術術!!」と言って火を消してくれた。


助かった。

何とかなったと思っと所で代理マスターから「戻って来い!」と言われてしまう。


後一歩で助かるのに、シイ達は助かったのに自分は何故…。

そう思っていても身体は代理マスターの元に戻ってしまう。



「待って!行っちゃダメ!」

そう聞こえたシーシーの背中に衝撃が走る。

それは緑色の髪色の女性で側を走っていたもう1人の術人間も保護してもらえたがそれ以外は殴られて倒されていたのに起き上がって代理マスター達の所に戻ってしまった。


倒れたシーシーを起こしたのはさっきの緑色の髪色の女性で「ほら、もう怖くないよ」と言って微笑んでくれる。まだ代理マスターが近いからか声は出ないが暴れないように自分に言い聞かせられる。


もう1人の術人間を助け起こしたピンク色の女性はニコニコと「イブ達について来てください。こっちはイブのお姉さんのライブですよ」と言いながら手を引いてくれる。


シイもシヅも無事でヨミは服は焦げて居たけど怪我もなく歩いてついてくる。


やったよ!私達助かったんだよ!

シーシーはそう思って居てもまだ声は出なかった。



街に連れて行かれると長髪の女性が「天使様達ぃぃっ!ようこそトウテに!私はヤオと申します!全力でお世話をさせて貰いますからねぇぇっ!もうすぐお昼ご飯ですからね!ご飯になったらお呼びしますから今は孤児院の中で他の天使様とお待ち下さいねぇぇ!」と言って案内をしてくれた。


孤児院には物凄い美人がいて私達を見て「天使ちゃん、怖かったわよね。もう大丈夫よ。あのクソ大人達は全部倒すからね」と言って頭を撫でてくれる。

「クソっヤオ!昼は多めにするよ。今度の天使ちゃん達はご飯が最低限だよ!ガリガリで見てらんないよ!」

美女が怒ると「ヒノ!頑張るよぉぉぅ!」と言ってヤオが飛んできて「お腹いっぱい食べてくださいね!今もお腹空いてますよね?小麦粉は神様がこれでもかと集めてくれましたからパンならすぐに出ますからね!」と言ってパンを渡して来た。


そのパンは冷たくなって居たのに温かくて柔らかくていい匂いがしてシーシーはそれだけで泣いてしまう。


「わぁぁ…天使様!?そんな!パンですよ!泣かないでください!」

「ドクソ供が…よくもウチの天使ちゃん達にひもじい思いをさせたわね!ヤオ!スープもおかずも更に作っておいで!」


「了解!!天使様達ぃぃっ!ヤオが真心込めて作りますからねぇぇぇっ!」


ヤオが飛んで消えた後を見て居たシーシーの頭を撫でて「ゆっくり好きなだけ食べなさい。もう、怖いことなんてない。お母さんが約束してあげるわ」とヒノが言う。



シーシーはまだ声も出せない。

だがここがヨンゴとシーナが…皆で夢見た世界。

たどり着きたかった場所。


天国のような場所にシーシーは更に泣いた。

涙だけは止まらず溢れる。

まだ表情も作れないのにシーシーを見てヒノは「嬉しさと悲しさの混じった顔をして、辛かったね。泣くのもいいのよ。好きにしていてね。もうすぐドクソ共は皆殺しにするからね。お母さんに任せなさい」と言った。


シーシーは泣きながらヒノの言葉を聞く。

手は止まらずにパンを食べ続けていた。

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