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ナーサリーライムの悪魔  作者: 白澤さひろ
2/2

物心ついた時には母親だけだったけど

僕には祖父母がいたからさみしくなかった

だから、祖父母が亡くなったときに、とてつもなく寂しかった

さみしかったけど、僕には光みたいなものがまとわりつくようになった

それでも、特に害も何もなかった

むしろ、お父さんなのか、誰かが見守ってくれてるようで嬉しかった

中学二年生になった少年は、それでもまた今日が訪れたことに落胆した

今日こそ何かが違う日になると信じていた

願うだけでは変わらない

自分が変わらないと何も動かないことはわかっているのに

また追いつめられる

階段の踊り場で

とあるクラスメイト3名かに囲まれている

また、この展開

毎日こうなる

どうにか逃げたいのに

なんで自分にいつも絡んでくるのか

僕が何したっていうのか

いつからか分からないけど

いつの間にかそうなっていた

目につくのか

まじめにしているのが気に食わないのか

無邪気な悪意で追いつめてくる

いつまでも行動に起こせないのはよくない

だから、行動したのに

少しだけ強くなりたくて

だから、ほんの少しだけ強く押し出しただけなのに

1人が階段から落ちて

亡くなった

なんでこうなるのか

何もしてない

何かをしないと弱い自分のままだから行動を起こしたのに

「人殺し」

いつしか、僕はそう言われる

仕方のないことのはず

事故だってわかるのに

なんで

死んだあいつのことが僕にまとわりつくの

なんでまだ僕の邪魔をしてくるの

そうして、僕の母にも被害になる

遺族の親から糾弾される

なんで、なんで僕の勇気がその行動になるの

ちゃんと今まであったのか見てほしい

その瞬間だけで判断しないでよ

前から苦しめられたのは僕だよ

なんで、見てくれないの

ちゃんと悪意を持って行動していたのは誰か見て証明してよ

僕じゃないよ

僕の家族でもないよ

なんで……

世界はこんなにも理不尽で醜いのだろう

優しくないのだろう

声が強い人には優しくして

声が弱い人には、聞こえない、正しくないって踏みにじる

だから僕は、いつも寄り添ってくれている光の玉

ただいるだけで、見ているだけだから

いつものように、愚痴をこぼしただけだった

誰にも言えないけど

誰かに言わずにはいられなかったから

「どうか、どうしようもなく壊れてほしい。なんで、正しいはずの僕に味方はいなくて、悪意を持って接してくる人ばかりが優遇されるの?」

「壊れて、終わって。壊れろよ」

光から伝わる

僕にとっての救いだと思う選択が

言葉は発してなくても

何を伝えてくるのかわかる

心配してくれているのがわかる

やり直すことでもいい

壊してくれるのでもいい

今が変わる何かを望む

周囲の何かが犠牲でもいい

僕が救われる世界がほしい

だから「何かを犠牲にしても、理不尽を変えるキカイ」をもう一度

あの朝だった

光の玉は消失した

この時のために、見守ってくれていたのかな

同じことはしない

行動はしても、決して手は出さない

僕の意志を示して、言葉で伝えれば、きっと変わる

今日こそは大丈夫

母に大丈夫って伝えたい

今日が決意の朝だから

「おはよう!」

「オハヨウ」

何かを犠牲にしてまで変えたい過去は、自分のエゴなのも気づかない

無邪気な悪意を振りまくのは誰なのか

自分を苦しめていた憎悪の対象?

正義は一体誰にあるのか

笑わない母を作ってしまった主人公は、主人公なのでしょうか

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