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ナーサリーライムの悪魔  作者: 白澤さひろ
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否定した終わり

世界は思ったよりも優しくできている

だから助け合えるし、困難にも立ち向かえる

信じられる

世界は優しいから

優しいから、人が生きていける……

そう本気で想っていた

盲目的に想っていれば良かった

その方が良かったのかもしれない

神様が助けてくれる

優しさが助けてくれる

誰かが手を差し伸べてくれる

そんな世界を信じていたし、望んでいた

苦しかった

苦しいのに、心から泣けないくらい冷たくなっているのに

世界が優しいと想って、信じていたのに

僕は信じてた

いや、ボクは

ボク……?

僕ですらない何かになって

もう怒りすらない

感情を向けることすら無駄なこと

冷たくていい

無機質でいい

壊れているのは私じゃないから

世界は不完全なくせに、周りは特定の人間に完全を求めてくる

バカらしい

自分は完全だとでも想っているのか

不完全なくせに、他人には完全を求める、助けを求める、自分のことを考えろと求める

不完全な世界だから

奥を見るほど、同調するほど

とても醜い

見ない方が良かった

どこまでも落ちていく

冷えて、どこまでも冷えて、氷点が明るく思えるほどに、心の温度はどこまでも凍る

どこかで本当の救いを求める声ほど、きっと小さくて

無邪気な悪意を振りまく声ほど、大きな助けを叫んで

自分は助けられるべきだと本気で思ってる

それが黒い感情だとも気づかずに、救われて当然だと押し付けて

その割に、自分は大人だと主張する

自分は子どもじゃない、そんなことしない、そんなバカなことしない

だから……なんだ?

壊れてしまえばいい

壊すために、私は世界のカケラを集める

カケラを集めて、私を完全なものにする

醜い世界に、幸運が訪れますように

執事と名乗る、真っ白な老人が私に伝える

「まずは心を理解する旅を」


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