表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/122

第64話 不凍不屈 (ふとうふくつ) 後編

♠アッシュ=モルゲンシュテルンside♠




「着々と順位を上げていく白1−1、皇チーム! ただの本人はなんにもしていないが! まあ……コホン。両サイドの2人は強かった! さあ、残り3チーム!! 白1−1、アッシュチーム! 黒3−4、白山チーム! 白1−1、皇チームとなっております! しかしもう残りのトラップは1つ! 距離にして1000メートルほどだ! 果たして皇チームは間に合うのかーっ!」



 一体どうなってやがる、クソだりぃ。


 俺のデバフは確実にヒットした。

 そこから復帰できるはずはねぇ。


 どんな手を使ったんだあの野郎……。


 それに俺のデバフが黒のヤツらに効かなかったってのは認めたくねぇんだが……。

 んならザコを沈めるよう仕向けるしかねぇな。



「愛美くん、私に魔攻バフをかけてくれるかな?」


「はい、アッシュ様」


「魅沙緒くんは属性強化を」


「承知した……」


 一旦止まってバフを受ける。

 このクソ黒らが……見せてやるぜ……!

 ザコと仲良くしてろや!


「【ダークサテライトマグネティックフィールド】!」



ブオ……ン



 この魔法は、強力な«闇属性»の磁場を展開して範囲内に速度低下、筋力低下、ブラインド状態にする。

 これもエリア干渉魔法だから回避は出来ない。

 それにこの数値なら向こうの耐性、余裕で超える。

 これで効かなかったらヤブだな。


 黒らがザコと鉢合わせすりゃ、らざるを得ないだろ。

 それでもどっちかが来るようならマジで沈めてやる。




♠皇焔side♠




「おーーーっと! ダメ押しのエリア干渉魔法!! 見るからに体に悪そうな空間だー! 超強化からの設置型魔法は……1年主席の力量と超強力な+%バフを考えると生徒会長以外、誰であっても不可避でしょうか! あー、やはりさすがの白山チームも影響を受けている! そしてー、そうこうしている内に皇チームが差を縮めている!」



 目の前には黒い空間が高い位置まで広がっている。

 これを通り抜けるのは相当キツイと思う……。


「この魔法は身体系のデバフと重力操作による速度低下を目的としたエリア干渉魔法。私の【フリーズレーン】でならそのエリアの速度低下率は10%で済むはず。皇くん、通過する前に加速お願い!」


 ……あ、うん!


 相変わらず魔法に詳しいね……。


「《アクセルターボ》!」


 凍上さんは滑り台のような氷のレーンを敷き、それに乗って火の技で加速する。


ブゥオン……


 確かに体は鉛の様に重いが、滑り降りているお陰で思うほど影響は受けなかった。



「待て……! へへ……こちとら、お前らの勝負なんて興味ないがここで負ける訳にはいかんのよ。3年のメンツっつーもんがあんだ」



 あの空間内で追い抜いたと思った黒チームがどうにかエリアを抜けて追ってきた。


「へへ、驚くなよ……【フリーズレーン】!」


「なっ! «氷魔法»だって⁉」


 凍上さんと同じ魔法を使い、滑りながら迫ってきた。


「うわっぷ! ま、マジィ⁉ ハナちゃんヤバくないか⁉」


「…………」



「な、なんと白山選手、ここにきて«氷魔法»! 驚きです! 変異属性の中でも特別少ない属性でしたがこの学校で3人目も確認しました! ……さぁ皇チーム、白山チームは最後のトラップゾーン、『オチルナキケン』に突入! 空間転移魔法で不死山の6合目の地形一部だけをそっくりそのまま持ってきちゃってます! まるで『ドラあもん』の不思議道具だ……ってしまった! ……コホン。失礼しました。先程も言いましたが、高所を表現しているだけであって、落ちても一応大丈夫! ちょっと戻されるだけです! ただ、この高さはちょっと怖いですよ……恐怖に打ち勝てるかー!」



「なんだ、どらあもんって……?」

「さ、さぁ……」

花楓かえでちゃんのギャグか?」

「カエちん天然だしいつものことじゃね?」



 ……確かに『ドラあもん』の不思議道具で〝任意の場所同士を入れ替える〟ってのがあったっけ。

 魔法ってある意味、願いを叶えられる方法に近いもんな……。


 しかし6合目って言ったら爺ちゃんも滅多に踏み入れない場所っていう……。


「大丈夫、このまま滑ってくよ」


 凍上さんはそんなトラップに氷の橋を架ける。

 しかし白山さんも同じく氷の橋を架けてきた。


「氷使いなんて珍しいね……。ハナちゃんくらいだと思ってた」


「そうね。魔武イチにいる氷使いはギルフォードさんと私しかいないわ」


「え、だってあの白山って人……」


「あれは模倣コピー魔法よ」


「なっ……コピー⁉ マジかよ!」


 如月さんが驚いている。

 それくらい凄い魔法なのか。

 特異属性とまでしか認識してなかった……。


「でも所詮、物真似はいつの時代もオリジナルには敵わない」



 氷の橋を渡り始めると白山さんたちはあえて僕らの近くに橋を寄せてきた。



「ここで決めてやるぜ!」


「へへ、発芝! やったれ!」


「可愛い女子おなご相手には使いたくなかったが……そんなこと言ってらんね! 早くコイツら倒してアッシュらにたっぷり礼をするんだからな! いくぜ! 【発破64(シックスティフォー)】!」


ドカン!


 氷の橋を壊す気――!!

 ……ってヒビすら入ってない。

 凍上さんの氷……。


「な、なんだビックリさせやがって……! そんなヘナチョコ魔法じゃハナちゃんの氷を壊せるもんか!」


「こっ、こんなもんじゃねぇぞ! 64回全部耐えてみろよ!」


 64回も爆発するってことか……!

 すると段々と爆発の勢いが増してきた。


 ヤ、ヤバイ……!

 氷には無傷でも僕らにダメージが……。


ドカン! ドカン!


 さすがにちょっと避けきれな――!


ドカン!


「あッ……!」


「凍上さん!!」



 あの野郎……、 凍上さんを狙いやがったな……。


 ガリガリと歯の軋む音が聞こえた。

 頭が沸騰してるのがわかる。

 今すぐにでもアイツをぶちk――。


「あんのヤロ……! ホッくん! あたしに火を流し込んで!」


「え……?」


 如月さんの声にハッと我に返る。


「前に……ホッくん家でやったみたいに……あたしに火を……一か八か!!」


「う、うん。わかった」


 右手に力を入れる。

 体の中に火を通すイメージ……。

 肩から全身に汲まなく流し込む……。


「んっ……んん……」


ドンッ……ビュュウ!!


 すると風が、如月さんを中心に暴風が巻き起こる。


「うわ……え、なんで?」


「やった! やっぱりまだ残ってたんだ! 小出しにすればあと2回か3回……ってとこかな。いくよ! 【大気晩星たいきばんせい】!!」


 風が戻ると如月さんはすぐさま、あの絶対障壁を発動する。


「文華……ありがと……」


「えー⁉ 聞こえないー!」


 暴風が復活し、【大気晩成】の音で2人の声も全く聞こえなくなった。

 だがこれで爆発が起きてもノーダメで通過できる。



「ち……マジか。64回ほとんど防がれちまった! おい、中茅!!」


 爆発が収まると【大気晩星】も暴風も消えた。

 任意で消したのか勝手に消えたのかわからないが……。


「皇ぃ……。両脇女子、他人任せの無魔くん……。ちょっと痛い目みてもらおうか」


「っ……! 皇くん、なんか来る! 君狙いかも!!」


 凍上さんが大声で俺に聞こえるように言ってきた。

 辛うじて聞こえたけど、僕にはどうすることも出来ない気がする。


「はぁぁぁ……【チュンビーム】!!」



ドスっ……



「イダッ……」


 背中に激しい衝撃が……ん?

 なんだ?

 衝撃があったと思ったんだけど気のせいだった。


「おい……中茅!! どうなってんだ? ノーダメじゃねぇか! ピンピンしてんじゃねぇか!」


「そんなバカな……。オレの【チュンビーム】は中級火属性魔法……。あんな無魔が受けられる訳ぁないはずだが……」


「現に食らってないだろうが!」


「何かの間違いだ! 何度でも撃ってやる! 【チュンビーム】!!」


ドスドスっ……


「熱いっ……!」


 その1つがまたもや凍上さんに刺さる。

 さすがの凍上さんも、«火魔法»の直撃には声を上げてしまった。


 しかしその瞬間、俺の顔と頭も熱くなってこれ以上ないほど熱を帯びていく。


「一度ならず二度までも……」


 俺は2人の肩から手を離し、凍上さんに刺さった火を抜いて〘燧喰〙で消す。


「凍上さん、熱かったよね……。女性に向かって何をしたか、身をもってわからせてやる」


 抜いた火をそっくりそのまま、同じように白い炎で生成しアイツらの足元に放った。


ドゴッ!


 白山が出した氷の橋に当たり、みるみるうちに崩れていく。


「え、ま! ちょ……!」

「嘘だろおいー!」

「ヤバイ落ちる!!」


 そのまま落ちていった。


「エ……【エンペラーサイクロン】……!」



「何がどうなったんだー⁉ 魔法を放っていた中茅選手だったが何故か自分たちの氷の橋が砕け散った⁉ 誤射……? 誤爆……? よくわかんないですが、ここでなんと如月選手が敵を助けたー⁉ 放っておいても大丈夫だったんですが、あえて敵を助けたことでより敗北感を味合わせる結果となりました!」



「ハァ……ハァ……。あ、いや……そういう意味で助けたわけじゃなかったんだけどな……。体が勝手に動いただけだったんだけど……」


「……ハァ……ハァ……」



 凍上さんの息があがっている。

 ……これで終わりだよ思うなよ、中茅。

 忘れないからな。



「さぁ、残り800メートルです! 残っているのはなんと白と白!! 1−1同士の対決だ!! みなはこれを待ち望んだのかー⁉ 本当にこうなることを予想していたのかー⁉ だが結果として今の状況なんだ!! 皇チームvsアッシュチーム! 一体どちらが勝利の栄冠を手にするのか!!」



「ハァ……ハァ……来るよ! 今までにない大きいのが!! 皇くん、ラストスパートだよ!!」


「スゥゥゥ……もうこれが……正真正銘、最後の……【大気晩成】!!」


「ゴールまで氷を……。【フリーズレーン】……!」



 2人と打ち合わせしたこの最後の直線……、そして最後の力……!!



「《アクセルターボ》!」




♠アッシュ=モルゲンシュテルンside♠




 クソザコめ……。

 あんなド底辺ザコにやられるクソザコ共が……。


 結果的にザコと直接対決まで持ち込まれたのは俺の甘さからか?

 心のどこかで手加減をしてたのか?

 若しくは油断……?


 ……ハッ、畜生が。

 こうなりゃやってやんよ。

 残りの数秒、【七光】をな。



「愛美くん、魅沙緒くん。最後のバフ、頼みましたよ」


「はい、アッシュ様」


「了解した……」




♠皇焔side♠




「【フリーズロック】!」

「【フレアストライク】」



「【アシッドホール】」

「【アイシクルフィールド】!」



 攻防が続く。

 と言っても今は凍上さんしか頼れる人がいない。


 如月さんの【大気晩星】は最早もはやそよ風で、体を覆うまでに至っていない。

 発動直後から既に勢いは無かった。

 一応、回復効果は続いているが、魔法を防ぐ役割はないだろう。



「華々くん。時として痛みは自身にとってプラスになる場合もあるんだよ。だから私が教えてあげよう」


「アシモがなんか言ってんぞ……」


「【七光】! 【エアディザスター】!」


ビカァ……


「くっ……」


 眩い光とともに突風が横から襲いかかる。

 そのせいで氷のレーンから如月さんがはみ出てしまった。


「文華……!」


 凍上さんはすぐに氷を解除する。

 でないと歩調が合わず転んでしまうからだ。


「【エレキセル】!」


ビリリリィ……


 アッシュからの魔法の応酬。

 何もしていなかった僕の役目、2人を庇うくらいしなくては……!


「うぐうう……っ」


「ホッくん!!」


 2人より半身分、前に飛び出して両手を広げて魔法を受ける。


「【フレイムインパクト】!」


ボッ……


「うぐう……う?」


 相変わらず火だけは食らわないんだよな。

 アッシュの炎にもかかわらず……ね。


 あ、でも食らってないと変に思われるか……。


「うぐわっ、アツい!!」


 これでよし……。

 この演技力ならみんなも騙されるぞ!


「皇くん……」


 今は完全に【大気晩星】が切れているのでダメージを直に受けてしまう。

 やっぱりさっきの上昇気流でMP切れになったんだ。

 このままじゃゴールにたどり着く前に、一方的な展開で追いつけないまま負けてしまう。

 この猛攻をどうにかしないと……。


 どうしたらいい?

 今回も何か打開策を……!



「もっと頼っていいんだよ」


 え……?


「1人で抱え込まないで。皇くん。これはチーム戦って前にも言ったはずだけど? 私だって文華だっている。そんなに私らが頼りない? 信用できない?」


「いや、そんなことないよ! むしろ……、僕なんかの為にここまで傷つくことないって……」


「だからそれが頼りきれてないんじゃない。一緒にいたら傷つくことだってある。でも、それでも共に困難に立ち向かえるのが本当の仲間なんじゃないの?」


「そ、そうだよ! あたしだって本気をだせば……まだまだやれるんだから……!」


 ハッ……。



「ごめん……」




♥凍上華々side♥




「察しの通り、私は〘蛟乞〙が開花した。だから今以上にもっとやれる……! いでよ蛟!!」



ボンッ……



(……あの、マスター……? ボクこうみえて水神みずがみなんだ……。たかだか人間の運動会に2回も呼ばないでほしいな……)


 出てきてすぐ、そんなことを言う自称水神。

 確かに私が思ってる以上に高尚こうしょうな存在なのかもしれない。

 でも今はこの子に頼るしかない。


「その運動会ですら満足いく勝負にならなかったら、これから先の困難を打開できるとも思わない」


(……わかった。マスターの意志を確かに確認したの。《《ミズチの方の力》》を貸すよ。でもその代わり、供物が必要だけど――)


 なんでもいいわそれは。

 今は早くお願い。


(……凄い覚悟だね。じゃあ左手を前に)


 ……こう?


 手を出すとミズチは指輪へと姿を変え、私の左中指へと収まった。


 ……これでいいのね。


「さあ、ここいらで引導を渡しましょう。もう全員限界なのはわかっていますよ。さっきのようにデバフをフルでいきます。これで諦めがつくはずです……!! 私を魔攻特化にしてお二人ともステコピーをお願いします」


「「了解!」」



「【アイシクルフィールド】……」


 飛んできたデバフは私のMA内で消滅した。


「な……そんなバカな……!! デバフで貫けない程のMA……⁉」


「【フリーズロック】……」


 唱えた魔法はディレイなく軽快に、思い通りの軌跡を描く。

 しかも高純度で高火力なものとして。


「な……! く……、マジか……華々くん……!」


 しかも強固な氷……。

 元々は水魔法だったと思えない程、氷魔法がしっくりくる。


 そのまま彼らの足元を狙う。


「【フリーズレーン】……」


「デバフは防がれたとはいえ、私にそれは無駄ですよ。【フレイムアウト】!」


「これはチーム戦だと……あなた達にも言えることです! 【ニードルフロスト】!」


ザッ……ピキィ……ン


 村富愛美と門音魅沙緒を凍らせる。


「な……、まさか……、炎の影響を受けない地中から……⁉」


 そう。

 地中から氷の層を伸ばしていって両脇の2人を凍らせた。

 攻撃ばかりに意識が向いていたことはわかってた。


「これが最後よ、皇くん!」


「……《アクセルターボ》……《アフターバーン》!!」




♠皇焔side♠




 何度も練習した最後の直線300メートル。


 とてつもない衝撃が全身を襲う。

 まるで、昔乗った〝首が折れるんジャナイカ?″と思うほど速いジェットコースターに似た感覚だ。


 恐らく、自身の気持ちの高ぶりが火の威力を何倍にも増幅しているんじゃないかと思う。


 アッシュは両脇2人の氷結状態を解除しようとしているに違いない。

 そっちが早いか、僕らが速いか……!

 これがダメなら素直に負けを認めるさ!



「うおお……!」



「ッッ!!! ゴッ……ゴオオオオオル!!!!」



「うわあぁああ!!」



ベチョ……



 僕たち3人はゴール後のマットに激しく激突した。


 打ち合わせでは、練習した時の様に凍上さんが衝撃を真上へ逃がす氷の台を作り、如月さんが落下時に«風魔法»でふわりと降りるという作戦だったのだが……。


 今は如月さんがMP切れのため、その作戦が使えずマットに直撃してしまったのだ。

 逆に氷のレーンをマットまで敷いてくれていなかったら、その勢いのまま走ることができず確実に転んでいただろう。


 凍上さんは最後の最後まで機転をきかせてくれていたのだ。



「勝ったのは……皇――!!」



「うおおおい!!」

「どういうことだよ!」

「ふざけんなよ……マジかよ!!」


 実況の声がかき消されるほどの野次が飛び交っている。

 僕たちは……勝ったのか……?



「お静かに願います!! お静かに!!」



 ざわめきが激しくなり、やがて罵声に変わる。



「認められるかこんなん!!」

「そもそも黒の寄付だっておかしかったんだよ!」

「いくら賭けたと思ってんだー!!」



「……【フレイムミスト】……」



シュドッ……ドゴオオン!!



 場内が一斉に静まり返る。


 二条さんが«炎魔法»を空に向けて放ったのだ。

 予想していなかった事態に皆、声を失った。



「競技者への中傷はお止めください。こちらも黙認していましたが賭け(アレ)が原因での暴言でしたら今後、運営側も対策を考えます」



 場内は静寂に包まれた。


 何事もなかったように二条さんは続ける。



「……はい! 長い戦いの末、勝ったのは皇チーム!! 皆がどよめくのもわかります! 絶対に有り得ないと聞いておりました! えー、運営調べのアンケートでは……アッシュチームの支持率は約97%! つまり、私達の予想を超えて皇チームは勝利したのです! この健闘を讃えずしてその3%以外に誰が認めるのか! 皆様、盛大な拍手をお願いいたします!!」



……パチパチパチ……



 まばらではあるが拍手が聞こえてきた。

 そこでようやく、僕はアッシュとの戦いに勝ったことを実感した。



「はい……ここでトップがゴールしてから3分が経ちました! 試合終了! 結果です!! 1位、白1−1! 皇チーム! 2位! なんと黒3−4! 白山チーム! あのあとアッシュチームを抜いて2位になっていました……! 3位! 黒3−4! 北栄チーム! 凍上選手にやられてリタイアかと思われましたが、諦めずに走っていた!! さすがです! 残念ながら白アッシュチームは、アッシュ選手以外の2人が凍らされてしまい、動けなかった様子です! うーん、氷を溶かせばまだ2位は狙えたと思うんですけどね……」



 僕らは倒れたマットの上で動けないでいた。


「ニヒ……ホッくん。ほら……勝てたじゃん♡」


 如月さんは小悪魔のような笑顔で話しかけてきた。


「う、うん。やってみるもんだね」


 何度も諦めてその度に2人から励まされて……最後まで頑張った甲斐があったってことか。


「参加することに意義がある……って言っていいのは小学生まで。負けてもいいなんてそんな言い訳、これから通用しなくなってくる。あの時みたいに……結果を出さないと。ね、皇くん」


 凍上さんも疲れ果てたのか、目を閉じて体は横になったままそうつぶやいた。


 あの時……。

 きっと〖アカシックライブラリ〗の時のことだろう。

 一応、僕の機転でゴーレムを倒したことになってるし。


 ……家を出る時、爺さんは「負けてもいい」って言ってくれたけど、それはきっと頑張っても負けちゃった時のことだろう。


 どんなに死力を出しても負けることはある。

 それでも胸を張れってことだと思うけど、絶対負けられない勝負だった。


 そう、この勝ちは誇っていいはずだ。

体育祭が終わりました。

ですが・・・。


校閲全然しておりませんw

誤字とか辻褄が合ってないとか・・・。

多いと思います。


ですが編集という素晴らしい機能を使って

どうにか意味が繋がるようにしていきたいと思います。


例えば呼び方・・・

藤堂さんが自分のことを拙者・・・とか某・・・とか

たまに間違えてしまうことがあります。


後々、「こう呼んだ方が忍者感がでる・・・」と

急に変えてしまい、そういった現象が起こってしまうんですね。


全て完成するまで、この駄作をどうかご容赦いただき

ぬるい目で見守ってもらえたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ