第七話 初めての依頼 ③
「何か、聞こえたな、気になるな。」
これまでにゴブリンを9体倒してるリュウセイだが、不思議と疲れはなかった。
「ここら辺だと思うんだがな、何処だろ。」
リュウセイが木の上から探していると、どこからか声が聞こえた。
「お前たちもっと早く走れ、キラーボアに殺されるぞ。」
「待ってくれよリーダー。」
「僕は、走るのなんて慣れてないんだよ。」
「3人パーティかな?みんな俺くらいか、それかちょっと上くらいだな、仕方ない助けるか。」
意を決してリュウセイは4体のキラーボアに攻撃を仕掛けるために追われてるパーティの前に出た。
「おい、お前、そんな所にいたら死ぬぞ。」
「僕の事は気にせず、そのまま逃げて下さい。」
リュウセイのその一言を聞いて3人パーティはリュウセイを通り過ぎていく。
「さて、キラーボアってのを倒しますか、確か門番が言ってたのは猪突猛進だったね。」
そんな考えをしてるうちにキラーボアとリュウセイの距離は30m位の距離まで近づいていた。
「速度はそこまで早くないのか、ほかの魔法も試してみますか。」
リュウセイは手のひらを天にかざし一言「アイスアロー」っと言った、すると、どこからか現れた氷の矢に貫かれ4体のキラーボアは絶命した。
「以外に呆気ないな、門番の人に気をつけろって言われたけど、なんだろな、このワンパン感ちょっと寂しいよな、嬉しいような、微妙な感じ。」
「お前、すげーな、キラーボアは基本何処かに衝突させてからとどめを刺すのが基本なんだけど、魔法で簡単に倒しちゃうなんて、凄いな。」
「違うだろリーダー、まず、お礼言わないと。」
「あ、そうだな、俺はこのパーティのリーダーのオーダ、剣士をしてる。」
オーダは、ブロンズヘアーの短髪と紺碧色の瞳の少年
「自分はポル、狩人ッス、このオーダとは幼馴染ッス。」
ポルは、全体的に色素が薄い、薄い紫色の髪と瞳の少女
「僕は、ミノル、です。一応、魔術師をしてます。ポルとは双子なんです。」
ミノルも、ポルと一緒で色素が薄い、薄い緑色の髪と瞳の少年
「個性的な人達の集まりだな、僕の名前はリュウセイです、よろしく。」
各々自己紹介をし、キラーボアを捌いていく、キラーボアは、牙は武器に皮はオークションに出せば高値で売れる、キラーボアの肉はとてもじゃないが食べれない。
「ところで、なんで、キラーボアに追いかけられていたの?」
「それはな、俺たちの他にもう1人ニックって名前の俺と同じ剣士が居たんだけど、そいつに裏切られて、荷物も装備も全て失った時にキラーボアに遭遇したんだ。」
「ニックってやつとは組むのは初めてなのか?」
「あぁ、だから俺たち細心の注意を払っていたんだがゴブリンを倒した後あいつに眠らされた途端に全部持って逃げやがったんだ、しかもキラーボアが出てきやすくされていてな、ほんと最悪だ。」
「(初めてのやつに対して用心することは流石だな。)キラーボアが出てきやすくなる方法とかあるのか?」
「あるぞ、基本的になこの方法は違法なやり方でな、冒険者なら自力でやるのが暗黙のルールなんだけど、たまにいるんだよ、こんな馬鹿な事するやつがな。」
「なるほどな、ありがとう、助かったよ、そのニックってやつには気をつけるさ。」
イシテルのパーティメンバーに手伝って貰ってキラーボアの剥ぎ取りを終えて、街の門まで戻ってきていた。
「ほんとに、剥ぎ取りの手伝いだけでいいのか?」
「あぁ、助かったよ、あそうだ、ここがなんて街なのか教えて欲しい、ラザニア王国の何処なんだ?」
「そんな事でいいのか?ここはメントスパ辺境伯領の隣に位置してるミスパリ伯領だよ。」
「ミスパリ伯領ね、ありがとう、これから冒険者ギルドに行く?」
「そうだな、盗まれた事をや今までの事を話さないといけないからな、俺たちはこのままギルドに直行だけど、リュウセイはどうするんだ。」
「僕もギルドに行きたいんだけど道を覚えてなくて、出来たら教えて欲しいなって思ってさ、ダメかな?」
「全然問題ないぜ、こっちから誘おうって思ってたくらいさ。」