第七話 学園入学 ⑦
試験の内容は至って簡単、試験官の依頼を受けたAランク冒険者にどこまで、対応できるか否か。
受験生の中には「無理だろ」「なんで高ランクの冒険者なんだよ」とか、「俺ならできる」「余裕だね」など色々な言葉が飛び交っていた。
「今回は高ランクの冒険者なんだね」
「いつもは違うのか?」
「うん、この中には剣を今日初めて握った人もいるからね、普通ならDランクやCランクの冒険者が来るんだけどね」
ルルと話していたら試験始まりの合図がなった。
「これって、どんな順で選ばれるの?」
「リュウセイくん知らないの?教えてあげる、剣術の試験に限り試験官の冒険者が一任されているんだ、だから順番はランダムだね、1番最初だったり最後だったり様々だよ、あ、最初の人が選ばれるみたいだね」
試験管と思わしき、冒険者は、受験生が書かれているであろう紙を眺めた。
しばらくして、試験官はリュウセイの名前を呼んだ。
「あ、リュウセイくんからか、頑張ってね応援してるよ」
「ありがとう、ルル精一杯やってみるよ」
リュウセイが指定の位置に着くと、試験官が「俺の事を覚えているか」と唐突に言った。
「どこかで会いましたか?すみませんけど、覚えてませんね。」
リュウセイはふとある事を思い出し、嫌な予感がした。
「おいおい、連れねーな一時一緒の依頼を受けたってのによ、これだからガキは嫌いなんだよ」
「一緒の依頼………もしかして、ジャイアントのリーダーですか?」
リュウセイの嫌な予感は的中した
「なんだよ、覚えているじゃねぇーか、じゃあ早速始めるか、お前を徹底的に痛めつける、拒否権はお前にはない、なぜなら拒否したらお前は脱落だからな」
リュウセイは(名前なんだったかな)とずっと考えていた。
「怖くなって、言葉が出ないか、まぁ今更遅いがな」
ジャイアントのリーダーは一瞬でリュウセイとの距離を詰め剣を振るった。
リュウセイは、突進してくる相手を交わし、また距離をとる。
「逃げんじゃねぇーよ、いいからとっとと殺られてな。」
「(名前、なんだったかな全く思い出せない。)参ったな」
再び、距離を詰めるために、突進してくる、それをリュウセイは交わすことなく剣で受け止めた。
金属と金属のぶつかる音が辺りに響き、他の受験生は2人の攻防に魅入っていた。
「どうしたよ、その程度か?死んじまうぞ?」
リュウセイは挑発には乗らない、なぜならずっと名前を思い出すために、聞こえていなかったからである。
試験官は、一度後ろに飛びリュウセイを誘った。
リュウセイはその誘いに乗り、剣を構え、試験官に向かって飛びかかる。
「ふん、甘いわ!やはり、あの時のはまぐれだったか、無能め」
「あ!思い出した。ジャイアントのリーダーでライドさんですよね?」
「てめぇ、ずっとそのこと考えていたのかよ、俺をバカにするのも大概にしろよ」
「あれ?違いましたか?合ってると思いますけど、違ったかな」
リュウセイは火に油注ぐように、ライドをバカにしていた。
「殺す、お前はこの俺が殺してやる」
ライドはブツブツと呟いて、最初より素早くリュウセイに詰め寄り剣を振るった。だが、気がつけばライドは地面に伏せていた。
何が起こったのか理解しきれていないライドとその場から一切動いていない、リュウセイ。
リュウセイがとった行動は、地球でもお馴染みの合気道である。相手の勢いをそのまま使って、リュウセイはライドを簡単に倒したのだった。
「はい、終わり。はぁー良かった、名前思い出せて」




