第一話 ここからがスタート
(目が覚めたら体が縮んでいた。って某探偵くんも言っていたように本当に体が縮んでいる。不思議な感じだ、そういえば女神様が経緯を書いた手紙をアイテムボックスの中に入れておくって言ってたか、ってかアイテムボックスってどうやって出すんだ?念じればいいのか?それとも声に出せばいいのか?よく分からんな。とりあえず無難に声に出してみよう。)
「アイテムボックスよ出ろ………でねぇーじゃん。」
(あれ?どうやって出せばいいんだ?簡単に出るもんじゃないのか?そこん所聞いとけば良かった、詰んだ、俺の人生これにて終焉か。「アイテムボックスを使用しますか?YESorNO」なんだ、急に頭の中から語りかけてきたぞ。)
「出てきたよ、アイテムボックス、訳が分からんし原理が分からん、いいや別に、さてと、手紙手紙っと」
それから龍星は女神様からの経緯が書かれた手紙を読みある程度理解した。何故自分が小汚い格好をしてるのか、何故路地裏で倒れていたのか、そして何故今の名前が思い出せないのかを。
「つまりだ、第一に女神の加護のお陰でアイテムボックスや他のスキルを隠してしまい、産まれて直ぐに役に立たない無能と、第二に10歳になった所で家を追い出され、彷徨いここまできて、倒れてたと、そして第三に役に立たない無能には名前なんて付けるのもおこがましいって事で付けずに放置、第四に女神様が俺の記憶を呼び起こすのに意外と時間がかかり記憶が戻った時には時すでに遅しか、なんて悲惨なんだ。」
どうやら女神の加護は色々なものを隠せるらしい、女神側の優しさって所だけど記憶を戻すのに時間がかかってしまったせいで、役に立たない無能と判断されて追い出されたのか。
手紙を読んでるうちにこの国の事は何となく分かってきた、産まれた子供に鑑定系のスキルをかけてスキル持ちかを判断する、ただし、産まれたての子供は基本スキルを持っておらず、判断するのは5歳と10歳の鑑定の義にて分かるそうだ。
「女神の加護は鑑定スキルでさえも見抜けないほど強力なのか、それなら追い出されても仕方ないのか?だがなーいくらなんでもスキルを持っていないと分かった瞬間、直ぐにぽいは如何なものかと思うんだがな。」
(まぁそれならそれでこちらとしては好き勝手にやりますけどね。)
「名前が無いのは不便だな、うーんでもな、俺の名前のセンスはどうかと元同僚達から常々言われ続けてたしな、無難に地球での名前の龍星にしておこうかな、あ、異世界だからカタカナのリュウセイの方がしっくりくるかな。」
(異世界と言えば冒険者ギルドだよな!ワクワクするぜ!そういえばあの手紙少しだけ続きがあったな読んでみるか、えーなになに〈この世界においてスキルはとても重要です。スキルの使い方は、思い描くだけで出てきます。それと、ステイタスボードも確認しててください、女神の加護で簡単に隠せますから。加護の力で隠すには隠したい所に指でなぞるようにします、そしたら隠せますので、地球で言うところのマーカーみたいなものです。最後に多分貴方は冒険者ギルドを探すでしょ、手続きは問題ありませんが、最初手数料として、銀貨1枚必要になりますので、お詫びとして暫くの食事代、洋服代、宿代の分金額5枚とギルドの手数料として銀貨1枚をアイテムボックスに入れておきましたのでそれを使って下さい。貴方に良き異世界ライフが訪れますように。〉)
「訪れてねぇーよ!初っ端からアウトだよ!けど、良かったこの世界の相場が分からんけどお金があるのとないのとでは気持ちの持ちようが全然違う。とりあえず冒険者ギルドに行って、お金の相場を聞きますか。」