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起床 そして冒険へ
「お兄ぃ? 起きて! お兄ぃ!!」
「むにゃぁ。 あと五分だけ ムニャムニャ」
起きろ!! ドゴッ
「ぐふぉ!」
「目は覚めた?」
「はいぃぃぃぃぃ!!」
2発目をくらうわけにはいかないと慌ててベッドから飛び起きる。
その拍子に勢い余って部屋の壁に激突した。
痛い痛いともだえながら目を見開くと。
そこには見慣れない景色が広がっていた。
中世ヨーロッパ風の町並み。
たくさんの人々で栄える大通り。
だがおかしい 部屋の中にいるのになぜ外の様子が見えるんだ?
「ユキこれは一体?」
「お兄ぃが契約したんでしょ。覚えてないの?」
「いやそうではなくてだな」
「…わかんない。 私も一足早く目覚めて驚いたとこ」
「そうか。じゃあ」
「じゃあ?」
「寝る! おやすみ!」
どごぉぉぉぉぉ!!!!
強烈な一撃がコウキの脇腹にヒットした。
「何すんだ!」
突然の衝撃に大声をあげるコウキ
「っていうかお前荒っぽいときとしおらしいときあるよな」
「そんなことより外を見て回りましょ?とにかく情報第一よ!!」
そう言うとユキは俺の手をひいて外へ飛び出した。