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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第三部 飛翔
90/104

第72話 もう一人の姉!?と生徒会

クライマックス編です。


〜あらすじ〜

バレンタイン大会(戦争、闘争、バトルロワイアルでも可)も無事じゃなく終了した。

そんなとき、俺の元へかかってきた一本の電話。

その電話が俺を次期当主選へと導く。

そしてそれが俺と武満の運命を変えることになるとは思いもしなかった。


しばらくぶりのアメリカだ。

最近アメリカに行くことが極端に多い俺です。

そんなことはともかく、この家に帰るのももう慣れた。

はぁ……

だがまだ相変わらず父には会いたくない。

憂鬱だ。

そしてとうとう次期当主選が始まったのだ。



「はぁ……」

「ため息ばかりね」

「当然」

俺は姉さんと話していた。

「ていうかあの変なチョコレートは何!?」

俺は昨日のことを蒸し返した。

「気に入った?」

「少し……ってそんなわけねえだろ!」

「えー。折角寸法もほぼ完璧なのに。しかもヌード」

「何でヌード!?」

「カイが鼻血出すと思ったから」

出しました。すみません。

「けっ、直系の奴らは余裕だな」

そんなとき、誰かが声を発した。

「?」

俺は声が聞こえたほうを見た。

「誰?」

「ふん。名前も知らないとは……むかつく野郎だぜ」

「いや、本当に知らない」

俺は目の前の奴をちゃんと見るが、結局分からない。

「彼は皇家の血を引いている分家の者よ」

「そうなの?」

「ええ。彼も当主選に出るわよ」

「へえ」

俺は大した興味が無かった。

多分この人と姉さんだったら確実に姉さんが勝つだろう。

そして姉さんは終始笑顔だ。

俺は内心緊張しているのだが。

「けっ。どいつもこいつも俺のことをバカにしやがって……」

そういえば忘れていた。彼の存在を。

彼はさっさとその場を離れた。

「で、その怪我は何?」

そんな彼を気にせずに、姉さんは俺の左手に巻かれた包帯を見て言った。

「いやまあ……バレンタイン戦争で……」

「ああ、それね」

どうやら姉さんの時代からあの変なイベントがあったらしい。

「でもそれでどうして包帯巻くほどの怪我をしたのよ?」

「それはまあ鞭で……」

「鞭!?」

まあそれが普通の反応だろうな……

バレンタインと鞭って何も繋がり無いと思うし。

「マイさん、カイさん」

「委員長」

「夕陽」

俺と姉さんのところに委員長がやって来た。

「今日は顔合わせだけなので、当主様が大広間に来るように、だそうです」

「わかったわ」

「ああ」

俺と姉さんは返事をして大広間に向かうことにした。

大広間を歩いている間、俺には極限の緊張が走っていた。

姉さんはプレッシャーじゃないのか、結構リラックスしている。

それでも家ほどリラックスはしていないが。



大広間の中にはたくさんの人がいた。

みんな当主選に出る俺達を見つめている。

自分的には目立つことは勘弁願いたいのだが、仕方が無い。

一応俺はこの当主選の目玉でもある。

いい意味でも、悪い意味でも。

一度勘当されたにも関わらず、平気な顔で戻ってきて当主選に出る、というのが分家の中には我慢できない人もいるからだ。

多分先ほど俺達に絡んできた彼もその中の一人なのかもしれない。

「皆の者、よく集まってくれた」

俺達は席について当主の言葉に耳を傾けた。

「5日後は当主選である。候補の者たちよ、皆最善をつくすように」

当主選……それぞれの候補達の誰が当主にふさわしいのかを約100人(皇家に関わる人間で、その中でも地位が高い者達)が投票で決める選挙。

ただし、現当主は30人分の価値がある票を投票する。

すなわち、当主を味方につけた者がかなりの優位に立つ。

それに当主を味方につけることで、その当主の派閥の人たちも味方につけられる。

よって、当主票が選挙戦を左右するといっても過言ではない。

「今日は前祝ということでパーティーだ。候補の者達はこの間に選挙活動をしても構わんぞ」

選挙活動を?

そう言うと何人かがピクリと反応し始めた。

「やっても意味が無いわよ。今そんなことをしたら切羽詰ってるのが見え見え」

小声で姉さんが俺に耳打ちした。

そういうものなのかねえ?

「アレはサディストだから慌てふためいてる候補の人たちを見たいだけよ」

「オイオイ……」

姉さんのアレ発言に俺はある意味感服した。

それにしても……5日後になったら俺は姉さんを倒さないといけないんだな。

俺は約束のためにも時期候補の座を手に入れなくてはいけない。

その際の最大の壁は多分姉さんだろう。

「以上だが、質問はあるか?」

父が周りを見渡す。

そして父の傍らには母が。

結局俺と母は会話らしい会話をロクに交わさなかった。

元々話しにいくつもりも無いし、話しかけられたらそれはそれで対応に困る。

「はい」

そのとき姉さんの手が上がった。

「マイか。何だ?」

どうやら質問らしい。

「質問ではないのですが、私は5日後の当主選を辞退します」

「!?」

周りがざわつき始めた。

父も意外そうな顔で姉さんを見ていた。

かくいう俺も驚きを隠せない。

「姉さん?」

俺は姉さんを見た。

「どういうことだ?」

「まだ全てを言っていません」

父が姉さんに訊いた。

「辞退する代わりに、新たな候補を推薦したいのですが」

「新たな候補……だと?」

新たな候補って……一体何のことだ?

「はい。きちんと皇家の血を引く直系の者……」

直系って俺と姉さんじゃないのか?

「マイ……お前……」

父が初めてうろたえた顔をした。

「城凪夕陽……いえ、皇夕陽を推薦します!」

「え?」

俺には理解できなかった。

周りもざわついている。

「夕陽……」

「マイ!夕陽は皇家の……私の子ではありません!」

「何を言っているのでしょうか母上。あなたの子供かどうかなんて関係ありません。父の子かどうかが問題ですよ」

母とマイが言い合いを始めた。

俺は傍観しているだけ。

「夕陽……来なさい」

「はい」

委員長が呼ばれて父の元に行く。

何かさっき話したことをまとめてみると、委員長は父の子供で、母の子供じゃなくて、姉さんの変わりに当主選に出る……ということだ。

「お前は出るつもりはあるのか?」

「……はい」

委員長と父が会話をしている。

「静まってください!」

そのとき姉さんの声が響いた。

一瞬喧騒が止む。

「オイオイ……一介のSPが当主選に出ても大丈夫なのかい?勝てる見込みはあるのかい?」

俺達に絡んできた男が姉さんに突っかかる。

「最低でもあなたより票は取れるわよ」

「な……!」

男の顔が歪む。

「お父様、認めてくださいますか?」

「……ああ、確かに彼女は私の子だからな」

「あなた!」

父の子で母の子ではない……ということは、愛人の子!?

周りのさわめきはまた強化された。

「静粛に!」

しかし父の厳のある声ですぐに喧騒は止んだ。

「これより当主選の変更を行なう。皇マイに代わり、城凪夕陽……本名皇夕陽を当主選に参加させる!マイ、これでいいのだな?」

「ええもちろん」

姉さんが笑顔で言う。

「勝算はあるのか?」

「ええもちろん」

姉さんの笑顔は消えない。

……と、いうことは俺は姉さんと戦わなくて済む!

楽になった、とか思ったりして。

「以上質問は終了か?」

「当主!彼女が直系という証拠はあるのですか!?」

「当然の質問だな」

父が姉さんを見る。

「DNA鑑定すれば一発ですよ?」

「ならば鑑定結果を見せてください!」

誰かは知らないが、ずいぶんと姉さんに突っかかる。

「そう言ってDNA鑑定をさせて、夕陽を当主選に出させないようにしているのね。そんなことをしていたら当主選に間に合わないもの。そんな姑息な手段をする気?」

「しかし私らからしてみれば得体の知れない人が当主になるなんて認められないぞ!」

「と、いうことですでにそっちは手配していますわ」

姉さんが指をパチンと鳴らした。

すると何人かの人たちが大広間に入ってきた。

「彼らがDNA鑑定を行なってくれます。みな選りすぐりのエリートたちです」

姉さんはこういうことも予期して先回りしていたのか……

あれ?

姉さんは俺にそんなことを一言も言ってくれなかった。

「では結果はすぐに出ますので3日後あたりにでもお知らせいたします。結果を怪しむならば彼らを監視しても構いませんよ?」

姉さんの目は本気だ。

多分嘘じゃない。

そして委員長は……俺の異母姉ということになる……

「……もういいか?」

当主が周りを見渡した。

みんな先ほどの騒ぎで静まりかえっている。

いきなり姉さんが辞退

新しい候補を擁立

委員長擁立

皇家の直系?

みたいな感じだったからな……

まさか隠し子が父にいたなんて俺も考えなかった。

だが、少しおかしい。

騒いでいるのは分家の一部。

こんな衝撃的な話なのに、意外と他の人たちは何も言わない。

この話は意外と知られていたのか?

「質問は無いようだな。以上より説明は終了。パーティーを楽しめ」

この状況で楽しめねえよ。

「姉さん、あのこれは……」

「カイ、私とあなたはこれから敵同士よ」

「え……」

姉さんの目がいつもより鋭い。

「私は全力で彼女をバックアップする。だから……あなたを当主にはさせない!」

「な……!!」

俺はこんな敵意むき出しの姉さんを始めてみた。

姉さんのこんな表情は……いや、考えすぎか。

ともかく俺はその場に硬直したまま動かなかった。

いや、動けなかった。

そして……

時は流れて決戦の日になった。



「これより開票いたします」

開票が始まった。

結果は……



「当選者、皇カイ」



……俺が当選した。



よく分からない終わりは仕様です。


そしてこの話、非常に苦戦。しかも読みづらい。


最低と罵っても構いません……でもあまり罵らないで。


次回は空白の5日間です。

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