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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第三部 飛翔
87/104

第69話 ドタバタバレンタインの生徒会

前回言ったとおりコメディです。


〜あらすじ〜

危うく凶弾によって命を落としかけた俺。

武満のおかげで一命を取りとめた俺。

そんな俺に2月14日がやって来た。

この日が只で終わるはずなんて無いことに俺は気づかなかった。



2月14日……

乙女が命を賭ける日。

自分の思いをチョコという形にして意中の人に捧げる日。

別名チョコレート会社の陰謀。

おっと今の発言は空気を読めなかったな。

とにかくまあウチの学校もそんな陰謀に巻き込まれているわけで……

と、いうことでバレンタインが始まったのです!

まあ俺当日まで知らなかったけど。



朝目覚めると姉さんが目の前にいた。

……当たり前か。ベッド一つだけだし。

ていうかベッド二つ買おうかな。

俺は皇に戻ったものの、生活は全然変わらなかった。

いつものようにはなびを起こして、いつものように生徒会に行って、いつものようにこの狭い部屋で過ごしたりなど……

まあ俺は表向きはまだ蛟刃カイだしな。

正式に皇になるには今年の4月だ。

そして俺達の停学の件についてのほとぼりも冷めた頃だ。

それまで美空さんを中心とする野次馬が多かったけど。

だから今日もいつもとかわらずはなびの家に向かうのだった。



「ん〜?」

俺ははなびの家の前で立ち止まった。

なぜならはなびの家の扉の前になんか紙が張ってあった。

「えーと何々……カイ立ち入り禁止って俺ぇ!?」

何か俺悪いことしたかな?

と、ふと考えてみる。

まあ確かに昨日は慌ててたようだったしな〜。

何か用事でもあるのか?

俺ははなびの携帯に電話する……が、案の定出ない。

だから今度は咲に電話することにした。

プルルルル……

ガチャッ

「カイどうしたの?」

「ああ、はなびの家になんか張り紙がはってあるんだけど……」

「ああそれね」

どうやら咲は何かを知っているようだ。

「はなびは私が起すから先に行ってて」

「お、おう」

プチッ

そうして電話が切れた。

「う〜ん……わからんなあ……」

俺は首をかしげて早い登校をした……

「っとやべえやべえ!」

俺は朝食を食っていないことを思い出したので、先にコンビニに行った。



「よう。早いなお前」

「おう俊哉。今日ははなびを起こさなくていいらしいからさ」

「なるほど」

俺は俊哉に登校中に会って、今朝のことを話した。

「なるほどって……お前何か知っているのか?」

「さて問題。今日は何日でしょう?」

「え?14日だろ?」

俺は何を今更みたいな口調で言い返した。

「では次の質問だ。2月14日は何の日でしょう?」

「え?2月になんかあったっけ?」

俺は腕を組んで考えた。

「節分じゃ……ねえよなあ……まさか建国記念日!?」

「……お前って実はアホだろ。建国記念日なら今日は学校休みだろ」

「そ、そうだな」

俊哉の言うとおり俺はバカだった。

「で、本当に分からないのか?」

「いやまあ……」

俺は頭をかきながら俊哉の言葉を待った。

「お前は今日テレビを見ていないのか?」

「ああ。まあな」

「はぁ……今日はバレンタインだ……」

「おう!そんなイベントがあったな!」

俺は心底忘れていた。

ていうか去年生徒会メンバーから貰っていたな、俺は。

俊哉は毎年すごい量だった気が……

「で、俊哉。じゃあお前は今日でかい袋でも持ってきたか?」

「……一応」

どうやら大量にチョコが来ることを予想しているらしい。

まあ去年は高1ながら校内で1番チョコを貰っていたからな。

俺達はそんな会話をしながらいつもより早い時間に登校した。

「ん?」

そんな折、俺は下駄箱の中に何かがあることに気づいた。

「何だろこれ」

俺は下駄箱の中から緑色の紙に包装された何かを取り出した。

「まさか……」

俺はこの包みを俊哉に静かに渡した。

「はい」

「……何してるんだ?」

「お前のやつが間違って俺のところに入っていたぞ」

俺は少し悔しがりながらも俊哉に言った。

「……なんでそうなる?」

「え?まあ……お前の下駄箱に入りきらないからじゃない?」

「!?」

俊哉はハッと自分の下駄箱を見た。

……ものすごく膨れてるんですけど。

「……そ、そんなことより、これはお前に返す」

「え?」

「これがお前へのものだったらどうするんだよ」

俺は俊哉をしばらくの間見つめた。

「……ないない、ハハハ」

「……鈍感が……」

「え?」

俺は俯きながら何かを呟いた俊哉を見た。

「いいからこれはお前が持っとけ!」

「あ、ああ……」

俊哉の気迫に押されて俺は頷いた。

「じゃあ俺は……」

俊哉が自分の下駄箱を苦笑しながら見た。

「イヤミな男だな」

「ちょっ!」

俺は俊哉にそう言って置いてきた。

そしてそのまま教室へと向かった。

「おはよう」

俺はクラスの人たちにそう言った。

「ん?」

するとクラスの男子達がわずかに殺気立っていた。

「カイさんおはようございます。はい、これバレンタインのチョコです」

「あ、どうも」

委員長が俺にチョコを渡したその瞬間、俺への殺気が膨れ上がった。

「な、何だ!?」

原因は……このチョコだな。

「え、えーと……」

俺我二の句を次げないでいると委員長がポンと手を叩いた。

「あ、そうでした。クラスの皆さんの分もありますよ」

それを早く言え。

すると現金にも俺への殺気が消えた。

むしろ男達はキモイぐらいに喜んでいた。

「で、でも俺は真里菜先生からのが一番だ〜〜〜!!!」

「黙れ田島」

適当に田島を黙らせると俺は自分の席に座った。

ガラガラ

「おはよう」

「あ、レイか。おはよう」

レイが入ってきた。

「橘君すごいことになってるわよ。まだ下駄箱前」

「……アイツいつか殺す」

「え?」

「いやいや何でもありませんよ。ただの僻みですから」

「ふーん」

レイは至極どうでもいいみたいな返事をした。

……俺は寂しい。

「ところでレイに訊きたいことあるんだけど……」

「何かしら?」

俺は下駄箱にあったチョコを出した。

「このチョ」

ガラガラ

「お、おはよう……」

疲れ果てた俊哉が登場。

というかアイツのチョコの量は余裕で100個以上のような……

「お、おは……よ」

「おはよう」

その後すぐに疲れ果てたはなびと苦笑する咲がやって来た。

「おはよう、はなび、咲。ん?何だその大量のチョコは」

俺ははなびが背負っているチョコの入っている巨大な袋を見た。

「ああ。生徒会長だから全校生徒にあげるのか」

「違う……はぁ……よ……」

相当疲れているようだ。

「あ、これはね。はなびが貰ったチョコたち」

「ふうん。そうか。……ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

俺は驚愕の声をあげた。

「お、おま、おま、お前のそれ全部が?」

「そう……よ」

俊哉に匹敵する量だぞ、それは。

「まあ全部女子からのでしょうけど」

「レイ!」

レイはクスリとはなびをからかった。

「でもまあ男より貰ってる女子、というのもなんか複雑だな」

「出た、カイの僻み」

「いつも僻んでいるみたいに言うな!」

レイの今度の標的は俺のようだ。

そしてみんなが落ち着いてきたので俺はあの話題を口にした。

「ところでさ、このチョコ誰のかな?」

俺は今朝のチョコをみんなに見せた。

「ってアンタ誰かからチョコ貰ったの!?」

「え?いや名前がないから誰からかが分からなくて……」

俺は事情を説明した。

「あれ?」

「どうしたはなび?」

ある程度話し込んだら突然はなびが何かを考え始めた。

「このチョコまさか……」

「え?」

ガラガラ

「ほらー、席に着け」

はなびが何かを言おうとしたときに真里菜先生が入ってきた。

間の悪い人だ。

「ほらほら〜、みんなの分のチョコだぞ〜」

「いよっしゃぁぁぁぁ!!!!」

「うるさ」

俺は斜め前の田島を冷めた瞳で見つめた。

「おう、そういえばそういえば。今日は特殊行事だぞ」

「は?特殊行事?」

聞いたことないぞ。何を言っているのかこの人は。

ピンポンパンポン

放送だ。

「えー、マイクのテスト中〜。まみむめも!」

ナナちゃんだ。

それに「まみむめも!」は流行らないと思うぞ。

「今日は3年に一度のスペシャル行事の日です」

「は?」

3年に1度?

そんな行事あるのか?

「バレンタイン大会の日です!!」

ザワザワ

え?俺は意味が分からないんだけど。

興奮している人もいるんだけど。

「さて、ルールは簡単。ターゲットの人が時間終了までにチョコを持って逃げてください」

「ふうん……面倒なゲームだな」

俺は人事のようにその説明を聞いていた。

「で、問題のターゲットはすでにそのチョコを持っているはずです。そうです、今回のチョコは公正のためににこの学校に隠しておきました。つまり、現在そのチョコを持っている人がターゲットです」

何かいきなり嫌な予感がしたんですけど。

「そのチョコの持ち主は……2年A組、蛟刃カイ先輩です!」

「ちょーーっと待て〜〜〜〜い!!全然公正じゃねえじゃねえか!!俺の下駄箱に入ってたよね!?」

俺は大声で言うが、もちろんナナちゃんには聞こえない。

「カイ先輩は昼休みまでこの学校の敷地内を逃げ回ってください。他の人たちはカイ先輩からチョコを奪ってください。カイ先輩が逃げ切ったら景品はカイ先輩のもの。ある人がカイ先輩からチョコを奪ったら、その奪った人に景品が。9時に大会開始で、カイ先輩は逃げてください。そのほかの人たちは10分経つまで教室待機です」

「何で俺がこんな目に……」

「まさかとは思っていたけど……」

はなびの言おうとしていたことはこのことだったのか。

「まあいいや、景品なんて興味ないから適当につかまるか」

「ちなみに、景品はさや先輩の愛の篭ったチョコレートです!」

『何ぃぃぃぃぃ!?』

↑俺も言ってます。

上記の通り俺も大声を上げた。

「クッ……これは俺への試練なのか、そうなんだな」

俺はやる気に満ち溢れていた。

さや先輩のチョコレートを他の奴らに渡してたまるか!

「俊哉!はなび!レイ!咲!協力してくれるか?」

みんな頷いてくれた。

しかし他のクラスメートは俺のことを睨んでいた。

「え?まさか俺って敵だらけ?」

開始時刻まであと少しだ。

俺は心を落ち着かせた。

絶対に負けられない!



そして……

俺にとっての災難な1日の幕開けとなった。



To Be Continued……






まだ続きます。

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