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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第三部 飛翔
86/104

第68話 繋ぎが生徒会

題名のとおりつなぎの話みたいなものです。

というか今までで一番短い……


うう……頭が痛い……

俺は一体どうしたんだ?

あまりの痛みに俺は死にそうだ。

「はぁ……はぁ……」

息も荒い。

というかここはどこだ?

真っ暗闇だ。

「ああ……俺の中……か」

俺は一人ポツリと呟いた。

武満は?

探してみるが見当たらない。

俺はどうなったんだっけか?

考えてみたが頭の激痛がそれを邪魔する。

なんでこんなに頭が痛いんだ?

激痛を我慢して記憶を辿ってみる。

「あれ?銃声……?」

ああ……俺が何者かに撃たれたのか……

どうして撃たれた?

なんてことは考えない。

皇なんて憎まれて当然だ。

俺を殺したいやつなんていっぱい……

あれ?そういえば俺が皇カイにもどったことを公表して無いぞ?

俺が皇だと知っている人間はあの蓮見邸にいた人間だけで……

「ん?」

俺は突如考えるのを止めて目の前に横たわっている人間を見た。

「武満!?」

倒れていたのは武満だった。

「しっかりしろ!」

「ぐうっ……」

武満が唸りながら起き上がった。

「一体どうしたんだ!?」

「分からないのか……?お前が死に掛けたから俺も死に掛けたんだよ……」

「痛みがシンクロするのか?」

「それはお前の存在が消えそうになったからだ。お前が消えると俺も消えてしまうからな……だがお前は辛うじて生き残ってる」

「俺は頭を撃たれたのに生きているのか?」

「ああ」

何という幸運か。

今までの不幸の見返りかもしれない。

「今の俺は当分動けそうに無い……お前はさっさと出てけ」

「だが……」

「邪魔だ!」

「……分かった」

だがどうやって目覚めればいいんだろう?

今回の俺は体が浮き上がらない。

「何をしている?」

「見つからない。出口ってどうやって見つけるんだっけ?」

「俺に訊くな」

俺はその場にへたり込んだ。

えーと……こういうときってどうするんだっけ?

寝ているときは自然と体が持ち上がるのに。

さや先輩ならどうするんだろうな……

……そうだった。

光だ。

俺の中にある光芒を辿れば……!!

俺は光を探した。

だが、中々見つからない。

光……光……暗闇を照らす一筋の光があれば……!!

「……見つけた」

俺の中にある光は俺自身の中にあった。

俺は自分の胸に手を当てた。

「俺は帰るんだ……みんなの元へ」

俺の体が光に包まれた。

そしてそのまま俺はその空間から消失した。



「ぐうっ……」

「カイ!!」

目の前にさや先輩の顔がアップで写った。

「さや……先輩」

「カイ!!!」

そう言って俺に抱きついてきたさや先輩。

「うわぁ!!ちょっとタンマ!俺、けが人!!」

あの事件の再来だ。

「イチャつくのは私達の見てないところでやってくれる?」

「「!!」」

レイの声に俺達は急いで離れた。

「み、みんな……」

周りにははなび、レイ、咲、ナナちゃん、俊哉がいた。

「あの……ここは?」

「皇家が手配した病院だ」

俊哉が言った。

「そうか……」

「ねえカイ」

さや先輩が悲痛な顔で話しかける。

「カイは私のせいで撃たれたんでしょ?」

「え?」

俺はポカンとした。

「犯人は初河崎家の当主よ。だから私のせいよ……」

「何言ってるんですか。な、みんな?」

俺とさや先輩を除くみんなが一斉に頷いた。

「私達は自分の意思でさや先輩を助けようと思ったんです」

「だからさや先輩のせいじゃないですよ」

「はなびちゃん……咲ちゃん」

「むしろ発案した私のせい……」

「ナナちゃん」

俺はナナちゃんの頭に手を乗せた。

「俺はナナちゃんに助けられたんだよ。あのままだったら俺、一生後悔してたし、ダメ人間になってたよ」

俺はナナちゃんの頭を撫でた。

「こ、子供扱いは止めてください」

ナナちゃんは照れて俺から距離をとった。

俺はそれを見て少し笑みを浮かべた。

「カイ」

「な、何でしょうか?」

突然さや先輩の冷たい声が聞こえた。

「他の女とイチャついてるのを私が黙ってみてると思う?」

「い、いえ……」

こ、これは……られる!?

「……みんなありがとう」

しかし急にさや先輩が俺達みんなに頭を下げた。

「私達は仲間!だから当然ですよ!」

はなびがみんなに言う。

「そうね。カイも言っていたし。私達は一生の仲間だって。離れていても繋がっている……」

「俺そんなこと言った?」

「言ったわ。今、私がそれをかなり誇示して言った」

「それもはや俺の発言じゃねえよ!!」

俺たちは一通り笑い合った。

その後、俺は生徒会の近況を訊いてみた。

「俊哉……お前……」

その中で俊哉が風紀委員長を辞めさせられたことを聞いた。

「別にいいさ。人一人助けたことを考えれば安いものさ」

「……カイはいいの?」

「え?」

咲が訊いてきた。

「カイも生徒会長辞めさせられたんだよ……」

「ああそれか。気にしてないよ」

これは本当だ。

別に生徒会長じゃなくても生徒会にいられるだけで俺は……

「カイらしいわね」

レイがクスリと笑った。

「らしくなったか?」

「そうね」

俺はみんなと顔を見合わせた。

「まあ来年もあるしな」

俊哉がそう言った。

「どうしたんですか?」

何故かナナちゃんが俺に訊いてきた。

「え?何が?」

顔に出てしまったのか?

「いえ……なんでもありません」

ナナちゃんは何も言わなかった。

来年ねえ……

ガチャ

「おお。起きたか」

そのとき扉が開いて父親と医師がやって来た。

「私の言ったとおりであろう?」

「ですがこれは奇跡ですよ!」

医師が親父に興奮しながら言った。

「奇跡?」

「そうよ。あなたが障害なしで起きるのは奇跡、と言われてたのよ」

「そうなのか……」

奇跡、か。

「問題はなさそうだな。武満に感謝しておけ」

「武満!?」

「私はアメリカに戻る。カイ、約束を忘れるなよ」

「ああ」

そう言って父親と医師は退室した。

「ねえ、武満って誰よ?」

はなびが俺に訊いてくる。

「ああ……えーと」

どう説明すりゃいいかな?

「まあいいわ」

はなびが何故か簡単に引き下がってくれた。

「アンタを興奮させちゃまずいし」

はなびは俺のことを配慮してくれたらしい。

「一応俺はしばらく…3日くらい学校を休んだほうがいいよな?」

「そうね。1週間でもいいくらいよ」

「まあとにかくしばらくは行けそうにないしな」

俺はその後みんなととりとめの無い雑談をした。

しばらくしてさや先輩以外みんな帰ってしまった。

「じゃあな」

「また今度〜」

「ちゃんと体調直すのよ」

「安静にしててね」

「時々行くから」

「おう。じゃあな」

俺はみんなと挨拶した。

残ったのは俺とさや先輩。

「おかえり」

「ただいま……」

俺はさや先輩としばし見つめあった。

そして……

俺とさや先輩の影が重なり合った。



Gagou SIDE

マイよ……賭けは私の勝ちのようだな。

だが……油断は禁物だ。

何を考えているか分からんからなあの娘は。

まあよい。

全ては私の掌の上。



To Be Continued……





何か今日変な親父に絡まれました。


関係ない話ですいません。


次回はコメディ、バレンタイン編です。


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