第61話 スキーだ!生徒会
あらすじ
俺達は生徒会のみんなで新年を迎えた。
だからその中にさや先輩はいなかった。
そのことを特に気にせず俺はみんなとスキーに行くことになった。
新年を無事に迎えた俺達。
俺達はスキーに行くことになった。
え?突然だって?
今まで全て突然だから問題なし!
さて、ドタバタスキーの始まり始まり……
「キター!!」
「目薬でも差したの?」
「違えよ!」
俺達は現在スキー場に来ている。
メンバーは俺、俊哉、はなび、咲、レイ、ナナちゃん、姉さん、委員長、古賀、田島である。
さや先輩は受験シーズンのため来ないらしい。
そしてそんな大人数で遊びに来て俺はテンションが高い。
「これはこれはカイの姉上様。相変わらず美しい方ですね」
「たぁじまぁぁぁぁぁぁ!!」
俺は姉さんに話しかけた田島に向かっていった。
「な、何だ?」
田島は顔が強張った。
「いいか?姉さんに手でも出してみろ、俺がお前を……コロス!」
「は、はひ!」
田島はしゃべらなくなった。
「相も変わらずシスコンね」
もう俺はシスコンを受け入れた……止む無くな。
「で、もちろんさっさと滑るわよね?」
はなびが俺に訊いてくる。
「ああ。ていうか経験者何人いるの?」
俺がみんなに訊いた。
すると経験者は俺、俊哉、はなび、咲、古賀だった。
「えーと……ちょうど経験者と初心者で組み分け出来るな」
「まあそれが妥当ね」
と、いうことで俺は姉さん、レイ、ナナちゃん、委員長、田島の誰かと滑ることになった。
田島は嫌だな……
「誰か俺にスキーを教えてくれー!!」
「嫌」
はなびがハッキリと田島の誘いを断った。
「ギャルゲーだったら選択肢が生じるはずなんだぁ!」
「それ分かります!」
何か田島とナナちゃんが意気投合してしまった。
「まあいいか……で、組み合わせはどうする?」
「う〜ん……じゃああみだで」
はなびが言った。
「何かくじで決めること多いよね」
「気にしたらダメよ」
レイが俺に告げる。
そして……
組み合わせが決まった。
俊哉は姉さん、はなびはレイ、咲は委員長、古賀は田島……南無。
そして俺はナナちゃんと組むことになった。
「よろしくおねがいしますね!」
「あ、ああ」
ナナちゃんと二人だと何かが起こりそうな気がするのは気のせいであろうか……
「じゃあまた後でね」
「ああ」
俺達はみんなと別れてここには俺とナナちゃんしかいなくなった。
「で、カイ先輩。どうやってモーグルするんですか?」
「……」
俺はまずナナちゃんに基本的なことから説明することになったのだった。
「まあ以上が基本だ」
俺はナナちゃんに一通り説明し終わったのでやっとスキー出来ることになった。
「そーなんですか。それで、スキージャンプは?」
「君は話を聞いていたのか!?」
俺は再び説明して、結局スキーが出来たのはそれから1時間後のことだった。
「これでやっと実践練習だね」
俺とナナちゃんはスキーウェアに着替えて雪山に立った。
「はい、お願いします廻船製」
「今何か変な漢字を使われた気がするのだが」
「気のせいですよ」
俺はナナちゃんに滑り方を教え始めた。
「腰を引いちゃダメだよ!」
「でも怖いです〜」
俺は怖がって腰が引けているナナちゃんに注意した。
「ううそれなら腰を抑えてください」
「ったく……ほら」
俺はナナちゃんの腰を手で固定した。
「あの〜……」
「ん?」
ナナちゃんが恐る恐る俺に尋ねた。
「このポーズ結構Hですよ」
「うわあ!?」
何普通に女の子の腰に触れてるんだ俺は!
「別に私はいいんですけどね。ギャラリーが」
俺は周りを見た。
「見ろよアイツ」「あんな顔して中々の鬼畜だな」「しかも堂々とセクハラしてるぜ」「羞恥心無いのかよ」「死ねばいいのに」
俺は散々に言われていた。
「あ、あはは……場所変えよっか?」
「そうですね」
さすがのナナちゃんも注目されているところにはいたくないようだ。
俺達は静かに注目されながら場所を変えた。
「さて、ここなら誰もいないから大丈夫だな」
「そうですね。遭難先に人がいないのは当然ですよね」
「それもそうだ……」
俺達は遭難してしまった。
「これじゃ練習どころじゃないな……携帯も圏外だし」
「はぁ……人のいないところで私は……ヤ〜ン、カイ先輩のエッチ〜!」
「……」
何でこの状況でそんなことを言っていられる?
まあこの状況を作ったのは俺なのだが。
とりあえず休める場所か、宿舎を捜そう。
「ここにいてもしょうがない。行こう」
「私まだ滑れないんですけど」
「う……」
なぜか俺は遭難先でナナちゃんにスキーを教えることになった。
「俺達このまま帰れるのかな」
はぁ……自分が蒔いた種とはいえこの状況には困ったもんだな。
「帰れなかったらそのときは!」
「ま、まさか……何か方法でもあるのか!?」
俺は期待したまなざしでナナちゃんを見つめる。
「一緒に凍死しましょう!」
「死ぬのかよ!」
「じゃああえて感電死とかですか?マイナーですね」
「いや、そういう問題じゃないし!」
寒い中でこうしゃべっているとあんまり凍えないな。
まさかナナちゃんはそれを狙って……!?
そんなわけないか。俺は速攻でその考えを棄却した。
なぜならナナちゃんだから。
「ところで……あれは何だと思います?」
「あれはまさか……休憩所では!?」
俺達が闇雲に滑っていると運よく休憩所らしき建物を発見した。
「行ってみましょう!」
「そうだな」
俺達はその建物に近づいた。
外装はなんかボロい。本当に休憩所なのか?
「カイ先輩の今思ったことを当てて見せましょう!本当にこんなにボロいのが休憩所なのか?ですね!」
「いや、多分ほとんどの人が思っていると思うよ」
俺達は中を確認するために扉を開けた。
キィッ
随分ガタのきてる音だな。何か吹雪で飛ばされそうだ。
「何も無いですね」
「そうだな」
中には何も無かった。というか休憩所でなく単なる小屋っぽい。
「はぁ……こんなことになるなんて不幸だな」
「いえいえ幸運ですよ。可愛い女の子と二人っきりですから!」
「えーと可愛い女の子ってどこかな?」
「酷いですよ!アルティメットプリチー、ミラクルセヴンに対して!」
「いやいや覆面料理人だったよね!?」
俺達は会話で白熱させていたためにそんなに寒くはならなかった。
「ところでカイ先輩」
「何だ?」
「好きな人っていますか?」
「うええ!?」
突然の質問に変な声を出してしまった。
「何ですかその頭の悪い叫び方は」
「頭悪くて悪かったな。変な質問するナナちゃんが悪い」
俺はナナちゃんに責任を押し付けた。
「女に責任を擦り付けるなんて酷いです!」
「悪かった悪かった悪かったよ」
俺は投げ遣りに謝った。
「で、好きな人いるんですか?」
「だから何でナナちゃんに言わないといけないんだよ!?」
「実は私達兄妹なんです!」
「な、何だと!?……嘘はいいから」
「つれませんねえ」
ノリツッコミの筈が疲労感に負けて適当なツッコミになってしまった。
「まあいいですよ。訊いてみただけですから」
「何だよそれ……」
俺はため息を吐きたくなった。
「ではさっそく」
「へ?」
ナナちゃんが外に向かった。
「何してるんですか?置いて行きますよ」
「置いてくって……外に出たら危ないよ」
俺はナナちゃんを諌めた。
「何言ってるんですか?宿舎はこの裏手ですよ」
「え?」
君のほうが何を言っているんだ?
「ほら、見えますか?」
「あ」
俺はナナちゃんの指差した方向に宿舎を発見した。
「ってまさかナナちゃん最初から気付いてたんじゃ……!」
「はい」
「お、俺を騙したのかぁ!?」
「はい」
「素直に言うな!」
怒りにくいだろ!まあ怒るつもりは毛頭無いけどな。
「まあ極寒にあつ〜い体験をしたからいいじゃないですか」
「誤解を招く言い方するな!しかも熱くない!」
俺とナナちゃんは裏手に回って滑り始めた。
「その……気を悪くしちゃいました?」
ナナちゃんが俺のほうを不安げに見た。
そんな目で見るなよ……
「そんなわけねえだろ。さや先輩のほうがもっと酷いことしてるよ」
「そうですか」
ナナちゃんは笑顔になって言った。
「さあ、帰るぞ〜!腹ペコだよ!」
「そうですね」
結局昼食は食べれず、誰も俺達が何をしていたのか知ることは無かった。
夕食を食べ終わり、俺は温泉に向かおうとした。
「まあ待てカイ」
「何だよ田島」
俺は突然田島に呼び止められた。
「俺はスキーの間、女子度が低かった。無論古賀もだ」
女子度って何だよ。俺はこいつがまともなことを考えていないということが分かった。
「それで俺と古賀とお前で女子風呂覗きをしようと思う」
「俊哉はどうした?」
なぜか俊哉の名前が抜けていたので訊いてみた。
「橘は硬派っぽいだろ」
「そうか?」
見た目は硬派かもしれないけど、中身は思春期の男子学生だ。
「で、早速行こう。古賀も準備しているし」
「オイ」
俺は準備満タンの古賀を呆れた目で見つめた。
「俺は行かねえよ」
俺は拒否した。
決して見たくないというわけではないが、バレるとやばい。
何せ姉さんもいる。
「そう固いこといわずにさ〜」
俺は執拗に誘われたが拒否し続けた。
これでやっとうるさいのが消える、と思ったが、考えが甘かった。
「ならば仕方が無い。強制連行だ!」
「え?」
俺は田島に後から拘束された。
「ちょっ!ふざけんな!放せよ!」
「さあ行くぞ!桃源郷に!」
「降ろせ〜!!」
俺は田島に拘束されながら温泉に連れて行かれた。
「オイ、お前は真里菜先生一筋じゃないのか」
俺は真里菜先生のどこが良いのかなんて分からないけどな。
「ああ。だが女体の神秘を見たいのは男の性であろう?」
「……」
俺は脱衣所の前でそんなことを言われた。
古賀は黙りっぱなしだが、コイツはムッツリだから仕方ない。
「というかどうやって覗くんだよ」
俺は訊いてみた。
「いいルートがあるんだよ」
田島がにやりと笑ったが、俺は笑えなかった。
「さあ行こう!」
田島は脱衣所前を通り過ぎて外に出た。
俺はもちろん拘束されたままだ。
「どこに行くんだ?」
「ここの裏手」
何か田島は外から裏手の森林に入った。
「まさかお前ら……今日1日中このルートを探していたわけじゃあるまいな?」
「……」
「……」
二人が息を呑んだ。図星かよ。
「俺帰りたいんだけど」
「ダメだ。お前は俺のスケープゴートだ」
「俺を盾にする気か!?」
そう言っている間にも田島と古賀は先に進んでいく。
そして何か話し声が聞こえ始めた。
「おお!女湯は近いぞ!」
田島と古賀はスピードを上げて近寄った。
「ばれたらどうするんだよ!」
俺は小声で訊いた。
ばれたら俺も困る。
「大丈夫だって!」
古賀と田島が仕切りに耳を寄せた。
必然的に俺もその体勢となってしまう。
「おお!おお!!」
田島の鼻息が荒い。お前の今の顔は性犯罪者だ。
かくいう俺も赤面したりするわけで……
何せ扉の向こうを想像してしまう。
「あのさ……もう行かない?」
このままでは俺が耐え切れない。
「でもさ〜」
「お前ら!そこで何やってる!?」
「やばっ!」
ほれ見ろ見つかっただろ。
「逃げるぞ!」
俺達は一目散に逃げ出した。
俺も全速力でその場から離れた。
「はぁはぁ……ここまで来れば、大丈夫だろ……」
俺達3人全員が違う方向に逃げたからさすがに追われはしまい。
「おうカイどうした?」
「俊哉……」
俊哉が風呂上りの格好で俺に話しかけてきた。
「何でもねえよ。お前は温泉に?」
「ああ。あっちの奴。景色がいいからお前も行けよ」
「そうだな……」
俺は走って汗を掻いたので俊哉の提案に乗ることにした。
急いでお風呂セットと着替えと共に温泉に向かう。
「あ……もう女湯の時間かも……まあいいか」
俊哉の最後の呟きは幸か不幸かカイの耳に入らなかった。
「さあ温泉温泉」
俺はうきうきしながら温泉に向かった。
何せまだ温泉入ってねえしな。
俺は脱衣所で服を脱いで温泉に入った。
景色は俊哉の言ったとおり絶景だった。
「うわあ、すげえ」
そうして俺は温泉に入りながら疲れを癒した。
ガラガラ
どうやら人が入ってきたようだ。
湯煙でよく見えないが俺の反対側に座った。
「ふぅ〜」
相手も疲れを癒しに来たのかもしれない。
そしてしばらく入った俺は風呂から出ることにした。
しかしそのとき風が強く吹いて湯煙が一瞬消える。
そして咲と目が合った。
……
あれ?
「あ……」
咲も俺を凝視。特に俺の下半身……
「って!!」
何で咲がここに!?
俺今下はスッポンポンだよ!
やばいって!やばいっす!
「あ……あ……」
ああ!今大声で叫ばれるとまずい!
「咲っ!」
俺は急いで咲に近づいて口を塞いで拘束した。
「んん〜〜〜!」
って俺は何やってるんだ!!
今この光景を第3者から見てみよう。
裸の男が裸の女の口を塞いで拘束
↓
悪いのは俺
↓
俺は逮捕される
それはマズイ!
「ご、ごめん!落ち着いて聞いてくれ」
「んん〜〜〜!」
この状況で落ち着けるわけが無いと思うがそんなことを言っている場合じゃない。
「どうしてここにいるんだ?今は男湯のはずだよな?」
俺は咲に確認を取った。
「んん〜〜〜!」
「あ、悪ぃ」
口を塞いでちゃしゃべれねえじゃん。
「ちょっ「頼む!静かにしてくれ!」ってえっ?」
俺は咲の発言を頭を下げて止めた。
「えーとだから……」
「わ、分かったわよ……」
咲は素直に俺のいうことを聞いてくれた。
珍しい……訳では無いな。
「カイのことだから時間でも間違えたんでしょ?」
「え?まさか今女湯?」
「そうよ」
な、何ですとーーーーーっ!!!
悪いのは一方的に俺じゃないっすか!
「あ、その……ゴメン」
「だからもういいって!」
「あ、じゃあ上がるよ」
俺は急いで風呂から上がることにした。
ザワザワ
「「!!」」
しかし、何か脱衣所から声が聞こえ始めた。無論女性の。
「あ、後でみんなもここに来るんだった……」
咲が呆然と呟いた。
「ま、マジかよ……」
こ、これはジ・エンドって奴じゃないですか!?
「カ、カイ!私の後ろに隠れてて!」
「え、でも!」
「いいから!」
俺は咲に引っ張られて咲の後に隠れた。
「少し潜って」
「了解」
咲の体が小さいから俺が見えてしまうのだろう。
咲の配慮に感謝しながら言う通りにする俺。
ガラガラ
「うわあ!すごいわね!」
はなび達が入ってきた。
「こら!目を閉じなさい!」
「は、はい」
俺は咲に小声で言われて急いで目を瞑った。
「あ、咲!」
「は、はなび」
はなびたちが咲を見つけた。
「どうしてそんな隅に?」
「あ、それは……私って隅が好きだから!」
そうか?
その言い訳はマズイような……
「ふ〜ん」
信じるのかよ!
声に出せないので心の中でつっこみます。
「あれ?このタオル……」
やばっ!
ナナちゃんが俺のタオルを見つけた。
「男性用洗顔剤もありますよ!」
うわあああああ!!!
この状況は非常にまずいっす!
「誰かの忘れ物でしょ」
「その可能性が一番高いですね」
レイと委員長のおかげで助かった……
むにっ
「キャッ!」
しまった!
咲の尻に触っちまった!
みんな咲を見ている。
「どうしたの?」
「あ、別に何でもないわ」
咲はポーカーフェイスでやり過ごす。
そうしてみんな何も言わなくなった。
さすがは咲。
「へ、変なところ触らないでよ〜」
小声で俺に言う。
「ス、スマン……」
俺は段々限界に近づいてきた。
もうのぼせそうだ……
「ねえあなたさっきからピクリとも動かないけれど大丈夫?」
「だ、大丈夫だから心配しないで」
「そうかしら?」
マズイぞ……レイが疑い始めている。
やっぱり関門はコイツか……
「そうよ。全然平気」
「じゃあ試しにこっちに来て」
「え?うん」
ええ!?何で了承しちゃうんだよ!
俺の存在がバレちゃうよ!
まあ無理にお願いしたのは俺だけど!
「潜って。濁ってるから分かりっこないわ」
「あ、そうだな……」
俺は言われたとおり全身を潜らせた。
それと同時に咲も動いた。
「ほら、全然平気」
咲は平気でも、潜っている俺は全然平気じゃないけどな。
いつまで誤魔化せるものか……
俺は潜りながらゆっくりと場所を変えた。
同じ場所にいたらマズイしな。
「だよねー」
「そうよねー」
咲達が何を話しているかはわからないけど、俺には関係ない。
そして泳いでいたら俺の尻に熱いお湯が当たって……
「あ、あぢーーーーーーっ!!!!!!」
俺は絶叫して風呂から飛び上がった。
だってマジで熱かったんだ。ちょうど出たてのお湯をモロに食らった。
「ってヤバッ!」
みんな俺を注目している。
「あ、あはは……先にあがってるね〜」
俺は急いで逃げの態勢に入った。
しかし、みんなの俺を睨む視線がそれをさせてくれなかった。
「あ、その……」
『この変態!!!!!』
「すいませんでしたーーーーー!!!!!」
俺はみんなに殴られて絶叫した。
「よう。エロカイ」
「うるさい田島」
俺は部屋に戻るなり田島に茶化された。
「でも一気に有名になったな。堂々と女風呂に入る男、って」
「嬉しくねえな!」
「事実でしょ」
俺のツッコミにはなびが速攻でツッコミを返した。
はなびだけではなく、レイ、ナナちゃん、姉さん、委員長まで俺のことを責める眼をしていた。
「すいませんでした」
「そ、そうよ、カイは間違えただけだから!」
咲が俺を擁護してくれた。
「ふ〜ん……」
みんな俺に疑いのまなざしを向けている。
確かに覗いたのは事実だ、仕方が無い。
「ところで誰の裸が一番良かったんですか?」
「ええ!?」
ナナちゃんが俺にそんな変なことを聞いてきた。
「とりあえず罰として明日私達の言うことを何でも聞くって言うことで」
はなびが決めた。
「はい……」
俺は頷くしかなかった。
「じゃあ部屋割りでも決めましょう」
レイが言った。
「私はカイと一緒の部屋で」
「ね、姉さん……」
俺もそうしようかな……
「まったくこの姉弟は……」
レイが呆れている。
「俺は田島と古賀を連れて行く」
「た、橘!?何を言っているんだ!?」
俊哉は田島と古賀を引き摺っていった。
「うわあああああああああああ!!!!」
マジで悲痛な声をあげる田島。
そんなに女子と同じ部屋になりたかったのかよ。
「じゃあ私とカイと夕陽は同じ部屋で」
「ちょっ!委員長まで同じ部屋はまずいんじゃないですか!?」
「大丈夫よ。私がいるし」
「でも……」
チラリと俺を見るはなび。
何故そう疑う。
まあ今日のことを考えると仕方ないかもしれない。
「大丈夫大丈夫。カイにそんなこと出来ると思う?」
『出来ない』
「即答かよ!!」
俺は姉さんと委員長と同じ部屋に行くことになった。
「もう俺寝るから……」
部屋に入った途端に俺は予め敷いてあった布団にダイブした。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
「ああ……おやすみ」
俺はいろいろ疲れていたのですぐに眠れた。
そしてスキー旅行は2日目を静かに迎えたのだった。
すいません、体調不良で更新遅れました。
次回予告
まだまだ続くスキー旅行!
しかし最終日の夜、カイの夢の中に武満が現れて……