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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第三部 飛翔
78/104

第60話 新年の生徒会

〜あらすじ〜

委員長や姉さんによって俺は何とか日本に戻ってこれた。

そしてクリスマスパーティで俺達はみんなではしゃいだ。

その後さや先輩に外に呼び出された。

俺はそこでさや先輩とキスをした。

しかしさや先輩の「さよなら」について俺は深く考えなかった……

クリスマスが終わった!

今日は大晦日だ!

と、言うわけで現在日付は12月31日です。

この日も俺はバイトを入れているのでオアシスへと向かう。

「カイ〜」

「姉さん……」

そして再び姉さんがウチにやってきた。

「お腹空いた〜」

「いや、でも俺バイトが……」

姉さんは俺が支度をしているくらいに起き始める。

かなり迷惑だ。

え?作り置きすればいい、って?

甘いな。姉さんはそんなことは認めない。常に出来立てが食べたいらしい。

これも金持ちの特徴か。

……いや、そう決め付けるのは早計だな。

全国の金持ちに失礼だ。

「カイ、お腹空いたわ」

「う……」

甘えながら言うのと命令しながら言うの2段攻撃かよ!

「ねえ。バイトとお姉さん、どっちが大事?」

「姉さんです。早速作りましょう」

この質問にコンマ1秒で答える俺はかなりのシスコンなんだな。

そして、バイトに俺は遅刻した。



「本当なんです!許してください!」

俺は遅刻の罰として全ての雑用を押し付けられた。

「ああ?お前がテメエの姉ちゃんの言うことをことわらねえからいけないんだろ!」

「いや、でも……」

無理だ〜。絶対無理だ〜。俺は姉さんの言うことを絶対断れねえ。

「ははは。仕方ないですよ。カイはシスコンですから」

「何だと、さり気なくここに居座っている俊哉君!」

今日は俊哉が客として来ている。

と、いうかこの後ここでヒトリグラシーズで年越しをする予定だ。

ちなみにヒトリグラシーズ、略して「ヒ○ラー」は俺、俊哉、レイ、咲で構成されている。

「カイ、客が来たわよ。接客しなさい」

「ういーす」

俺はレイに言われて客のほうへ向かった。

「さ、咲かよ」

「……」

咲は俺をジッと見てすぐに目を逸らした。

「えーとご案内いたします!」

「カウンターで良いわよ」

「あ、はい」

俺は咲をカウンターに案内した。

店内には客がほとんどいないので俺達はほぼずっと雑談をしていた。

「ところでお前に一つ聞きたいのだが」

「どうした俊哉?」

俺は突然俊哉に真剣そうなまなざしで話しかけられた。

「お前は今ヒトリグラシーズじゃないよな」

「え?……あ!!」

俺の家には姉さんがいる。

つまり現在は二人暮らしと言うわけだ。

「お前は今日ここで年を越せるか?」

「う!」

姉さんを一人家に残すなんて……俺には出来ないぜ!

「くっ……無念だ……」

「ハーッハッハッハ!俺は今日ハーレムだぜー!」

「クッ……俊哉にハーレムさせてたまるかーーー!!!」

そんな俺達の3文芝居はやはり評価があまりよくなかったのだった。

……

でも本当にに姉さんのことをどうしようか……

姉さんのことだからな、俺と普通に年を越すとでも思っているのだろう。

「うーん……姉さんもここに呼んじゃダメかな?」

『……』

こいつら絶対このシスコン!とか言ってる目をした!

絶対した!悪かったな!

「お前ら……シスコンでも何でも良いからここに姉さんを呼んでいいのかどうか訊いてるんだよ!」

「別にいいんじゃない?」

俊哉がまず了承した。

まあコイツは基本的に俺の意見に反対すること自体が少ない。

「レイと咲は?」

「あなたがお姉ちゃんお姉ちゃんうるさいからいいわよ」

「そんなこと言ってない!」

勝手に作られたキャラを即座に否定した。

だって俺がお姉ちゃん、お姉ちゃんって……1度言ってみようかな。

じゃねえよ!

「咲は?」

「まあみんなが良いって言うなら」

なぜかあんまり乗り気じゃない。

姉さんのこと苦手なのかな?

まあ咲は人見知りが激しいし。

「マスター、いいですか?」

「ああ。美人なら大歓迎だ!」

マスターがガハハと笑う。

「……マスター。手は出さないでくださいね?」

俺がマスターに圧迫をかけた。

そうすると珍しくマスターが気圧された。

「お、おう。しねえよ」

「そうですよね〜。いやあ本当にそう言ってくれるって信じてましたよ!」

「そ、そうか?」

「はい!」

俺は精一杯の笑顔を作り上げてマスターをさらに追撃した。

姉さんのことが関わると俺は強くなるな。

こうして全員の許可が取れたのであるから、俺は姉さんにその件を伝えるために家に帰った。



家についた俺はまず自堕落の生活に入っている姉さんを起こしにかかった。

というかまだ寝てるよ。

姉さんは俺と話してるとき以外は食うか寝るしかしてないんじゃないか?

それであのプロポーション、信じられん。

痩せる薬でも服用しているのかもしれない。

「ほら姉さん、起きて下さい」

「ん〜?」

完全に寝ぼけているなこれは。

「大事な話があるんですよ」

「え!?」

するといきなり肩を掴まれて詰め寄られた。

「ど、どうしたんですか?」

「まさか恋人でも作ったんじゃないでしょうね?」

「え!?そんな話じゃありませんよ!」

いきなり何いっているんだこの人は。

俺は少し平静になって次の言葉を語ることにした。

「今日の年越しの話です」

「あ、そうなのね」

姉さんはさっきの勢いが無くなった。

「ていうか姉さんは年越しここでするんですか?」

「そうよ」

「あの、本家に戻らなくても良いんですか?」

俺は恐る恐る訊いてみた。

「今更戻れないでしょう?」

確かに。俺のせいで姉さんは立場を悪くしたのかもしれない。

「あ、えーとすいません」

「謝らなくて良いわ。だって……カイがいるからいいも〜ん!」

そう言って俺に抱きついてきた姉さん。

これじゃただのダダ甘な姉さんだ。皇家次期当主「皇マイ」の面影は全く無い。

「ね、姉さん、そのことなんですけど……」

俺は姉さんに今日のことを伝えないといけない。

「俺、今日はバイト先で友達と年を越すんです」

「え……」

姉さんの顔が凍りついた。

「あ、その、姉さんも一緒にどうかな?」

「もちろんよ!一瞬焦っちゃったじゃない!!」

そして俺を抱きしめる力をさらに強くする。

というか痛いです。

「痛いですよ!」

「私の心の痛みよりマシでしょう!?」

「意味分かんないです!」

俺は姉さんを強引に引き剥がしてオアシスに戻っていった。



「で、何かあった?」

「え?」

俺は戻るなりレイにそんなことを言われた。

「何の話?姉さんのこと」

「そっちじゃないわよ。どうせ姉弟でラブラブしてたんでしょ」

「してねえよ!」

俺は顔を真っ赤にして叫んだ。

「ま、近親相姦だけは止めておけよな」

俊哉が歯をキラーンとさせながら言った。

「しねえよ!」

確かに3歳ぐらいのときに俺は姉さんに結婚を申し込んだが、それは恋愛感情じゃない。

……というか恥ずかしいこと思い出させるな!

「まあそれはともかく、クリスマス・イヴのことよ」

「え?山下さんの?」

「違うわよ」

俺ははてなマークを頭に浮かべた。

「クリスマス・イヴの日よ」

「え?……っと!何も無いですよ!はい!」

『……』

みんなこっちをジッと見ている。

「え?いや〜……何?」

ものすごく挙動不審な俺。

だってその日……う……唇に感触が……

「なるほどね」

「え?」

何かレイに何かを納得された。

「え?何?どういうこと?」

咲と俊哉は気づいていないらしい。

いや、俊哉は気付かないフリをしているのかもしれない。

「まあこれは個人的な問題だから言えないわ。ね?」

「う」

レイの満面の笑みが俺の胸に突き刺さった。

何故分かったんだ……

「じゃ、仕事続けましょう」

「おう……」

俺とレイは仕事を再開した。



結局大量の仕事をこなした俺はへとへとになっていた。

「もう動けん……」

「お疲れ様」

咲が俺にウーロン茶を渡した。

「ああ、サンキュ」

俺はそれを一気に飲み干した。

「ぷはぁ!」

「で、カイのお姉さんは?」

咲が俺に訊いてきた。

「ああ、そうだな。電話するよ」

俺は携帯で姉さんに電話した。

プルルルル……

「……」

寝てるのか?

中々電話に出ない。それとも家を出たのかな?

「ちょっと俺姉さんを探してきます」

「いってらっしゃいシスコン」

「……」

何でやねん。

俺は外に出た。

「うう寒っ!」

俺はさや先輩から貰ったマフラーを首に巻きつけた。

そして家に戻ろうとした。

「ん?」

俺はふと立ち止まった。

「あれは……」

姉さんと俊哉がこっちに向かって歩いていた。

……なんか面白くないのは俺がシスコンだからだろうか。

「オイ。人の姉貴に手を出すな俊哉」

「おっ嫉妬か?シスコンの義弟よ」

俺は俊哉と向かい合った。

「男には戦わなければならないときがあるもんだな」

「そうだな」

俺は俊哉に向かって拳を構えた。

無論俊哉も俺に向かってファイティングポーズをとった。

「さあ……来い!」

「ふっ……」

俺達の気迫で周りの空気がしびれているようだ。

「コラコラ、喧嘩はダメだぞ〜。ビシッ!」

「おわっ!」

俺は姉さんのチョップを食らった。

全然痛くないけどな。

そして俊哉は構えを自然に解いた。

無論俺も。まあ冗談だったし。

「さて、オアシスに行きましょう!」

姉さんの能天気な声を合図に俺達はオアシスに向かった。



チリンチリン

「おう、来たか」

俺達がここに入ってメンバーが全員集合した。

「どうも初めまして。皇マイです。弟がお世話になっております」

姉さんが礼儀正しく挨拶した。というか恥ずかしい。

何か俺の保護者みたいだ。まあ事実上そうだが。

「あ、ああ。ここのマスターだ」

「名前は?」

「まだない」

マスターとレイが意味不明な会話を繰り出したが、姉さんは気にもとめなかった。

「レイちゃんと咲ちゃん、久しぶりね」

「こんばんわ、お久しぶりです」

「こ、こんばんわ……」

レイとは対照的に覇気のない挨拶をする咲。

一体どうしたのかな?

あ、でも咲は人見知りが激しいし仕方ないかもな。

「じゃあみんな揃ったところで年越しそばでも食うか」

マスターがみんなにそう言った。

「あ、そういう予定なのか」

「何のためにここにいると思っているのよ」

レイに冷たく言われた俺は軽く落ち込んだ。

そんな俺をみんな放ってそれぞれ何かをし始めた。

「姉さん」

「何?」

かくいう俺は姉さんに聞きたいことがあったので話しかけた。

「えーと……」

もちろんあのことだ。

俺は姉さんを信じているが、やっぱり姉さんの口から否定してもらいたい。

「あのさ……」

とは言っても中々口から出てこない。

俺は恐れているのだろう。

「何かしら?」

「マイさん、何か食べ物のアレルギーとかはありますか?」

そんな俺達の会話をレイが遮った。

悪意は無いと思うが、タイミングを俺は逃した。

「いいえ。大丈夫よ」

姉さんがレイに笑顔でそう言った。

「ありがとうございます。マスター、大丈夫そうよ。カイ、あなたも手伝いなさい」

「ヘイヘイ」

俺は姉さんとの会話を止めて立ち上がった。

「あ、カイ、何か言いかけてなかった?」

「いや、大したことじゃないから」

俺は姉さんに笑顔でそう言って二人の手伝いに行った。



『いただきまーす!』

俺達はみんなで年越しそばを食い始めた。

「これ美味いっすね」

俺はマスターにそう言った。

「あたりめーだ!これ、いい蕎麦なんだぞ!」

どうやらこれはかなりいい素材を使っているらしい。

「そして俺の腕前もいいからな!ハッハッハ!」

マスターが自画自賛しているが、みんないつものことだと思って無視している。

あ、この天ぷら美味い。さすがはマスター。口には出さないけど。

そして俺はあまりの美味しさについいっぱい食べてしまった。

「ふう、ごちそうさま」

レイはいつもどおりあんまり食べなかったが、ほかの人たちは結構な量を食べたと思う。

「いや、お前が一番食べたと思うぞ」

「心を読むなよ俊哉君!」

俺は読心術を食らいながらもツッコミを成功させた。

「じゃあこれからどうする?」

咲がみんなに訊いた。

「う〜ん……紅白でも見るか?」

「こんだけの人数全員がテレビを凝視している光景を想像しなさい」

速攻でレイにつっこまれた。

「う……」

ていうかテレビならみんなで見なくてもいいしな。

「ねえ、折角だから神社に行かない?」

「え?」

姉さんがみんなにそう言った。

「だからさ、初詣を除夜の鐘と共に済ませない?ってことよ」

「あ、そういうことか」

俺はみんなを見渡した。

「俺はいいけど」

「私も」

俊哉と咲は賛成した。

「まあカイがお姉ちゃん、お姉ちゃんうるさいし」

「言ってねえよ!」

俺はレイにツッコんだ。

「え!?そんなこと言ってるの!?」

嬉しそうに言うお姉ちゃん……じゃなくて姉さん!

「カイ〜。照れなくてもいいのに〜。ね?お姉ちゃんって言ってよ〜」

「引っ付くなよ!お姉ちゃ……あ」

みんな姉さんと戯れている俺を見た。

まあ見ている理由は戯れていることではないが。

「えーと……、マスターはどうします?」

俺はマスターに逃げの一手として質問した。

「そうだな。俺は明日忙しいからもう寝る。シスコン」

「はい、分かりました。……ってシスコン!?」

「ツッコむの遅いわよ。自覚があるのねシスコン」

「グウッ……」

レイに言い返せないぞ。

「じゃあ早く行きましょう。混むわよシスコン」

「オイーーーッ!咲まで言うか!?」

俺達は外に出て神社へと向かった。

ちなみにこの間の会話の語尾にはシスコンが必ずついていた。



「並んでるわね〜シスコン」

「姉さんが言うことじゃないでしょ!」

俺は目の前の行列を見ながら姉さんにそうツッコんだ。

「ところでカイシスコン」

「無理にシスコン付けなくていいから!しかも何かパノプチコンみたいだよ!」

俺は俊哉に吠えた。パノプチコンとは……ググっ方が早いぞ。

「あれ、はなびちゃんじゃないシスコン?」

俊哉がこっちに近づいてくる人影を見てそう言った。

「そうだな」

そしてさり気なくシスコンを付けられたがシカトした。

「咲が呼んだのか?」

「そうよシスコン。何か家にいられないらしいわシスコン」

「ああ……またか」

俺は水島家を思い浮かべた。

「またってシスコン?」

咲が疑問符を浮かべたシスコン。

……この語尾移るんですか!?

「いや、まあ……」

言葉にするのは恥ずかしいことなのだが……

「こ、こんばんわ」

案の定はなびは顔が火照っていた。

「まさか……また?」

「そうよ……」

俺とはなびは俯いた。

「だからどうしたのよシスコン?」

「何で語尾がシスコンなの?」

はなびが普通に訊いた。

まあ当然の質問だろうな。

「あ、それはそういう決まりなのシスコン」

「そうなんだシスコン」

「順応性高っ!もう溶け込んでるよ!」

俺ははなびの順応性の高さにツッコミをいれた。

「それでシスコン?」

「あうシスコン……」

こんなときにまで語尾にシスコンを付けるなんて随分強情なんだね!

「俺から説明するとだな……コホン」

全員が俺を注目した。

言うのは恥ずかしいんだが……

「はなびの両親はその……必ず初夜に……その……二人で……す、するんだよ」

「何をシスコン?」

レイが俺に訊く。

絶対分かっているだろ!

「と、俊哉パス!」

「スマン、俺も分からないシスコン。ちゃんと説明してくれシスコン」

と、俊哉まで俺を虐めるのかよ……

「ぜ、絶対分かってるよねみんな!?」

咲は首をかしげた。彼女は本当に分かっていないのかもしれない。

「ね、姉さ〜ん!」

俺は姉さんに助けを求めた。

しかし当の姉さんはいなかった。

「あれ?」

「マイさんなら飲み物を買いに行ったわよシスコン」

「そ、そうか……」

どうやら俺は絶体絶命のピンチのようだ。

「だ、だから……ス」

「えシスコン?」

みんな俺を見ながら訊いてくる。

確かに声が小さいかもしれない。

「だから……ッ……スだよ!」

「本当に聞こえないわカイシスコン」

俺はもうどうにでもなれと思った。

「だからセックスだよ!!……あ」

その瞬間にはなびと咲は顔を真っ赤にし、周りの人たちがこっちを注目した。

しまった……声が大きすぎた。

俺は恥ずかしくて死にそうだった。

「淫語を大声で言うなんて何かのプレイですかシスコン?」

「ナ、ナナちゃん……」

いつのまにかナナちゃんが来ていた。

……ん?

「何で君まで語尾にシスコンが付いてるの!?」

「そういう空気だと一瞬で悟りましたシスコン」

「どういう空気だよ!?」

俺がツッコむ度に周りが俺を見てくる。

何この羞恥プレイ!?

「あれ?オメエは……」

ナナちゃんのお姉さんの睦さんだ。

「確かアタイらに負けた奴……」

ブチッ

俺は急いでレイのほうを見た。

「あ、ああ……」

レイが怒らないように必死に耐えていた。

俺はそれを見て恐怖を感じた。

「あ、えっと……」

「またなアタイに負けた奴」

そう言って睦さんと他の姉弟達は去っていった。

ナナちゃんは残ったが。

「レ、レイ落ち着け」

「私は落ち着いているわシスコン」

文では分からないが、レイは相当怒っている。

意外と負けず嫌いなんだよな、コイツ。

「あシスコン!」

ナナちゃんが大声で叫んだ。

「もう23時59分ですシスコン!」

ナナちゃんが携帯を見てそう言った。

「もうすぐだ!」

俺達は会話を止めて静かにそのときを待った。

……10秒。

……20秒。

なんだかこの1分がかなり長く感じる。

……30秒。いや、どうだろうな?

体内時計なんてアテにはならない。

周りを見てもいつのまにか戻ってきた姉さんを含め、みんな緊張した面持ちで前を見ていた。

そして……

「あ!聞こえました!」

「え?」

ナナちゃんの言葉に俺達は耳を済ませた。

……確かに聞こえる!

「年明けだ!!」

『あけましておめでとう!!』

「あ、あけましておめでとう……」

俺が「年明けだ!」なんて言ったせいで俺だけ一緒に言えなかった。

「今年もよろしくな!」

周りの人たちも口々に挨拶を交わしていた。

そして、行列が前に進み始めた。

で、結局生徒会メンバー全員でお正月を迎えてしまった。

俺達っていつも一緒だな、とか考えたときにふとさや先輩が頭をよぎった。

そういえばさや先輩は……もう生徒会メンバーじゃ無いんだよな……



俺達はこうしてみんなで新年を迎えた。



その中にさや先輩がいなかったのはこれからの出来事の暗示かもしれない。



そして、俺も。



オレモ。


次回予告


次回はスキー編です。

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