第3部 終わりへのプロローグ
第3部スタートです。
あれから武満は夢に出てこなくなった。
少し疑問には感じたものの、それが普通なんだと納得させていた。
……おかしなものだ。
何で俺はこんなにも胸騒ぎが止まらないのか。
学校でもみんなはいつもと変わらずに仕事をしている。
さや先輩は結局名誉会長の席に座って仕事…というか勉強している。別に図書館ですればいいのに。
はなびは会長になって益々後輩に頼りにされている。
本人も率先して雑務をしているので、好感度も上昇中。
ナナちゃんは相変わらずマスコットみたいな存在、と思っていたが、さや先輩を尊敬しているだけあっていつの間にか有能な人材に。
レイは相変わらずパソコンに向き合っている。副会長とはいえ、現在会計が存在していないので仕事の内容は変わっていない。
咲は書記をすることになったが、有能さは相変わらずで、他の仕事を手伝ってくれている。
俊哉はここには来なくなったものの学校をよく見回っている姿を見る。
みんなそれぞれ新たな一歩を踏み出した。
俺?
俺は……
季節は12月に入った。
気温は下がり、日の出ている時間も短く、帰る頃にはもう真っ暗になっていた。
ところどころ雪が降っているらしいが、ここはまだ降っていない。
「ねえみんな。」
さや先輩が口を開いた。
その発言に皆が顔を上げた。
「クリスマス・イヴに予定あるかしら?」
「私は家族といるだけですから。」
ナナちゃんがそう言った。
「私も。」
はなびもそう言った。
「まあ私達は一人暮らしだし。」
「一緒に過ごす相手もいないし。」
レイと咲は顔を見合わせながら言った。
「カイは?」
「俺は……」
えーと、確か何も予定は無かったような……
姉さんもなんかアメリカに帰っているらしいし…
「大丈夫だと思います。」
「じゃあみんなOKなのね。」
さや先輩が確認のためにみんなを見回す。
みんなが頷くのを確認して、次のことを言う。
「私の家でクリスマスパーティしない?」
みんな予想していたのか、特に驚きはしなかった。
「全然OKですよ。」
ナナちゃんの発言を皮切りに皆も賛成の意を述べた。
さや先輩はそれを見て言った。
「じゃあカイ、あなたは俊哉にも伝えておいてね。」
「はい。」
こうして俺達はクリスマスパーティをすることに決めた。
まだこの時、俺は自分の運命を知らずにいた。
まさかあんなことになるとは思わなかった。
結末は誰も知らない。
今、一つの"物語"の最終幕が開かれた。
ネタギレに負けないように。
疲労に負けないように。
眠気に負けないように。
頑張っていきたいですね。