第50話 終わりなき生徒会
第二部最終話!
〜あらすじ〜
選挙期間になった。
俺は生徒会長に立候補させられた。
最初はやる気がなかったが、ひょんなことで意欲を見せ始めた。
そんな選挙の結果は!?
生徒会選挙がもう迫ってきた。
かくいう俺も着々と準備を進めていた。
しかし、大きな問題が出現した・・・
「よう!みっずぅちぃぃばぁっ!」
「・・・」
俺はある日、変質者に話しかけられた。
「おぉまぁっえっ!せんんきょにっ出るんだってぇぇぇっぇ?」
厚巻という名の変質者は俺にそう言ってきた。
「・・・えーと何の用ですか?」
「Oh!よぉっくぞぉ訊いてくれたぁぁぁっっぁぁぁあ!」
うざいぞこいつ。マジでうざい。
「お前のぉぉぉぉ応援団長を引き受けてやるっっっっっっ!」
「いえ、結構です。」
俺はもちろん拒否して立ち去ろうとした。
「待ってくれぇぇぇぇ!!」
なおも俺の肩を掴んで放さない厚巻さん。・・・こいつの力強いな。
「頼むっ!頼むっ!こぉぉぉのぉとおおぉぉりぃぃだぁぁぁぁぁぁ!!」
そう言って土下座して頭を床にぶつけて言う厚巻さん。
周りみんなこっちの方を見てますよ・・・恥ずかしすぎる。
この人と一緒にいるのが。
「分かりました分かりました!」
「何ぃぃぃぃ!?分かってくっれぇぇたぁのぉかぁぁぁぁ!?」
だからいちいち巻き舌になるな。しかもうるせえ。
「よっっっっっっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
奴の雄叫びがこだまする。・・・周りの人たちに迷惑だ。
「お前はぁぁぁぁやればでぇきるっこなんだぁぁぁぁぁぁ!!」
そう言って俺に抱きついてきた。
止めてくれ〜〜〜!!!マジでキモイからキモイから!
俺は無理矢理はがしてその場を後にした。
今考えればそれがいけなかった。
次の日から大声で演説しまくった。
しかも授業あるない関係無しに。放送室もジャックしたし、もうやりたい放題だ。
しかもやりすぎると代表者の俺にとばっちりが来る。マジでありえない。
こんなんで生徒会選挙戦えるか非常に不安だ。
俺は不安を抱えつつも生徒会室に向かうことにした。
ガラガラ
「失礼します。あ、さや先輩。」
「カ、カイね。一体どうしたのかしら?」
何か妙に挙動不審だ。
「あの、まさか応援団長って・・・」
「え?あ、ああ!彼がどうしてもって言うから。」
「あ、厚巻ぃぃぃぃ!!」
さや先輩、よけいなことを・・・あいつじゃウケしか取れねえよ!!
信任じゃなくて笑いしか取れないよ!!
「・・・」
さや先輩は何かぼおっとしていた。
「あの、どうかしたんですか?」
「ええ!?何も無いわよ!!」
「・・・」
いや、怪しいよね。いくらなんでも何も無い人がそんな大声なんてあげられないと思うし。
「・・・コホン。それよりあなた選挙活動は順調?」
何かはぐらかされたような気がするがいいだろう・・・
「・・・まあ普通です。」
嘘です。全然ダメです。
「そう。それならいいのよ。それなら。」
そう言って足早に生徒会室から出て行った。
あれ?俺避けられてる?まさか・・・嫌われたのか!?
・・・
テンション下がるから今は選挙に集中しよう・・・
「蛟刃カイです!僕は学校をさらに住みやすく、さらに盛り上げていくように頑張りたいと思います!皆様の清き一票をどうか!」
俺は放課後までずっと演説し続けていた。
「水島はなびです!みなさん、元気よくいきましょう!!私が生徒会長になったあかつきには・・・テストを無くすように努力します!!」
『うおおおおおおおおおおお!!!』
「いや!それ無理じゃない!?」
周りのみんなが盛り上がっているところ悪いが俺ははなびのラリった発言につっこんだ。
・・・いやさ、俺もテスト無くなったら嬉しいけどさ、現実的に不可能じゃない?
「やろうと思えば出来るんです!みんなやれば出来るんです!」
「それバカの発言だよね!?」
「みなさん頑張って忌々しいテストを無くしてみましょう!!」
『うおおおおおおおおおおお!!!』
俺の言うことなんか聞いていない。
でも完全に掴みを取っている。
「で、何か言った?」
今更俺に話しかけてきた。壇上で。
「今更!?ていうかテストどうやって無くすの!?」
「そんなの頑張って無くすに決まってるじゃない!」
「いや、アバウトすぎだよね!?」
俺はみんなが見ているにも関わらずツッコミまくった。
「人間やろうと思えば何だって出来るのよ!舞〇術とか!」
「お前、空飛べるの!?天〇飯に感謝だね!」
「いや、まだ練習中だから・・・」
「練習してんのかよ!」
そっちのほうが俺は驚きですぜい。
「そんなこと言って・・・アンタは何か明確な目標あるの!?」
「えーと・・・そうそう!俺を虐めるの禁止!とか?」
「・・・」
すまん。何も思いつかなかったんだ。だからそんな白い目で俺を見ないでくれ・・・
『あはははは!!!』
あれ?何か周りみんな爆笑してるぞ?
「えー夫婦漫才組んでM-1出るか?」
俺はさらっと冗談を言った。
「め、めめっめめめめ夫婦!?」
「は?」
何かいきなり顔真っ赤にしてるけど・・・まさか俺と漫才するのは嫌なのか!
「すまん!お前はピン芸人目指してるんだな!」
「は?」
あれ?何か違うか?漫才がいやならピンしかなくないか?
「アンタは・・・」
何か肩をワナワナ震わせたはなび。すみません、俺、嫌な予感しかしません。
「死ねっ!!」
ゲシッ!
「ひでぶっ!!!」
俺は吹っ飛んだ。しかし周りのみんな笑ってるから良いか・・・恐るべし芸人魂。
「うわあ!そんなこんなで今日もう投票日じゃないか!」
俺は朝起きて早々絶叫した。
・・・そうだ。今日ぐらいははなびの奴を起こさなくても・・・
ふふふ。選挙日に遅刻なんて恥ずかしい真似をはなびにさせれば・・・ククク。
いかんいかん、つい黒い考えが。
そして俺は今日はそうするかと考えながらいつものようにはなびを起こして一緒に登校した。
・・・
・・・・・
あれ?俺何やってるんだ?
はなびを普通に起こしているし、隣には普通にはなびが眠そうな顔で歩いていますよ。
・・・このお人好し。
「どうしたの?」
「俺の体の半分はバファリンかも・・・」
「は?」
・・・ということは俺の4分の1は優しさで出来ているのか!
「そういえば今日が選挙日だったわね。」
今更思うな。というか俺も朝起きて気がついたけど。
「恨みっこ無しだからね。」
「ああ。」
とは言ってみたものの俺の勝利の可能性は限りなく低いのでは無いか?
俺のマニフェスト微妙だし、目立たないし、応援団長が厚巻だし。
そうしていつものように登校した。
「ま、2人とも頑張れよ。」
「健闘を祈るわ。カイ、まあ相手が悪かったと思えば大丈夫よ。」
「俺負けるの確定ですかレイさん。」
俊哉の応援はいいとしてレイは俺をすでに慰めてる。
「まあ骨は拾ってあげますから。」
「また俺の死亡フラグ!?」
「今ここで骨にしてあげてもいいんですが・・・」
「ちょっと!出来るかどうか兎も角それは止めて!」
必死にナナちゃんを止める俺。
「はなび、頑張ってね。まあカイも。」
「俺はついでですか・・・」
咲も一応応援しているが、ついでだ。
・・・いや、応援のフリか。咲は俺のこと嫌いだし。
「じゃあ行ってくるわ。」
「ああ。頑張れはなび。」
そう俺が言ってはなびは去った。
が、すぐに戻ってきた。
「アンタもでしょ!」
「わわ!」
すぐにバレて俺ははなびに引き摺られながら舞台の裏手に入った。
「ではこれより、生徒会選挙の開票の結果をお伝えいたします!進行役は私、初島美空と。」
「瀬川ゆうで〜す。」
パチパチパチ・・・
へえあの2人が進行役か。何か変わった組み合わせだな。
でも良かった。厚巻じゃなくて。
「まずは生徒会副会長候補の2人から、どうぞ!」
そう言ってレイとナナちゃんが舞台に立った。平然そうなレイに反してナナちゃんはかなり緊張している。
「じゃあまずは一言お願いできますか?」
そうマイクをレイに渡した。
「・・・特に無いわ。」
ええ!?ここにきてそれって無くない!?
「え?ま、まあいいでしょう。さすがは私の天敵。」
勝手に瀬川先輩の天敵にされてしまったレイ。
「・・・誰?」
「クッ・・・ここで怒ったらダメよゆう!」
というかレイに完全に忘れられたようだ。可哀想に。少し瀬川先輩に同情した。
「じゃあナナさん何かありますか?」
「ふぇ!?」
オイオイ・・・大丈夫ですか?
「あ、あい!え、えーと・・・しぇ、しぇい一杯頑張ったのでく悔いはありましぇん!」
か、噛みすぎた〜!
しかし会場の反応は暖かかった。
『か、可愛い!!!!!!!』
何か野太い声の中に黄色い声も混じっていますよ。
「ではそろそろ結果を開示しましょう!まずはレイさん!」
・・・
信任730
不信任71
「よって当選!!」
パチパチパチ!!!
周りは拍手喝采だった。
まあレイだから当然か。
「では次はナナさん!」
・・・
信任363
あれ?全部で801だからまさか落選!?
「うう・・・」
ああ!ナナちゃんが泣きそうだ!!
不信任61
「はあ!?」
『えええええええええ!?』
意味不明。
何で数が合わないのさ。
「あ、実はですね、変なのがありまして・・・」
可愛い!377
「オイッーーーー!!何それ!?」
舞台裏だけどつい大声を出してしまう俺。信任より可愛い!が多いのおかしくね!?
「えーと・・・じゃ、じゃあ当選ってことで。」
パチパチパチ!
・・・無効投票じゃないんだ・・・可愛いってOKなんだ・・・
いやまあナナちゃん喜んでるみたいだからいいけどさ。
「2人ともおめでとうございまーす!」
パチパチパチ!!!!
いやあ良かった。本当に良かった。
「次はお待ちかねの生徒会長争い!夫婦対決の結果は!?」
「「誰が夫婦だ!」」
「おう。息ぴったりだな。」
「そのやりとり三回目だよ!」
参照しよう。最初は第1話、次は・・・まあ全話見れば分かるんじゃない?
そんな俺とはなびと俊哉のやりとりを終えて俺達二人が舞台に上がった。
「じゃまず新婦さん何か一言。」
「え、えーと・・・」
はなびは何故か新婦を否定しない。いや、否定しろよ。
「私達は1年間精一杯やってきました。だからこれはその私の努力の結果です。だから悔いはありません!」
「は、はなび、かっこいい!」
「ええ!?」
あ、つい口に出てしまった。
ヒューヒュー
う・・・やはりからかわれた。
しかも何かさや先輩が俺のことを睨んでいるし。あれ?俺睨まれるの初めてじゃない?
「じゃあ新郎のカイさん。どうぞ。」
今度は俺の番だ。・・・ん?新郎?・・・もういいや。勝手に呼ばせとこう。
「えー俺「みぃぃずっぅぅぅちぃぃばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!お前ならやれぇぇぇぇぇぇぇぇぇるぅぅぅぅぅぅ!!」」
あ、厚巻ぃぃぃぃ!!邪魔すんじゃねーーーーー!!
『アハハハハハ!!!!』
みんなに笑われてんじゃねえか!何でしかも俺が恥じ掻かなくちゃいけない!?
「・・・」
「頑張れぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇっぇ!」
しかも空気も読んでいない。
「えーと、生徒会は俺の人生を変えてくれました。俺にとって生徒会はかけがえのないものです。だから俺はここまでやってこれたんです。どんな結果になっても俺は生徒会の一員として胸を張りたいです!」
パチパチパチパチ!!!!
うお!?何て拍手の数だ!俺、生まれて始めてこんなに拍手されたよ。
本当・・・この学校いいな。
「では結果発表・・・」
瀬川先輩がもったいぶる。
「はなびさん・・・400!!」
400!?・・・ということは・・・俺の勝ちか!!
いや、待つんだ。さっきのナナちゃんのように何かあるかも知れない・・・
俺は隣のはなびをちらりと見たが、はなびもそう思っているのか、落ち着いている。
「カイさん・・・」
とうとう俺か・・・何とかここまでやってこれたんだ。結果が気になる。
「400!!」
「ど、同点・・・」
「ええ!?」
『うおおおおお!!』
まさか同点だとは・・・あれ?何かおかしくない?
無効票1票か?
「えーとこんな結果になってしまったのには訳があります。」
「まさか情報操作!?」
「違うわよ!」
どうやら情報操作は俺の勘違いらしい。瀬川先輩が律儀にも返してくれた。
「生徒会長からどうぞ。」
「へ?」
そうしてさや先輩が壇上に立った。
「一票だけ大沢と書いてあったので無効にさせていただきました。」
ん?大沢?誰それ?※厚巻です。(自らに投票)
「まさかこんなバカが・・・いえ、こうなることになるとは思っていませんでした。これより・・・会長権を行使します!」
「か、会長権!?」
会長権・・・あ、確かこういう状況のときは現在の生徒会長が独断で決められる、とかいう権利だったような・・・
でもその分リスクも大きい。何せ自分一人の決定が運命を左右するのだから。
というかさや先輩本性見えてますよ。
「私が次期会長を選出します!」
「マジかよ・・・」
俺とはなびは緊張してその瞬間を待った。
さや先輩は投票用紙を持ったまま俺達に近づいてきた。
この用紙が渡されたほうが会長になる。
そしてとうとう俺達の前にやって来た。
「はなび、あなたは献身的に学校中を駆け回っていろんなところに助っ人に行ってくれたわね。」
はなびにまずそう言うさや先輩。そして今度は俺の方を向いた。
「カイ、あなたは私の押し付けた雑用もちゃんとやって、遅くまでも残って仕事してくれたわね。」
俺に今度はそう言った。
「だから私の選ぶ答えは・・・」
さや先輩が投票用紙を自分の前に持ってきた。
俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
そのゴクリという音が聞こえるくらい周りは静かだった。
「こうよ。」
ビリビリ
「えええ!!!」
あろうことかさや先輩は用紙を破きはじめた。
「な、何?」
周りのみんなも混乱している。
いや、どうして破ったんだ?・・・まさか2人ともふさわしくないのでは!?
「はい。」
「「え?」」
何か半分の投票用紙が俺達に差し出された。
「私の選択はあなたたち二人で生徒会長。」
「え・・・エエエエエエえエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエええええええええええええええ!?」
俺もはなびも今世紀最大の驚きを上げた。
だってこんなこと聞いたこと無いぞ?
「私はね、かなり迷ったの。最後までどっちにするか・・・それでね優柔不断かもしれないけど選べなかったわ。だって2人とも・・・よくここまで成長したわね・・・・グスン・・・」
さや先輩が泣き始めた。
それと同時に周りは静かに俺達を見ていた。
「本当に・・・ありがとう。」
さや先輩は涙を見せながら俺達二人を抱きしめた。
「さ、さや先輩ぃぃぃ・・・」
はなびも泣き始めた。
俺は・・・お、男は恥ずかしくて泣けねえよ畜生!グスン。
と言いつつ目に涙を溜めてしまった。
そして俺とはなびは2人で会長になってしまった。まさに前代未聞。
そしてその日の放課後・・・
「これで私はとうとう引退ね・・・」
さや先輩がしみじみと呟いた。そうか・・・もう引退だからここに来れないのか・・・
「でも頼りになる後輩がいてもう安心ね。」
「いや・・・まあ・・・」
俺とはなびは照れた。そしてさや先輩は荷物をもうまとめたようだ。
「じゃあ、後は頼んだわよ。」
『ありがとうございました!!』
俺達はみんな頭を下げてさや先輩を見送った。
そしてさや先輩は出て行った。
「・・・やっぱり寂しいですね。」
ナナちゃんがそう呟いた。
「そうね。なんだかんだいってあの人がいないと落ち着かないわ。」
コラコラ。さや先輩をあの人呼ばわりするなレイ。
「まあ結局すごい人だったし・・・」
咲もなんだかんだ言いつつさや先輩のことを認めた。
「寂しくなるのは確かだな。」
俊哉も珍しくしみじみと言った。
しかしその俊哉も新風紀委員長になったので明日からは来ない。
・・・やっぱり寂しくなるな。
「・・・頑張らないと。さや先輩の分まで!」
はなびは決意を改めてした。
「そうだな・・・今度は俺達で生徒会を盛り上げるんだ!」
俺の発言に皆が頷いた。こんなとこでうじうじしても仕方がない!
俺達の心が一つになった瞬間だった・・・
次の日の朝、俺達は新生生徒会の初日だからみんなで一緒に生徒会室にはいることにした。
ところが・・・
「あれ?鍵が開いてますよ?」
ナナちゃんが不審そうに言った。
「まさか・・・泥棒!?」
俺達は急いでドアを開けて中に入った。
「あれ?さや先輩?」
「あ、みんなおはよう。」
どうしてさや先輩がいるんだ?しかも何かやってるし。
「何してるんですか?」
俺はさや先輩に訊いてみた。
「名誉会長席作っているの。」
『はあ!?』
「はい、完成。これで私の席も完成したからここに入れるわね。」
え・・・まさかまだ来るの?
「えーと、引退したんですよね?」
「そうよ。生徒会長は。これからは私名誉会長だから。」
『ええええええええええええええエエエエエエエエエエ絵エエエエエエエエエエエ絵エエエエエエえええええええええええええええええええええええええ!?」
今世紀最大の驚きは速攻で更新されました。
「え?まさか・・・迷惑?」
さや先輩は少し寂しそうにそう訊いてきた。
「くっ・・・嬉しいにきまってるでしょうコノヤロー!!!!」
俺達はそう言ってさや先輩の方へ駆けて行った。
狭い部屋なのに。
俺達の生徒会はまだ続いていく・・・
「マイ。これでいいか?」
私は父に武満と皇家の関係についての確認をした。
「そうですね。」
聞いた話によれば武満は私達の先祖に裏切られたらしい。
そりゃあ恨むのは当然だ。
「で、これで全部ですか?」
「全部じゃない。」
え!?まだ何かあるの!?
「このことは誰も知らない。当主になった人間しか知らない・・・下手すると当主になっても知らないものがある。」
「それは!?」
私は驚いた。え?まさかまだ皇家に秘密なんて・・・
「・・・武満も知らない事実だ。教えろ、といっても無駄だ。これは当主の人間のみしか知ってはいけないからな。」
「それは・・・私に早く当主になれと?」
父は私に当主になれとよく言う。
しかし、私の目的は当主になることじゃない。
「・・・さあな。」
「分かりました。考えてはおきます。」
私は退室した。
・・・さて私はこれからどう動くか・・・
そして皇家の秘密って何だろう?
私の頭は混乱していた。
らしくない。
少し冷やそう・・・
この物語もまだ続いていく・・・
第2部<終>
第二部終了です。
読者の皆様、ここまで付き合っていただき、有り難うございました。
第三部はしばらくお待ちください。
予定として冬休み、正月、バレンタイン編をやる予定です。
そして皇家のトップシークレットも明らかになります。
つまり、最終部になると思います。
期待しないで待っていてください。
それではまた。