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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第二部 激動
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第43話 喪失の生徒会

過去編まだ続きます。

〜あらすじ〜

俺は咲と付き合い始めた。

しかし咲は家庭の事情でアメリカへ留学しに行ってしまう。

そして咲のいない生活がスタートした。

咲と別れて2ヶ月が経った。


俺とはなびは特に何も変わらなかった。

ただ、やはり寂しさは感じていた。

俺は手紙のやり取りをして関係を保っていた。

でもやはりぬくもりを感じられないのは寂しかった。



「昨日咲から手紙来たんだよ〜。」

はなびが嬉しそうに俺に言った。

でも俺も実は貰っている。

「へえ。俺もだよ。」

「向こうで元気にしてるらしいから良かった〜。」

はなびの心配はまた男の子に虐められないかどうかだ。

それは俺も心配だ。

もし虐められてたら俺、そいつぶん殴りに行きたい。

「それでお前テスト大丈夫か?」

俺はそれよりこの前のテストのはなびの点数の方が心配だったりする。

「よけいなお世話よ!」

ゴスッ!

「痛っ!」

何でか俺によく暴力を振るうようになったのもこの頃だ。



俺は家に帰って手紙を読み直した。


カイへ


元気にしてますか?

私はアメリカで元気にしています。

カイのくれたお守りのおかげかもしれません。

私はもう友達も何人か出来て学校生活も楽しくなりました。

でもやっぱりカイとはなびがいないと寂しいです。

はなびの元気は私にも分けられるから。

・・・ゴメンね。はなびの話ばっかで。

でも私早くカイに会いたい。

カイも寂しい?

私はすごくやっぱり寂しい。

だってカイ以外の男の子みんな怖いから。

私に優しいのはカイだけなんだもん。

カイのぬくもりを感じたい・・・

・・・結構恥ずかしいね。これ書くの。

私、頑張るから。

それまで待ってて。



・・・

うわあ・・・メッチャ恥ずかしいけどメッチャ嬉しい・・・

このときの俺は多分咲にベタ惚れだったな。

本当に、咲は可愛かった。・・・今も可愛いけど。

俺はその手紙を自分の机の奥にしまい込んだ。

はなびには見せちゃダメなんだよな・・・約束だし。



しかし俺ははなびに手紙見せて!としつこく迫られたんだ。

アイツはなんか俺の全て知らないときが済まないらしい。

だからはなびに失くしちゃった、と言ってしまった。

今考えたらこの言葉は咲を悲しませるきっかけになったのだろう。



俺は姉さんと久しぶり出かけていた時のこと。

「姉さんまだ買うの?」

「そうよ。悪い?」

姉さんはいつも俺に荷物を持たせた。今姉さんは大学3年生だ。トップレベルの大学の薬学部に通っている。

そんな優秀な姉さんに両親は期待を寄せ続けている。

羨ましい・・・とはもう何回も思った。

でもこれは自分が選んだ道だから仕方がない。だから俺はそれで満足だった。

「はぁ・・・人使いが荒い・・・」

「何かしら?」

「何でもありません。」

俺は姉さんの言うことを聞かないことはなかった。

・・・俺、シスコンだから姉さんと一緒にいるのが好きだったから。

そうして俺は咲のいない中学2年をそう過ごしていた。



とある日、手紙がまたやって来た。

もちろん咲からだ。

俺と咲は携帯電話を持っていないし、パソコンメールの仕方も分からなかったので未だに文通だった。


カイへ

少し不安です。

何か寂しくて寂しくて不安です。

カイは不安?

私は確かにアメリカでの生活は楽しいのだけれど時々どうしようもなく不安になる。

・・・

あの・・・聞きにくいんだけど・・・

はなびから聞いた話、私の手紙をなくしちゃったって本当?

本当だったらゴメンって送って欲しかったんだけど。

・・・そう、こんな些細なことで不安になっちゃうんだよ、私。

迷惑?

迷惑だったらもう手紙そんなに送らないから、私のこと嫌いにならないで。

嫌いになっちゃったらもう私・・・

今も私はあなたのことが大好きです。



P.S

私のことが好きならすぐに手紙を何でもいいから返してください。

お願い・・・


・・・咲はやっぱり不安なのか。

ていうかはなびの奴・・・余計な事を書きやがって・・・

まあはなびのこと悪く言ってもしょうがない。

俺は急いで手紙を書いた。

だが、このとき俺は気づかなかった・・・手紙の返信に重大なミスをしてしまったことを・・・

あまりにも急ぎすぎて住所を間違えてしまった。

しかも実際にある住所。

本当だったら俺に送り返すのだが、面倒くさかったのか、送り返してこなかったのだ。

だから俺は咲に手紙を返したと思い、咲は中々来ない手紙に不安を抱えた。そんな状態になってしまった。

今の俺達は歯車が噛み合っていなかった。

まあこんな事実俺は知らなかったわけだけど。

結局最後までわからずじまい。

もちろん咲のことは俺も好きだった・・・



そんなこんなで9月になった。

あれほど来ていた大量の手紙がピタッと止んで俺は不安になったが、このとき俺はそれどころじゃなかった。

皇家の前当主、俺の祖父が亡くなった。

実際あんまり見たことないのだが、一応直系の俺は忙しくなってしまったのだ。

そんなある日、俺のトラウマとなる事件が起こった。



俺は姉さんと一緒に歩いていた。

このときは買い物とかそんな明るいことではなくて、家の用事だった。

俺と姉さんが別れた時、事件が起こった。

姉さんが公園で不良達に絡まれていた。俺はたまたま家に忘れ物をしていたので取りに行っていたので気がついた。

そう、これが俺と外村の出会い。

「止めて下さい!」

「いいじゃねえか。男もいないんだろう?」

俺はその光景を見てすぐにその場に駆けつけた。

「姉さん!!」

「あん?」

不良たちがこっちを向く。

「オイ。情報と違えぞ。」

不良たちはこそこそとなんか話し合っている。

情報?何のことだ?

「まあいい。お前がいても我慢してやる。」

「!!」

何を我慢するのか俺にはよく分からなかったが、姉さんには手を出されたくなかった。

「止めろ!」

俺は不良達に抑えられながらも叫び続けた。

「カイ!大丈夫だから・・・私は大丈夫だから・・・」

姉さんは震えるように言う。

何が大丈夫なんだよ!全然大丈夫じゃないじゃないか!

俺はこの姉さんの静止が意味するものを知らなかった。

「お前ら〜〜〜!!!」

外村は地元じゃ結構有名な不良で俺より2つ年上。

でもここら辺で一番有名なのは「春木の狂犬」と呼ばれている男だ。

このとき俺はそいつの本名を知らなかった。

それは兎も角、俺は不良達に叫びながら突っ走った。

「ああ!?」

俺は喧嘩の経験なんて小2でしかない。

でも俺は自分がこのとき勝ったので慢心していた。

そう、外村は俺が思っていたより強かった。

不良達は姉さんをほおって俺をサンドバッグにした。

姉さんは縛られてて逃げられなかった。

「グウッ・・・」

俺はあまりにも馬鹿だった。世の中を知らなさ過ぎた。

結局俺は意識がなくなりそうになった・・・そんな時たまたま不良の一人に拳を浴びせることができた。

そう、このときだ俺の頭の中が沸騰したのは。

俺が俺で無くなるこの感覚。

とにかく血が見たい。苦しむ姿が見たい。もっと苦しめよ・・・

俺の頭はそんなことに支配された。

こうして俺は人が変わったように狂いながら殴り続けた。

・・・

そう、何発も、何十発も、何百発も・・・

俺は倒れなかった。痛みは全然感じない。

俺は不良共が逃げるまでとにかく殴った。

そんな俺を姉さんが見ているのに気づかずに・・・



そして結局公園には俺と姉さんだけになった。

姉さんは俺を怯えた目で見つめる。こんな目をしてほしくなかった・・・

でも俺は何故かまだ暴れ足りなかったのか、とんでもないことをする。

俺は姉さんの服を思い切り脱がした。

「キャッ!カ、カイ!目を覚まして!」

「・・・」

俺はこのとき姉さんを犯そうとしていた・・・俺の意思とは関係無しに。

姉さんは必死に抵抗するがあいにく縛られていてロクに動けない。

俺はそのまま下着も脱がそうとしたとき、

姉さんと目が合った。

俺の頭はこのときすごく割れそうだった。

「う・・・」

俺はそんな姉さんの瞳を見たくなくて逃げるように立ち去ったのだ。

俺はこのとき、姉さんを失った。



「ここまでがカイの事件のこと。」

私はマイさんが話したカイの過去を静かに聴いた。

「カイは私を傷つけたと思っていたのでしょう、あれ以降家に帰ってこなかったわ。」

カイは自分ひとりで何かを抱え込んでしまう・・・まあ私が今は一緒に背負ってあげられたけど、このときは多分その術を知らなかったのだと思う。

「それでカイの隠れた人格って・・・」

私はマイさんに訊いてみたが、マイさんは首を横に振った。

「それは良く分からないの。元々そんな強くなかったんだけど。」

私はそこで皇家の秘密を聞いた。

どうやら皇家は代々それに悩まされ続けたらしい。

「何で私にそれを話したんですか?」

私は疑問だ。そんなシークレット情報が公になったら・・・

「私はあなたを信頼しているわ。だってカイが信頼しているもの。」

カイが・・・。私は結構嬉しかった。

「カイに人格が移ってからいつもよりその人格が強いの。父の代はそんなに強くなかったし。突然なの。」

「それは多分カイの優しい心が影響しているんじゃないかしら?」

「・・・そうかもしれないわ。やっぱりあなたってカイのことよく分かっているみたい・・・」

マイさんは複雑そうだ。それはそうだろう。やはり弟のことは誰よりも理解したい姉の心情だ。

私だってカズ先輩に姉さんを取られたとき少し嫉妬した。

「でもあなたならカイを助けられる。」

マイさんは私にそう告げた。

「どういうこと?」

「今のカイは完全に現実から逃避しているわ。」

・・・カイは優しい。多分自分がいるとみんなに迷惑がかかると思ったのだろう。

「私が・・・」

「だって1度カイを立ち直らせたあなたなら出来る。カイのこと・・・好きでしょう?」

「はい。」

私は大きく頷いた。私がカイを好きだったのは最初からだ。多分今より全然前から好きだった。

みんなに遠慮して一歩前へ踏み出せなかった自分・・・

その一歩を今踏み出すときなのかもしれない。



そして私はカイを立ち直らせたことを回想した・・・



あの日、私は一人の少年と出会った・・・



その日を・・・






次回は俊哉との出会いです。

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