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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第二部 激動
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第42話 初恋な生徒会

過去編まだ続きます。

〜あらすじ〜

俺は過去を思い出していた。

俺がはなびや咲と出会ったことなどを・・・

そして俺は小学校の最後、咲と恋人になった。

俺は中学に上がる前の2月、咲と付き合い始めた。

咲は俺にしか見せない顔なども見せてくれて俺達は充実していた。

はなびに内緒で付き合っていたのではなびの前でそんな素振りは全く見せないけど。

まあそんなこんなで小学校の卒業式を迎えた。

「卒業生代表、美作咲。」

やっぱり咲が新入生代表だ。もう家柄よし、頭よし、容姿よしの完璧お嬢様。

そんな人と付き合っている俺はなんだか鼻が高い。


ちなみに俺の親は卒業式に来なかった。

だってもうすでに俺への興味ないしね彼ら。

まあ特に寂しくはなかった。家政婦さんと姉さんがいるし。

それより新しい暮らしへと期待を膨らませていたのもある。

そして卒業式が終わり、俺達は桜の木の前に集まって写真を撮った。

「ハイ、チーズ。」

カシャッ

はなびの両親が撮ってくれている。

ちなみに咲の父親もその光景を微笑ましく見ている。

はっきり言って奉廉おじさんはいい人だった。

お母さんは見たことないが、おじさんの方は俺達によくしてくれている。

「カイ君、ちょっといいかな?」

おじさんは最後に俺一人を呼んだ。

「何ですか?」

俺とおじさんは向かい合った。

「咲と付き合っているそうだね。」

「あ、はい!」

つい返事が大きくなってしまった。

何か付き合っててまずいのかな?俺はそんなことを考えていた。

「はっきり言って君は私から見てとても優秀な人間に見える。だからこそ、だ。咲をよろしく頼みます。」

「あ・・・はい!!」

俺はこうして親公認の仲になった。

今考えればこのときの俺は幸せ絶頂期だったんだな。

「うむ。ありがとう。」

奉廉おじさんは忙しくてあまり娘を構ってやれなかったことを悔いていた。

だから俺に託したのだろう。

ありがとう、と言った時のおじさんの表情はどちらかと言うと明るくて安心した。


そして皆の元に戻った俺。

「カイ!何か変なこと言われなかった?」

「大丈夫だよ。」

咲が俺に駆け寄って心配してくれた。

「何で2人でいちゃついてんのよ〜!エイッ!」

はなびが俺の片腕に抱き着いてきた。

「お、おい!何してるんだよ!」

「う〜〜〜・・・」

咲はジト目で俺を睨んでくるしな。

「私もいちゃつくの!」

「ダメ〜〜〜!!」

何か2人が一歩も譲らないにらみ合いへと発展しちゃったよ・・・

俺はおろおろしていたが・・・

「プッ!」

「あははは。」

どちらも同時に笑った。

え?何で?俺は時々2人が分からなくなる。

「カイなんてほおって私といちゃつこうよ!」

「うん!」

「え、ええ〜〜〜〜!?」

俺は訳わかんない顔で抱き合ってる2人を見た。

・・・でもこの二人本当に仲がいいな。

俺ははなびに多少嫉妬したがすぐに微笑ましい光景だと思うようになった。



「じゃあね〜。」

俺と咲ははなびと別れた。

そしてはなびと別れて俺が今度は別れる番になった。

「ねえ。恋人同士のさようならって知ってる?」

「え?何それ?普通にさようならって言うんじゃないの?」

すると咲は首を横に振った。

「こうするのよ。」

咲が俺の唇に自分の唇を重ねてきた。

「ん・・・」

え?俺まさかキスされてる・・・?

「ぷはっ!」

共に息苦しくなって唇を離した。結構苦しかったんですけど・・・

「じゃ、じゃあね!!」

そうして咲が照れながら走って帰っていった。

・・・俺、今のファーストキスだ。

そう考えるとすごい恥ずかしい。でも嬉しい気持ちも普通にあった。

俺はその日、ずっと浮かれっぱなしだった。



・・・

そして俺は中学生になった。

初めての制服は・・・ぶかぶかだった。

俺のこのときの身長は150ぐらいではなびは145、咲は130位だったかな?

だから将来を見越しての大きさだったのだろう、かなりデカい。

「似合ってる似合ってる!!」

姉さんがベタ褒めしてくれた。俺はまあ恥ずかしかったけど・・・

「カイおはよう!」

朝は毎回はなびと登校した。咲は残念ながら時間の関係上俺達よりも早く家に出ないといけない。

・・・

お、そういえばこのときはなびのおばさんにはなびを起こして?と頼まれたのだった。

だからこれからははなびが来るんじゃなくて、俺が行くことになった。

俺達はクラス発表を見に行った。

まあ何故かはなびと一緒だった。しかもクラス替えがないので3年間も。

このときはよかったと思ったが、今考えたらこれが苦痛になるとは思いもしなかった。

そして入学式が終わって俺達は一緒に帰った。

「ねえ・・・カイって好きな人いる?」

「え!?」

何故か俺にそんな質問をしたはなび。

まあ咲と付き合っているけど・・・なんて言えないのでいない、と言っておいた。

「そっか。」

はなびは嬉しそうだ。

やっぱり俺と咲の関係は言わない方がいいな。何でか知らないけどはなびが喜んでいるし。

こうして登下校をいつも共にした。



「ねえ、寂しくない?」

俺と咲はいつも秘密に会っていた。

所謂密会。

「そりゃあ寂しいよ。」

俺は咲に私と中々会えなくて寂しいか訊かれた。

「そうなんだ。フフフ・・・チュッ。」

俺は毎回のように会ってはキスされた。・・・頬だけど。

「はなびと一緒に登下校してるんでしょ?」

「そうだよ。」

「・・・何だか妬いちゃうよね。」

俺はこのときの咲の嫉妬に実は気づかなかった。だから1度だけ咲に怒鳴られたことがある。


「私よりはなびの方が好きなの!?」

このときの咲は後から聞いた話だがイライラしていてつい俺に八つ当たりしてしまったらしい。

まあ正直怖かった。

普段怒らない人が怒るのは結構怖いし。

俺はこのとき初めて咲と喧嘩したのだろう・・・

でもまた先に折れたのは俺だった。

俺が謝りに行こうと家の門を開けようとしたとき、たまたま俺の家のインターホンを押そうとした咲と会った。

・・・確かあまりにも唐突過ぎて両者驚いていた。

「え・・・と。どうしたの?」

一応俺はレディースファーストと言うことで咲からどうぞ、と言った。

「いや、カイからで・・・」

「咲からでいいよ。」

「いや、カイからでいいから。」

『・・・アハハハ!』

俺達はそんな自分達に笑いが同時に込み上げて来た。

あまりにも自分達がしたことが馬鹿馬鹿しかった。

俺と咲は簡単に仲直りした。



しかし俺と咲の幸せは中学1年の2月のバレンタインまでだった。

「え・・・?今なんて・・・?」

「私、中学2年から留学するの・・・」

俺は咲の発言を信じられなかった。

「反対したんだけど・・・お父様が海外へどうしても行かないといけないの・・・だから私も留学させるって・・・」

咲が悲しそうに目を伏せた。

俺も悲しかった。

「・・・そうなのか・・・」

「・・・寂しい?」

「当然だろ!」

俺は咲に即座に言い返した。

「ふふ。嬉しい。」

そう言って俺の唇にキスしてきた咲。

正直咲はキス魔だ。もう何回したんだろう?

まあ所詮キス止まりだけど。

俺達は飽きるまでキスし続けた・・・



「え〜〜〜!!」

咲の留学話ははなびにも衝撃を与えた。

咲は向こうの大学を卒業するまでこっちに戻って来れないらしい。

まあおじさんも何考えているのかよく分からない・・・でも俺には頭を下げ続けたけど。

まあ悪いとは思っているらしい。

「ごめんねはなび。」

咲が申し訳なさそうにする。

「ううん!謝んないでよ!もっと寂しくなっちゃうじゃない!う、うう・・・」

泣きそうになるはなび。

「こらこら泣くなよ。もう一生会えないわけじゃないんだから。」

「う、うん・・・でも・・・」

はなびはボロボロと泣いてしまった。

「あ・・・えーと・・・」

咲も困っている。

「咲!頑張って!何事にも負けちゃダメよ!」

「はなび・・・うん!私、頑張るから!」

咲はそう大きく頷いた。俺も咲にエールを送った。

「咲・・・頑張れ。俺達、待ってるから。」

「うん!約束だよ!」

咲はこうしてアメリカへと飛び立っていった。

このときの俺は自分の運命に気づいていないからこんなこと言えたのだろうな。



この日が俺と咲の別れの日となった。

遠距離恋愛でも心は繋がってると俺はそう思ったのだ・・・



このときは。



俺が全てを失うまで、あと約6ヶ月のことだった。



補足

はなびとマイは結構仲良かったですが、咲とマイはそこまででもありません。


はなびはこのときすでにカイに恋愛感情を持っています。


ショート劇場

咲「・・・」

カイ「・・・」

咲「(恥ずかしいなあもう・・・)」

カイ「(う・・・この空気やばい・・・)」


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