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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第二部 激動
51/104

第40話 宵闇の生徒会

超シリアス・・・というかダークかもしれません。

仮題は真実と逃走と。

〜あらすじ〜

俺の体の異変に疑問を覚えた俺。

そんな俺にある男から電話がかかってくる。

・・・因縁の相手、外村だった。

俺はとにかく走った。

もう迷うことはない。

俺は絶対にさや先輩を守る!

そう心に誓ったんだ。



疾走して数分、俺は公園の入り口に到着した。

しかし外村たちが見つからなかった。

普通は周りに見られたくないから、奥のほうにいるのだろうな、と俺は歩みを進めた。

そして公園の奥には何人かのギャラリーとぐったりしているさや先輩がいた。

「おい!さや先輩に手は出していないんだろうな!?」

俺はそれを見た瞬間頭に血が上った。

「ヒャハハ・・・やっと来たか。待ちくたびれたぜ。」

外村が振り向いてヘラヘラした笑みを浮かべていた。

「オイ!質問に答えろって言ってんだよ!」

ゴスッ!

「グアッ!!」

突然後ろから殴られた。仲間が後ろにいたのに気づかなかった・・・

「口の利き方には気をつけろ!俺とお前の今の立場、分かってるのか?」

そう言って俺に近づいて蹲った俺に蹴りを入れた。

「ぐ・・・!!」

「ハハハ!!ザマぁねえなぁ?」

「・・・何が望みなんだよ・・・俺が目的なら先輩を放せよ!」

俺はどうなってもいいがさや先輩だけは守らないといけない。

「この女・・・お前の彼女か?ずいぶん美人だよなあ・・・」

「違う!l

俺は力いっぱい否定する。付け込まれるとまずい。

「そうか?でも俺知ってるんだぜ。お前、人を殴れないんだろ?ハハハハハ!!!」

何でこいつがそんなことを知っているんだ・・・

「そしてもう一つ知ってるぜ。お前は自分よりも他人が傷つくことが嫌いってことをな!!」

そう言って外村がさや先輩に近づいていった。

「待て!」

ゴスッ!!

「グアッ!!」

俺はまた誰かに蹴られた。

「そこでおとなしくしていろ。この女を犯るだけ犯って殺してやるのを見せてやるよ。ヒャッハッハッハ!!!」

こいつもう目が狂ってる・・・何を言ってもう無駄か。

そうして俺が蹲っているうちに外村がさらに近づく。

さや先輩はスタンガンでも撃たれたのか、気絶したまま起きない。

「放せよ!」

俺は他の奴らに取り押さえられてて身動きが出来ない。

「そこでおとなしくしていろ、よ。」

最後にそう振り返って俺に言う。

そして外村はさや先輩の体に触れた。

・・・・!!

俺の頭が沸騰する。

体の中が燃える様に熱くなった。

もう俺、我慢の限界だ・・・もうどうなっても知らねえや・・・

体を強引に捻らせて俺は隣で俺を取り押さえていた輩共を引き離した。

もう自分のすることに制御が効かなくなっている。

そのまま俺は外村に突進した。

「あん?」

寸前に俺の接近に気づいた外村。

だが俺はその顔に思いっきり拳を叩き込んだ。この感覚だ・・・この人を殴る感覚・・・を俺は思い出した。

「グアッ!!」

外村がかなり吹っ飛んだ。

だがしかし俺は人を殴りたくてたまらなくなった。

そのまま再び外村に突進した。

「お前ら!みんなでかかれ!」

外村の命令で他の奴らが俺を包囲した。

しかしそんなものは無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。無視。

俺は外村にもう1発拳を浴びせた。

外村の口から血が吹く。

これだ。この色だ。この紅の色が俺の好物なんだ。

ドゴッ!

俺は後ろから誰かに殴られたが、痛みは全く感じなかった。

「あん?」

俺は殴った奴を睨み付けた。するとそいつの目に少し怯えの色が見えた。

そしてそいつの顔面に拳を叩き込んだ。

「ウアッ!!」

そいつは5メートル位飛んだんじゃないか?くらい遠くに吹っ飛んだ。

そこで俺はやっと不良共に囲まれていることに気づいた。

外村は俺に何発も殴られてもはや顔が原形を留めていない。すでにぐったりしている。

もちろん俺の拳も痛いはずなのだが、破壊衝動の方が勝っていた。

俺はそいつらに掛かって行った。

何発も殴られる、でも殴り返す。頭が割れそうだったが俺は気にしなかった。

ただただ殴る、殴られるを繰り返した。



・・・

どれくらい時が立ったのだろう。元々人があまりいない公園なために誰も来ない。

あ、でもはなびがもしここに来てこの瞬間を見られるのは嫌だな・・・と微かに思ったかもしれない。

今の俺はそれどころではない。

予想外の不良の数に息が切れそうだ。

「こいつ。まだ立ち上がってきやがる!」

不良に1人が叫ぶ。

当然だろ。俺はお前ら全員ぶっ殺さないと気が済まないんだ。

もっと殴らせろよ。もっと苦しめよ。

「死ねええ!!」

一人がナイフを俺に突き立てた。

馬鹿だな。そんなものに頼ってるから動きが見え見えなんだよ。

俺は回し蹴りでそいつの持っているナイフをはじき落とした。

そして俺はそいつを殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。

ははは・・・もう意識無いでやんの・・・

俺はそいつらを殴る。そいつらに殴られる。そいつらを殴る。そいつらに殴られる。そいつらを殴る。そいつらに殴られる。そいつらを殴る。そいつらに殴られる。そいつらを殴る。そいつらに殴られる。そいつらを殴る。そいつらに殴られる。

「あれ?ここは・・・カイ?」

「!!」

俺はさや先輩と目が合った。

そして俺はさや先輩に見られてしまった。

俺が人を殴ることに最大の喜びを見出してしまっているところを。

「カイ・・・?」

俺をそんな目で見ないでくれ!怯えた目で見ないでくれ!また俺は1人になりたくない!違うんだよ!これは俺じゃない!俺がやったんじゃない!

オマエガヤッタンダ。

違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!

チガワナイサ。ゲンジツヲミロ。

ああ・・・

俺はさや先輩を見る。

そんな目で俺を見ないで・・・俺は・・・

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

俺は頭を押さえた。

頭が割れる・・・何だこの感じ・・・いや、もう気付いている。

俺はこの感じを知っている。

だって・・・

コレガオレノホンショウナノダカラ・・・

俺は意識が遠くなる。

体が傾く。

もうどうなってもいいや・・・



ここはどこだ?

さっきまでと違って体が冷たい。

ここは一体・・・?

周りを見ても黒一色で何の解決にもならなかった。

俺、死んだのかな?

そうだとしたらここは地獄だな。俺が天国になんていけるはずないのだから。

でも俺、本当に死んだのかな?

死んだとしたら・・・別に良いか。

また俺は一人になったんだ。

生きててもいいこと何もないもんな。

「残念ながらお前は死んでいない。」

「誰だ!」

突然どこからか声が聞こえた。

あれ?この感覚・・・どこかで・・・

俺は中々思い出せない。

「思い出せないのも無理はない。俺が記憶を封印したのだからな。」

「だからお前は誰だ!」

俺は真っ暗闇の中で叫んだ。

「忘れたのならば思い出してやる。」

「あああ!!」

俺の頭が少しクリアになった。

「お、お前は・・・武満?思念体の?」

「そうだ。お前は今、自分を封印した。」

「俺が自分を封印?」

封印ってどういうことだ?

「お前は現実から目を背けた。そして思った。もう生きていてもしょうがないと。」

「!!」

今確かにそう思っている。

あれは生き地獄だった。

周りから畏怖の目を向けられ、親にも家族にも見捨てられた。

そんな地獄。

「そこでお前は無意識に自分、を封印した。」

「!」

俺は現実からこうして目を背けたのか・・・

「じゃあ俺は今どういう状態なんだ?」

「お前が封印したせいで、俺もお前を乗っ取ることが出来ない。・・・今のお前はただの抜け殻状態だ。」

現実世界の俺は単なる抜け殻・・・

「・・・だからお前が自分から現実を見ようとしなければ俺も出ることはできない。」

「・・・俺に封印を解け、と?」

俺は武満がそう言っているように聞こえた。

「・・・違う。俺の望みはそんなものじゃない。」

「お前の望み?」

こいつの望みって・・・

「お前ら皇家の人間に復讐することだ。」

俺は驚かなかった。

というかむしろそのことを武満が望んでいるのは当然だと思う。

「ほう。俺に同情するとは・・・」

そういえばこいつ俺の心読めるんだったな。何でだっけ?

「それは俺はお前の魂の付属品だからだ。」

「・・・?」

どういうことかよく分からない。

「お前は普通の多重人格者とは違う。俺は人格としては存在しない。単なる思念。お前の体を乗っ取るのではなく、お前の思念に俺の思念を上書きすることでお前を動かす。つまり、俺はお前の体を動かせないが、お前の脳をコントロールできる。今、何をしたい・・・とかな。だからお前の考えていることは俺に筒抜けなんだ。」

「・・・ようするに殴ったときに俺の気持ちが高ぶるのは・・・」

「俺の思念だ。俺の気持ちが高ぶっているからだ。お前が人を殴ることで俺の思念がお前を支配することが出来る。」

・・・謎が一つ解けた。俺が人を殴ることを媒介に武満は俺を支配できる・・・

「・・・それでお前の選択は現実からの逃避、なんだな。」

「ああ。俺もお前も利害が一致しているし丁度いいだろ。」

もう何だっていいし。

「ククク・・・俺を恨まぬか・・・」

「・・・今更恨んでもねえ・・・」

俺はこいつを心からは嫌いになれない。

俺に見せた夢が真実だと考えると、むしろ同情したい。

「・・・お前は変わっているな。」

「そうか?」

俺はいつの間にかこいつと普通に会話している。

「ああ。他の奴は俺のことを消したい気持ちでいっぱいだった。」

「他の奴!?」

こいつの発言に俺は驚く。だってこいつ俺の他にも思念として潜んでいたのか。

「ああ。お前ら皇家の人間に代々潜んでいた。そいつらが子供を作るとその子供に思念を移らせてな。」

そうなのか・・・?ということは俺の父親にも・・・

「そうだ。お前の父親もだ。お前の父親はな、俺を外に出したいがためにお前を生ませたんだ。」

!!

俺は父さんの道具なのか?

「あいつは俺のことを相当嫌っていた。だからだろう、結婚してすぐにお前の姉を産ませた。でもな、俺は嫌がらせとして出て行かなかった。そうしたらどうしたと思う?あいつは俺を吐き出すためだけにお前を産ませたんだよ。」

「そ、そんな・・・」

俺は愕然とする。俺は初めから愛されていなかったんだ・・・

「まあもう過ぎたことだ。・・・ところでお前は俺と共に消滅するのか?」

「わからない・・・」

もうどうすればいいんだよ!俺は!

「まあいいさ。俺の望みはお前ら皇家に永遠の苦しみを与えること。お前が消滅すれば、お前の姉貴に思念を移す。」

「どうやってだ?」

「ああ、まだお前に話してなかったな。」

そう言って武満は遠くを見つめ始めた。

「俺がキリシタンだったのは知っているだろ?」

俺は頷いた。

「だから神の他に悪魔も信じていたんだ。」

「悪魔?」

「ああ。」

確か悪魔は天使と対になる存在・・・

「俺は悪魔の刻印を刻んだ・・・これだ。」

武満はそう自分の胸元の禍々しい刻印を指した。

「俺は悪魔になろうとしたんだ。まあ何か知らないが強すぎた思念だけ現世に留まったみたいでな・・・俺はそこで思念体の悪魔になったんだ。」

あの刻印はそんな意味が・・・でもそれほど憎んでいたのだろうな・・・

「確かにそうだが、俺は最後の神への祈りも効かなかったから、神も憎んでいた、というのもある。その思念の強さが俺の力だ。」

「そうか・・・じゃあお前は一応俺のことも嫌いなんだな?」

俺は悪魔にも嫌われているのか・・・

「ふっ。今までの皇の人間の中で一番嫌いじゃない。」

はは・・・そうか。悪魔にはそこまで嫌われていない、か・・・

笑いが出そうだよ。

「最後に一つだけ訊きたいんだが・・・」

「あの女は無事だ。あの女は結局お前が倒れた後に別の女に助けられた。」

「別の女?」

その女がさや先輩を助けたのか?

「お前が委員長、と呼んでいる女だ。」

「そうか・・・よかった。最後にそれが心残りだったんだ・・・」

ああ、後はさや先輩が幸せになってくれればな・・・

そういえば俺がいないとはなびは誰が起こすのかな?咲か?

レイももう大丈夫かな?あ、俊哉の奴は頼りになるし大丈夫か。

ナナちゃんも生徒会選挙頑張ってほしいところだ。

「お前は途中棄権か?」

「・・・うん。俺の出番はもう終わったんだよ。」

俺は最後に精一杯笑顔を作り上げた。

それに何故か武満は顔を背けた。



ここはとある一室。

そこに蛟刃カイの体が眠っている。

「起きませんね。」

夕陽さん・・・カイのクラスの委員長らしいが、皇家の人間らしい。

私はあの後夕陽さんに助けられた。ちなみにあの男達はみんな警察に捕まった。

その後、カイを蓮見家に寝かせたものの一向に起きる気配はない。

「とりあえず、下に降りましょう。」

私は夕陽さん、マイさん、セバスチャンと共にリビングに降りた。

そういえばセバスチャンは私が危険な目に遭ったと知ったとき、切腹しそうな勢いだった。・・・日本人じゃないのにね。

「・・・」

私は黙っているマイさんに真実を教えて欲しかった。

「マイさん、そろそろ教えてくれてもいいんじゃないですか?カイの昔の話。」

「・・・そうね。」

マイさんは話してくれる気になったらしい。

私もその話題はタブーと思ってカイには訊いたことがない。

というかその詳細を知っているのは生徒会では俊哉だけだと思う。

「カイはね、皇家に望まれて生まれてきた子供じゃないの。」

私はまずその驚愕な事実からマイさんの話を聞き始めた。



カイが孤独になった話を・・・




次回から過去編です。


↓にはシリアスな雰囲気にそぐわぬ会話が交わされております。

不快になられる方は読まないことをお勧めします。



読んでもいい、と思いましたらどうぞ。
















































ショート劇場

ナナ「さあこんなにシリアスになってしまったのでここでコメディにしましょう。」

はなび「・・・この状況でよくそんなことが・・・」

ナナ「だって私って登場がコメディばっかりですから、ここで出ないといつ出ればいいんですか!?」

はなび「もう少し辛抱強く待とうよ。」

ナナ「・・・だからカイ先輩振り向かないんだ。」

はなび「な・・・!!カイは関係ないでしょ!!」

ナナ「まあ私達の扱いも続編とかで何とかしてくれますよ。」

はなび「そうね。私達がヒロインの続編くらい作っても良いわよね〜。」

・・・マジですか。


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