第3話 オリエンテーリングだ生徒会
仮タイトルは「料理は人をも殺せる」
今回から短めにします。
といっても長さに波があるのでどうなるか分かりませんが。
4月の中盤…
俺は何をしているのだろうか…
俺はどうしてここにいるのだろうか…
どうして俺は高校1年生のオリエンテーリングのバスに乗っているのか!?
それは昨日のこと…
「ナナちゃん友達出来た?」
「はい。何人かは。」
俺達はいつも通りに雑談しながら生徒会の仕事をやっていた。
「そういえば明日はオリエンテーリングじゃないかしら?」
「そうですよ。」
「カイ、明日の準備できてる?」
唐突に俺に話を振られた。
「え?俺?」
「だからオリエンテーリングの準備よ。」
「何で俺が?」
確かオリエンテーリングは高校1年の行事のはずだ。
何故俺が・・・
「え〜。カイ去年行かなかったじゃない。」
「俺も去年誘ったんだけど結局お前行かなかったじゃねえか。」
はなびと俊哉が去年の話題を口にする。
去年俺はいろいろとあってオリエンテーリングには行かなかった。
「そうだけど・・・何で?」
「オリエンテーリング行かなかった人は来年行かされることになってるのよ。」
「ええ!?そんな規則あるのかよ!?」
俺は急いで生徒手帳をめくって規則の欄を確認した。
そこには小さく会長の言うとおりのことが書いてあった。
「マジかよ・・・」
俺は焦り始めた。
後輩と一緒に行くとか結構恥ずかしいことだ。
「でも俺生徒会なんで忙しいって言えば大丈夫ですよね?」
「生徒会の人間が規則を破るのはまずいわよね?」
「うぐ・・・」
会長の言うことがもっともだった。
「諦めていくのよカイ。」
「これはお前の試練だ。」
「骨は拾ってあげますから。」
「ってナナちゃんさりげなく俺殺そうとしてない!?」
「いえ、死亡フラグを立たせました。」
「どっちにしろ嫌だよ!」
で、結局俺はこうして下級生とオリエンテーリングに行くことになった。
なんか留年生の気持ちが分かるな・・・
「はあ。」
バスの中で俺はため息を吐いた。
下級生に友達なんてナナちゃんしかいない。
そのナナちゃんは友達と談笑している。
よって俺は一人さびしく窓の外を見ている。
ああ・・・孤独って結構つらかったんだな・・・
「よう。元気ないな。」
「どわあ!!!」
そこへ現れたのは俺の担任の真里菜先生だ。
「何でここにいるんですか!?」
「蓮見からお前が下級生を襲わないように監視してくださいと頼まれた。」
「襲いませんよ!」
さすがに俺もそこまで飢えていない・・・はず。
いやいやはずは無いでしょう!
「そうか残念だ。まあ襲う時は私にしてくれ。」
「帰ってもいいですか?」
この先生も男でなければかなりの美人だと思うが・・・というか逆に襲われそうだ。
しかし一応話し相手には困らなくなったので暇はしなくなった。
そして旅館に着いた。
「あの先生・・・」
「何だ?ちなみに私の部屋は2階の端の一人部屋だ。夜這いは大歓迎だぞ?」
「そうじゃなくて!俺の部屋はどこですか?」
「ああ!お前の部屋は体育教師と同じ部屋だ。」
・・・なんか真里菜先生のほうがいい気がする。
別の意味でこの人は危険だが。
「襲われても貞操は守れよ!」
「あなたじゃないんですから。」
何で真里菜先生はそれしか考えないのか。何でこんな人が教師になれたのだろう?
まあいまどき教員免許は金さえ積めばなれるから仕方ないか。
さて、オリエンテーリング初日・・・飯盒炊爨が始まった。
しかし俺は一緒に作る人がいなくてあぶれている。
しょうがない、俺は真里菜先生のところに行って真里菜先生に話しかけた。
「私は料理は食べる派だ。だから作らない。」
「いや、ようするに料理できないんでしょうが!?」
「まあそうとも言うな、うん。」
どうやら完全にあぶれてしまった。マジどうしよう・・・
するとそこへ
「カイ先輩!お一人ですか?」
ナナちゃんが話しかけてきた。まさか俺を誘ってくれるのか!?
俺期待したまなざしをナナちゃんに向けた。
「気分悪いならお手洗いへどうぞ。あちら側ですよ?」
期待は見事に裏切られた。ようするに俺はトイレがお似合いだとでも言いたいんだろう・・・なんかあそこに汚物がいるぜ〜とでもいいたいんだろう。
俺は要らない子なんだシクシク。
「じょ、冗談ですよ〜?そんなに落ち込まないでくださいよ〜。」
それほど落ち込むとは思っていなかったのであろう、焦って種明かしし始めた。
しかし「?」が少し気になるな。
「私達の班なら快く受け入れますからどうぞ。」
「本当にいいの?」
やべえ、嬉しくて涙が出てきた。
「もちろんですよ!」
こうして俺は何とか孤独ではなくなったのであった。ナ
ナちゃんありがとう〜〜〜〜〜。
そうして俺はナナちゃんについていった。
そして調理場についたのはいいが、班のメンバー全員が女子だった。
予想していたことだが。
嬉しい気持ちもあるが、結構緊張する。
「あ、来ましたね。」
「お待たせ〜。」
ナナちゃんが手を振っているのを見ながら俺は女の子同士の会話を見てると結構和むな〜とか思っていたりする。
チョンチョン
「ん?」
ナナちゃんが俺をつついている。
「先輩。自己紹介して下さい。」
「ああ、そうだな。俺は蛟刃カイ。一応生徒会副会長をやっている」
「知ってますよ〜。」
「有名じゃないっすか〜。」
「(コクリ)」
みな口々に俺への感想を言う。俺ってそんなに有名なのか?
そのあと向こうも自己紹介をしてきた。最初にしゃべった明るい系は那穂と言い、次にしゃべったスポーツ系は由美で最後に頷いた寡黙な子は美代子という。そしてもうひとりは今教師に呼ばれて席をはずしているが久美というらしい。
そして久美ちゃんが戻ってきたので軽い自己紹介をした。
どうやら久美ちゃんは人見知りらしくて、ずっとオドオドしていた。
「じゃあ先輩、料理出来ますか?」
「まあ、それなりに…」
一応はなびの分の朝飯と弁当を作っているからな。
「それでは私と先輩と由美ちゃんは野菜を調理しましょう。」
『おー!!』
ナナちゃんの掛け声にみんなが賛同して俺達は台所に向かった。
ストンストン
「やるな〜。」
由美は意外に料理が上手かった。
「先輩こそ。」
ストトトトト
「…」
「…」
「どうしたんですか?」
「いや、なんでもない」
ナナちゃんはプロ級の腕前だった。効果音も俺達と違うし。
俺達(特にナナちゃん)の頑張りによってルーは上手くできた。しかし…
「米炊くときに水いれるんじゃ…」
「何言ってるの?炊飯器じゃないからいらないのよ。」
「なるほど。」
他三人は壊滅的だった。
「面目ない。」
「ごめんなさい。」
「すいません。」
俺達はカレーをルーだけ食っていた。ルーは旨いな〜。ご飯なしでも十分いけるね、うん。
「気を使わなくてもいいですよ。」
しまった。声に出ていたか。気を付けなければ。
「それにしてもナナちゃんは料理がうまいね。」
「そんなことは…」
話をそらすことにする。
「いや、将来いいおヨメさんになれるよ。」
「えへへ…先輩に褒められました。」
恥ずかしそうに笑みを浮かべた。少し大人びていても年相応なところもある。それが彼女の魅力なのかもしれない。
風呂から出たら定番のきも試しだ。
一応ナナの班にされた俺は5人の誰かと組むことになる。個人的にはナナちゃんなら気が楽だと思った。
それを感じたのか、
「私は先輩と組みますから。」
と言ってきた。
「良いのか?」
「だって先輩切なそうにこっちを見ていましたよ?」
恐るべし七瀬ナナ。でもありがとう。今日は感謝しきれないほど世話になった。
「ありがとう。」
「フフ。フラグフラグ…」
なんかわけのわからないことを呟き始めた。それをみて俺は正直気味が悪かった。
そして組み合わせは那穂と久美、由美と美代子、俺とナナちゃんに決まった。ちなみに俺達はラストだ。なんか波乱の予感がする。
そんなきも試しが始まった。
そう、始まった。
え!?終わり?終わりです。
ナナ「次回予告!」
カイ「とうとう始まった肝試し」
ナナ「暗いところで男女が二人っきり……フフフ」
カイ「……何か起こる予感がしてならないのだが」
ナナ「そうですよ私達がまさかのピーを!」
カイ「ええ!?俺達がピーを!?」