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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第二部 激動
47/104

第36話 京都で生徒会

仮題は修学旅行は楽しいのが一番。

〜あらすじ〜

修学旅行が始まった。

最初の二日は奈良で、今日から京都に行くことになる。

しかしそこでカイは奇妙な夢を見るが・・・

修学旅行は3日目。4泊5日の楽しい時間は中盤に突入した。

そして今俺達は清水寺に向かっているのだ。

「清水寺か・・・生で見るのは初めてだな。」

「俺もだな。」

俺と俊哉が会話をそう交じわしているときに事件が起こった。

「キャッ!!」

咲が誰かにぶつかった。

オイまさかまた不良なのか!?

そんなことを考えていたらぶつかってきた男はそそくさと咲に謝りもせずに立ち去って行った。

「何あれ?感じ悪い。」

はなびがあの男の悪態を突く。

「大丈夫?」

レイが心配そうに咲に手を貸した。

「あ、ありがとう。・・・!!」

咲が恥ずかしそうにその手を借りて立ち上がると、突然驚いた顔をした。

「どうしたんだ?」

「財布がない・・・」

『ええ!?』

咲のいきなりのカミングアウトに俺達は叫ぶ。しかし、俺達は分かってしまった。

「さっきの男だな・・・」

俊哉はすでに追う準備に入った。

「いや、咲なら大丈夫だ。・・・見ててくれ。」

俊哉ははてなマークを浮かべて俺を見た。咲は大丈夫なのだ。

咲は携帯を取り出すとある番号に電話を掛けた。

「もしもし。咲だけど。」

そして電話の向こうに咲がさっきの男の特徴を並べる。

・・・すごいな。よく覚えてるなそんな細かなところまで。さすが秀才。

「何が始まるの?」

レイも疑問を浮かべている。

「そう。だからお願い。」

プッ

電話を切った咲。さあショータイムだ。

咲が電話を切った途端にいきなりすごい音がなり始めた。

「な、何だありゃあ!!」

田島が驚いているのも無理はない。

上空からヘリコプターが2台到着。そしてその中から黒服の人たちが10人ほど飛び降りてきた。いつ見てもすごい光景だ。

「す、すごいね、やっぱり。」

はなびも顔を引き攣らせた。・・・当然だろ。

「お嬢様!今、長谷川隊が男を追跡中です。我らもこれより参戦いたします。」

「うむ。古澤も気をつけるんだ。」

「はっ!行くぞ!お嬢様の財布盗った奴に制裁を加えに行くぞ!」

そう言って古澤さん達も追っていった。・・・制裁って・・・あの男可哀想にな。

咲以外・・・であれば多分こんな酷い目に遭わなかっただろうに。南無。

そして10分後、男は自首したという・・・10分もよく逃げたよな。そこは褒めるべきだ。



咲の財布盗難騒動も収まって俺達は普通に清水の舞台にいた。

「うわあ・・・高いね〜・・・」

はなび達は感動しているのか、目をキラキラさせながら外を見ている。

そんな俺も興奮している。まあこんなの滅多にないチャンスだしな。

「あ、カイお兄ちゃん!」

え?

みな一斉に俺と俺を呼んだ少女の声に反応する。

「あれ?レミちゃん?奇遇だね。」

そこにいたのは文化祭で初河崎さんと一緒にいたレミちゃんだ。

「私は修学旅行なんですよ。カイお兄ちゃんは?」

「ああ。俺も修学旅行。」

「あ、じゃあ本当に偶然だね!」

何故か俺達が会話をしているとはなびからはその子誰?見たいな目で見られ、レミちゃんの学校の男子からはなんか恨めしそうな視線を送られた。

「え?はなび?」

「だ、誰よその子・・・?」

俺ははなびにそう聞かれた。そういえばレミちゃんのことは誰も知らない。

「えーと・・・」

俺の台詞をレミちゃんが遮った。

「私、大倉レミといいます。」

そう礼儀正しくお辞儀して自己紹介した。

「あ、水島はなび・・・です。」

続いてはなびが自己紹介した。

「えーと、カイお兄ちゃんの幼馴染ですよね?」

「あ、そうだけど・・・?」

はなびが妙に歯切れが悪い。

「あ、そうなんですか!カイお兄ちゃんが言ってました!素直じゃない幼馴染って!」

「オ、オイ・・・」

「カ〜イ〜?それ、どういうことかしら?」

レミちゃんのカミングアウトにいきなりピンチになる俺。

滅茶苦茶睨まれてます。

「あ、えーと・・・そのままの意味?」

「バカッ!!」

ゴッ!

「痛い!今すんごい鈍い音したでしょ!したよねえ!?」

はなびの鉄槌に俺はその場に蹲った。

その間にレミちゃんは他の人たちに自己紹介しているようだ。

「ねえ。あの子とどこで知り合ったの?」

はなびが俺に尋ねてくる。

「文化祭。」

「まさかナンパしたの!?」

「俺がそんなことするわけねえだろ!」

俺はナンパしない硬派な男のはずだ。

「どうかしらね?アンタいつのまにかナンパしてるかもしれないわよ。天然ジゴロだし。」

「何だよ。俺ってそんなに信用無いのか?」

酷い言われ様なので少し自分を弁護した。だって本当にナンパじゃない。むしろ逆ナンかもな。

「そうじゃないわよ。気がつかないうちにアンタはいつもナンパしてるのよ。」

「はあ?意味分からないんですけど?」

俺は何を言っているか分からなかった。いつのまにナンパしてるって・・・俺はそんなことしない。

「もういいわよ。はぁ・・・どうしてカイの周りには・・・」

最後にため息を吐きながらブツブツ呟いたが俺は聞かないことにした。聞いてしまったらややこしいことになりそうだしな。

俺はその後レミちゃん達と別れて銀閣方面に行った。



「ふう・・・やっぱ風呂は疲れを癒すな〜。」

「そうだな。」

旅館に帰ってきた俺達は男子4人で露天風呂に入っている。

ガラガラ

「わあ・・・やっぱ大きいよねえ・・・」

ん?今隣の壁から咲の声が。

気がつくとみんな隣の壁を凝視して、自然と壁付近に集まってきた。

「はぁ・・・なんか気持ちいい〜・・・」

はなびの声もする。

ますます俺達が壁の向こう側に意識を集中させた。隣はもちろん女風呂だ。

なんだかんだ言って俺達も思春期の男だ。俊哉もイケメンで硬派なくせにやっぱり気になっているし田島は目が血走っている。

お前は真里菜先生一筋じゃないのか。まあ思春期の男ならそんな方式すぐに崩れてしまうがな!

古賀もじっと意識を集中させている。こいつはむっつりだな。

そんなこんなで隣の風呂を中継しよう。

「ねえ。レイって綺麗な体してるよね〜。」

はなびがレイにそう言う。

「そうかしら?私胸あんまりないわよ。」

「私も無いわよ。」

レイと咲はあんまり胸は大きくないらしい。まあ知ってるけどな。

・・・

・・・い、いや別にそんなにこの二人の胸凝視はしてないよ!でもまあちょっと目がいっちゃうよね!ついその部分に!

・・・

・・・すいません。俺は変態でした・・・

それはともかく女子達の会話は続く。

「でも胸っていったら委員長だよね!」

はなびが大きな声で言う。オイ。聞こえてるぞ。・・・ていうか俺達聞いてるけど。

「あ、や、止めて下さい!あ、あん!」

ゴクッ・・・

中で何してるのか知りたいじゃないか。

「こらこら、はなびも結構あるじゃない。」

今度は咲の声だ。

「ちょっと咲!変な所触んないでよ!」

へ、変なところって?

これじゃ出るに出られないぞ。

「いいじゃない!減るもんじゃないし!」

「あ、ちょっとレイまで!あ、あん!委員長まで・・・ん・・・」

・・・も、もう駄目だ・・・

俺達は一斉に前かがみになってその場でじっとした。

何で前かがみになったかは察してくれ。

そして結局俺達はそこにのぼせるまでいた。



「何でのぼせたのかしら?」

レイが俺に意地悪い笑みを浮かべて聞いてくる。その顔は全部察してしまったか・・・

「あ、いやあまあ・・・ハハ・・・」

乾いた笑いをする俺。

「で、誰で一番興奮した?」

「ブッ!!ゴホッゴホッ!」

夕飯中に水を飲んでいた俺は水を噴出してむせた。

「ちょっと!汚いじゃない!」

はなびが怒る。当たり前だけど。

「あ、だってレイが変なことを訊くから・・・」

「どんなこと?」

う・・・はなびに説明できない内容だ・・・

「う、嘘です。」

ゲシッ

「痛っ!」

足の脛を蹴ったはなびは咲との会話を再開した。

「それで?」

レイがまた訊いてくる。マジ勘弁して欲しい・・・

「えーと・・・黙秘権!」

「行使不可能。」

「何で!?」

俺は何故か黙秘権を行使できないらしい。

「基本的人権じゃないから。」

「じゃあ俺結構な権利無いよね!?」

俺って5つしか権利が無いらしいっすよ。

「というかまず人権かどうかも怪しいレベルよね。」

「ええ!?俺って人間に当てはまらない!?」

どんどん俺は退化する。

「まあ北京原人だしね。」

「その事実知らないし!しかも一応人間でしょうが!」

北京原人って結構嫌じゃない?

「じゃあ何がいい?」

「普通でお願いします。」

「分かったわ。」

そう言って俺から携帯を取り上げるレイ。

「不通。」

「ええ!?親父ギャグをここで使うの!?しかも面白くない!」

「・・・」

少しレイは落ち込んだ。だって本当に面白くないし。

「私もまだまだね。師匠のところに行って修行しなおしてくるわ。」

「いや、師匠って何の!?親父ギャグの!?」

結局俺はツッコミまくっていたら夕食全然食わなかった・・・

レイは全然食わなかった。・・・君残しすぎだよ。



そして今日はこれから何事も無く終わるようで、俺はレポートを書いて俺は布団に入った。



気がつくとまた俺は昨日の夢と同じ女の家の前に立っていた。

これはだから夢・・・なんだよな。

そうしてまたあの男が中にいた。

何かを話しているようだ。でも二人の顔は幸せそうだった。

この二人、見てるとこっちが恥ずかしいよ。ずっとイチャイチャしてるし。

俺は不意に外を見てみると巨大な城が見えた。

あ、ここって一応城下町なのか。

街はかなりの人数が賑わっている。

しかしなんかここらへんキリシタンっぽいの多いな・・・

皆隠しているようだが隠しきれていない。

まあ武士達も面倒くさがって注意してないし。いい街だよな。

俺はまた家の中に目を移す。

オイ。ラブシーンまだ終わっていませんよ。ここの女の父親はいないのか?

全く・・・俺はため息を吐いて空を見上げた。すごく明るかった。

真昼間からイチャイチャねえ・・・

結局俺はそれから解放されず、男が家を出るまでそこに立っていた。

男は家を出ると城の方へ歩いていった。

俺は男についていった。

そして城の中に入った。お、おい・・・俺始めて入城したよ!まあ夢ですけど!

「久方ぶりじゃな。元気にしておったか、武満たけみつ殿。」

「ははっ。父上もお変わりなく。」

男の名前は武満と言うらしい。さっきまでの桃色の空気はすでに纏っていない。

「最近キリシタンがこの街にいると噂されているがどう思う?」

オイ、この男もキリシタンですよ。

「そうなのですか?全然存じませんでした。」

シラを切る武満殿。演技上手いですね。

「そうかそうか。分かった分かった。まあそんなのは良いとしてお主に縁談が来ておる。」

「え?」

縁談って・・・ああ、あの二人は身分が違うのか・・・可哀想に。

「前に言っていた幸成殿の妹君だ。頭の切れる才女で中々の美貌の持ち主じゃぞ。」

ほほう・・・是非お目にかかってみたいものですな。

「いえ、私にはまだ早いかと・・・」

やはり否定する武満殿。これで受けていたら殴りたくなる。

「そうか?なら一応顔見せぐらいはしておくのじゃぞ。幸成殿も好意を持ってのことだからな。」

「はっ。」

武満殿はそう言って下がって行った。

ちらりと前を見ると、女と間違えてしまうような容姿をしている男が武満殿と擦れ違った。

もちろん共に挨拶をしたが。

・・・俺もしちゃったよ。

そしてその男はまっすぐ武満殿の父の所へ向かった。

結構身分が高いんだろうな・・・

俺の意識は遠くなった。ここで終わりか・・・

初めて俺は夢の続きが見たいと思った。



「久しいなマイ。」

とある高級な部屋にマイとその男・・・カイの父親、すめらぎ我豪がごうは向かい合っている。

「まだ1ヶ月しか離れていませんが?」

「フン。私がお前をここに呼び出した理由は分かるであろう?」

挑発するように父に言うマイに父はさっと受け流した。

「さあ?何かまずい事でも?」

「お前が私に隠れて何かをしているのは知っているのだぞ!」

父はマイを怒鳴った。

「・・・隠れてですか?そんなことはありませんよ。私は皇家の跡取り。そんな真似は出来ませんわ。」

マイは感情を読ませない口調で告げる。

「フン。夕陽がカイと同じ学校にいるようだが・・・それでもシラを切るつもりか!」

「私はただ学校生活をもう一度味わいたいと思ってのことです。」

マイはスラスラと述べた。それがまた父の勘に触るのかもしれない。

「じゃあ夕陽とカイが同じ学校にいるのはたまたま、と言いたいんだな?」

「そうです。私自身も驚いています。」

「クク・・・よかろう。下がれ。」

父はマイを下がらせた。

マイは一礼してその部屋から出て行った。

「・・・マイめ。何をたくらんでいる・・・」

父は最後に一人の男に電話した。

「私だ。」

とある男に電話しているらしい。

「そうだ。夕陽とカイの動向、そしてマイの動向も監視しておけ。」

父はその男が返事したのを確認すると満足そうな顔をした。

「頼むぞ、古賀まこと。」

そう言って電話を切った。



古賀まこと・・・光芒学園2年生・・・現在、カイと同じ班で修学旅行中。






第2部は40話では終わりませんでした・・・



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