第35話 夢の中は生徒会
修学旅行編スタートです。
仮題は夢は何を示すものなのか。
〜あらすじ〜
俺はさや先輩を好きなってはいけない。
そんな決意からすぐのこと。
修学旅行が始まった。
行き先は奈良、京都。
さあ10月ももうすぐ終わりだ!
中間テストも終わった!
世界史はまたしても終わった!
まだ赤点だぜイェイ!
そして俺は修学旅行に行っているぜ!
と、いう訳で俺は今修学旅行に来ているんですよ。
さて、いつものように先日を思い出しましょう!
「ではみなさん。来週から修学旅行で〜す。班を決めたいと思いま〜す。」
委員長がいつものようにホームルームで仕切っている。
真里菜先生は・・・寝ている。オイ、こんなのが教師なんて日本も駄目になったもんだな!ブラッ〇ィ・マン〇イ起こすぞ!・・・出来ませんけどね。やりませんけどね。
「えーと班は自分達で決めて良いですか〜?」
とある女子生徒Aが訊く。確か彼女は俺にゴスロリメイド服を着せようとした人だ。
「はい。ちゃっちゃと決めちゃってください!」
そしていつものように黒板に何も言わずに文字を書いている古賀と委員長はみんなを見ていた。
班は男女4人ずつの8人。クラスは40人だから5班出来るはずだ。
「えーと・・・」
俊哉とレイとはなびは確定してて・・・まあ一応咲もかな?
「咲もウチの班だろ?」
「当然でしょ!」
何故かはなびが答えた。お前に聞いていないぞ。
俺は咲に目を向けた。すると笑顔で頷いた。オイ・・・仮にも惚れ直す可能性があるから止めてくれ給え。
「分かった。じゃあ後は・・・」
すると委員長と古賀がやって来た。
「じゃあこれであと男一人だな。」
俺は辺りを見回した。
「蛟刃ぁ〜!!」
「うわあ!!田島!?」
突然田島が泣きついてきた。
「ど、どうした!?」
「真里菜先生ファンクラブクラスに合計5人だから俺だけあぶれちゃったよ〜!!」
「オ、オイ!!」
大の男が泣くんじゃない!正直言って195の長身の男が泣いてもキモイだけなんだよ!!
「分かったから分かったから!入れてやるから泣き止んでくれよ!」
そうしてやっと田島から解放された。鳥肌立ったぜ。
「じゃあ班長決めませんか?」
委員長が提案する。
「委員長でいいじゃん。」
俺が返す。まあ面倒くさいからってのもあるな。
「いえ、私はたまにはそういうのじゃないのを味わいたいんですよ。」
委員長が班長になるのを拒否する。意外だな。
「えー。じゃあカイしかないじゃん。」
「ちょっと待てーいはなび!何で俺しかいないんだ!?」
「カイほどぴったりなのはいないわよ。」
根拠無しに強引に俺を委員長にしようとするはなび。
「根拠ねえじゃん!」
「あるわよ。ボケてもすぐ突っ込んでくれる。」
「それ理由になってねえよ!」
レイも何故か強引に推薦する。
「私の言うことが聞けないの!?」
「何で俺が毎回お前の言うことを聞かなきゃいけない?」
「そうだそうだ!班長は俺が「黙って。」ウボゥアァ!!」
俺に味方した田島が憐れにはなびに蹴飛ばされた。南無。
「まあ別に良くないか?」
俊哉までも俺を推薦した。
古賀を見るが、我関せずだった。
「さ、咲!ええと・・・俺が班長はまずいよな?」
もうやけくそになって咲に訊いた。
「え?とってもお似合いじゃな〜い。」
答えは分かっていたがやっぱり少しの希望を持ちたかったんだよ!
こうして俺は班長になったんだよ!
まあそして今日はその修学旅行1日目ですよ!
そして俺達は奈良に来ています。
「じゃあここから自由行動だからな。」
と真里菜先生が言った。
だが1日目で奈良に着いたときはもう午後3時。
ほとんど時間無いっすよ!
「あの、あまり時間が無いんですが、時間オーバーしたらどうなるんですか?」
おお!さすが委員長。気が利くね!
「さあ?まあはぐれても知らん。」
「オイッーーーーー!!アンタ教師だろ!」
「どちらかというとイケナイ事をする教師だな。」
「ってちょっと卑猥に言ってんじゃねえ!!」
「グフッ!!」
隣を見ると田島が血を吐いていた。ついでに鼻血も。
「クッ・・・さすがは我らのアイドル・・・後は任せた・・・」
バタッ
「たじまぁぁぁぁ!!!」
田島の死は無駄にはしないぜ!
「まあ冗談は兎も角、みんなちゃんと帰って来いよ〜。」
『は〜い』
みんなが真里菜先生に返事する。って今の全部冗談かよ!!ずいぶんと落差激しいよねえ!!古賀に至っては誰かと電話してるし。興味ないんだね。
「お前ら順応性高!」
「いや、アンタが低いのよ。」
え?俺の方が少数派!?俺って常識人だと思うんだけどな・・・
ハハハ・・・このクラスに常識人なんてほとんどいるわけ無いよなー。
俺バカみてー。
「何してるの?」
レイに呼ばれたようだ。
「ああはい、行きますよ。どうせ俺は少数派です〜。」
「?」
レイが不思議そうな顔をしたが、無視した。
「着いたぜ!法隆寺!」
田島が大声を上げる。あれ?お前死んだんじゃないの?
「さっきの場所と目と鼻の先だけどね。」
レイが冷静に言う。
「まあ柿食えば・・・金が鳴るなり法隆寺・・・だっけ?」
「いや、なんかちょっと違うよ!?」
はなびが素でボケている。
「そうよ。本当は柿食えば、金が無くなる法隆寺。」
「それもう法隆寺関係無くね!?しかも法隆寺怖いよ!呪いの法隆寺だよ!」
レイがさらにボケる。
「かきくけこ、金が無くなる・・・」
「もうボケなくていいからね!!」
レイがさらに掘り進もうとしたが何とか止める。
あと少しで青函トンネルが完成するところだった・・・
「とりあえず行かない?」
「ごもっとも。」
俺達は委員長に付いて行った。そういえばここにも常識人が一人。
法隆寺もそこそこに俺達は修学旅行1日目を体験した。
そして初夜・・・これってここで使うのか知らないけど。
もちろん男女部屋は別々だ。
俺の部屋は俊哉と古賀と田島だ。
そして修学旅行定番のイベント、夜這い。
・・・でもこの面子じゃ誰もやりそうに無いがな。かくいう俺もあまりやる気が・・・
さて、それはともかく初日はあっという間に過ぎたのだ。疲れていた、というのもある。
俺は翌朝、もちろんきちんと早起きした。
「ん?」
俺は自分の携帯を見てみるとメール着信が1件あった。
レイからだ。
何々・・・眠り姫がいますので早くこちらに来てください・・・まさかはなびか!
俺の部屋の面子も誰も起きていないが、はなびを起こすのを優先することにした。
廊下に出てレイ達の部屋を探した。
「ん?」
レイ達の部屋を見つけたが、中が騒がしかった。
ガチャッ
「どうした?」
「あ。」
そこには着替え中のはなびと咲がいた。
「あ、えーと・・・」
俺は頭が混乱してその場に硬直した。
「・・・」
そうすると真っ赤な顔をしたはなびがこちらにやって来た。
「・・・消えろ!!」
ドゴッ!!
「ウグッ!」
俺ははなびに回し蹴りを食らって廊下に出された。結構痛いぞ回し蹴りって。
俺は頬を擦りながら閉められる扉を見た。
「・・・」
レイ・・・君まさか俺の事嵌めましたか?
俺はそうメールをしたらすぐに「そうだけど。」というメールが来た。
っていうか咲もはなびを起こせるじゃん!
俺は自分の浅はかな頭を呪った。でも俺は被害者ですよ?
そんな朝を迎えた二日目だった。
「ああ・・・痛え・・・」
俺は頬を押さえながら朝食を取った。
「・・・痴情の縺れはマズイですよ?」
「痴情じゃありません!!」
俺は委員長の勘違いを精一杯否定した。
「でもすごく腫れてんな。」
俊哉によると結構酷い腫れらしい。はなびには誤解と言ったが、信じてもらっていないかもしれない。
幸いなのは咲は何も言ってこなかったことだ。はなびが先にあんなに怒っていたせいで怒るに怒れなかったに違いない。
「レイ〜・・・」
「ごめんなさい。まさかこんなに腫れると思わなかったから。お詫びにお昼ご飯奢るわ。」
俺がジト目でレイを見るとレイは申し訳なさそうにした。・・・なんかこっちが悪いと感じてしまう俺ってお人好し?
「え、いや別にそんなことしなくていいよ。」
「それじゃ私の気が済まないわ。はなびに今日借りるって許可貰ってくるから。」
借りるって俺物ですか・・・それになんではなびの許可が必要なんだ?
「まさか俺ってはなびの所有物!?」
「うるさい!」
ゴン!
「痛っ!」
そのはなびから拳骨をいただきました。
「あ、はなび。今日1日カイを借りていい?」
「え!?・・・えーと・・・こ、こんな奴といても楽しいこと無いわよ!!フン!勝手に借りちゃえば!」
そう言ってはなびは去って行った。
ていうか俺のことをさも自分の物のように扱ったよな、あいつ。
「と、いうわけで快く了承されたのだけど・・・」
「快く!?今のって快くなの!?」
そうして俺達は次の目的地の東大寺に行くことになった。
そして東大寺からレイは朝の約束もあってか俺とずっと一緒にいた。
まるでデートみたいだが、レイ相手でもな〜・・・
そう思ってレイの顔を見たが、やはり美人だ。
・・・いや、待て。よく考えよう。
こいつに隙を見せたら何が起きるか、何が起きたか・・・断じて見とれてはいけない。
「何見てるの?」
「うわあ!」
速攻でバレた〜〜〜!!これで下手な言い訳なんてしたら余計からかわれるだろ!
「え?い、いや・・・お前の顔を見てました。すいません。」
結局正直に話した。またからかわれてしまう。
「そう・・・」
ええ!?
「ええ!?からかってこないのかよ!」
「何?そんなにからかって欲しい?」
「そんなことない!でも何かいつものレイじゃないな〜・・・とか。」
こんなレイを見るのはまさか初めてなんじゃないか?
「当たり前でしょ。反省している人間がそんなことするはず無いでしょ。」
あ、反省してるんだなやっぱり。
「あ、もう別にいいよ。せっかくの修学旅行なんだから楽しもうぜ。」
「修学は楽しむものじゃないわよ。」
「う・・・」
何か鋭く言われたがこの際だから気にしないことにした。
そうして無事2日目が終了した。明日から京都だ。俺は京都に行ったことがないので結構楽しみだ。
っていうか班長だからレポートしっかり書かないとな・・・
そうしているうちにいつのまにか眠くなって寝てしまった。
・・・
・・・・・
気がつくと俺はとある民家の前にいた。
しかしおかしいことにその民家はものすごく古そうだった。
俺はその民家の中に入った。入ると仲睦まじい若い2人の男女を確認した。共に着物を着ている。男の方はちょんまげだ。
・・・あれ?これって江戸時代?
俺は時代劇を見ているみたいな感覚に陥った。
「また来るから。」
男はそう言って女の頬にキスをしてその民家を出て行った。この二人は恋人同士なのか、見ているこっちが恥ずかしい。
残った女は胸の前に十字架を書いた。
・・・確か江戸時代だったらキリスト教は禁止されているはずだ。
そうだとするとこの女性はかなり危険だ。
そしてスゥと場面が変わって今度は男の方に視点が移った。
男はそれなりに大きな家だった。結構お金持ちらしい。
男は自分の部屋の中に入ると一冊の本を読み始めた。
そこには「新約聖書」と書いてあった。
この人もキリシタンか!
どうやらこの男女両方はキリシタンらしい。
俺は自分の意識が薄れてきた。
そして意識がなくなった。
気がつくと椅子の上。机の上には修学旅行のレポートが。
ああ、書いている途中で寝てしまったんだな・・・と思った。
しかし不思議な夢を見たものだな・・・俺はその夢を覚えていたので振り返ってみた。
時代は多分江戸時代。そしてその時代に登場する二人の男女。
・・・う〜ん・・・まあ心当たりも何もないので俺は手早くレポートを書き上げた。
そして次の朝を迎えることにした。
この夢の話は俺だけの問題だあけでなく皇家のトップシークレットに関わる問題に繋がることにまだ俺は知らなかった。
第39話まで書き溜めしてあります。
次回もコメディータッチです。
その代わり修学旅行編が終わるとかなりシリアスになります。




