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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第二部 激動
44/104

第34話 遊園地で生徒会

仮題は男の決意の固さは幅がある

〜あらすじ〜

体育祭は俺達の優勝で終わった。

これで3冠達成した。

姉さんはアメリカにいったん戻るらしい。

そして俺は・・・



シリアス・・・ではありませんがギャグでもありません。

姉さんがアメリカに戻って3日後、俺は遊園地に来ていた。正確に言うとはなびと共に来ている。

さて、一体何故か?

それは一昨日のこと・・・



俺はいつものように机を掃除していたときだった。

最近忙しかった俺は机の掃除をこの日たまたま行なった。

するとなんと遊園地のチケットが2枚出てきたではないか。

何だこれ?としばらく考えて思い出したことは、確かこのチケット27話で貰った奴ということ。

見てみると有効期限が切れそうだったのだ。

だから俺は誰かと行くことにした。

男同士は論外・・・というかキモイから排除して、誰を誘うか考えた。

そして真っ先にさや先輩に電話をしてみた。

プルルルル・・・

ガチャッ

「もしもし。どうしたのこんな時間に?」

さや先輩が出た。しかしすでにもう11時だったので迷惑かもしれなかった。

「あ、すいませんこんな時間に。迷惑ですか?」

「いや、そんなことは・・・何か用?」

さや先輩が促してくれたので俺は訊いてみたのだ。

「明後日、暇ですか?」

「え?明後日?・・・ちょっと確認してくるから・・・」

そう言われて俺はしばらく待った。

そして・・・

「あ、ゴメン。ちょっと用事があって・・・」

「え?重要な用事ですか?」

「あ、まあ一応・・ね。」

なんだか曖昧に言葉を濁すさや先輩。らしくなかった。

「あ、分かりました。夜分遅く失礼しました。」

「あ、うん。じゃおやすみ〜。」

プッ

さや先輩に追求はしなかった。・・・だって怖いもん。

俺は考えた・・・誰と行くかな・・・?

レイは遊園地苦手そうだし、ナナちゃんは正直疲れそうだし、咲だと断られるのが目に見えている。

だから結局はなびに電話することにした。

当のはなびは、

「え?遊園地?行く行く!!どこで待ち合わせ?」

と興奮しながら承諾してくれたので俺ははなびと行くことにしたのだ。・・・ていうかそこまでこいつ遊園地好きだっけ?



「ねえあれ乗ろうよ!!」

はなびが遊園地について真っ先に指を指したのはメリーゴーランドだった。

「え?絶叫系じゃないの?」

俺は意外と乙女チックなものに乗りたがるはなびに驚いた。だってこいつ絶叫系が似合わないか?

「は?何で絶叫系?」

逆に疑問を返されて睨まれる始末だったので俺は黙ってメリーゴーランドに行った。

「じゃ、俺待ってるから、乗って来いよ。」

そう言うとグイッと腕を引っ張られた。

「アンタも乗るの!」

「ええ!?恥ずかしいよ!」

俺は結局はなびに引き摺られるままにメリーゴーランドに乗ることにした。

「えっと・・・同じのに乗るの?」

「う、うん・・・当然でしょ!!」

何故か俺ははなびと二人で乗るらしい。それって俺は恥ずかしいぞ。これじゃ恋人同士みたいじゃないか。

「でもこれじゃ恋人同士みたいに・・・」

「え?こ、こ恋人同士・・・?」

何故か超動揺するはなび。「超動揺」って何かの必殺ワザみた〜い・・・すいません。

「だから一緒に乗るとそう見えちまうかもしれないだろ?だから・・・」

「いいよ!早く乗ってよ!!」

結局はなびに強引に乗せられた。はぁ・・・でもはなびが喜んでいたから良いか・・・



それから俺ははなびと楽しい時間を過ごした。

ジェットコースター、お化け屋敷など定番を回った。

なんだかはなびはいつもよりはしゃいでいたような気がする・・・

「ねえねえ次どこ行く?」

「え?う〜ん・・・定番はもう回ったしな・・・」

もう夕方なので後少ししか回れない。

「何言ってるの?観覧車乗ってないじゃん。」

「ああ、観覧車か・・・」

すっかり忘れていた。というか俺も遊園地久しぶりだから結構忘れているのかも。

「じゃ行こう!」

俺ははなびに引っ張られて観覧車まで行った。

「2名様、こちらへ。」

従業員に言われて俺達は乗り込んだ。

はなびは俺の向かいに座った。夕焼けのせいか、はなびの顔が赤く見える。

「な、何よ?」

いつのまにか凝視していたらしい。

「いや、別に。」

俺はそっけなく返した。するとはなびはなんかブツブツ言い始めた。こいつってこういうの多いよな・・・何でだ?

「はなびって俺のこと嫌いなのか?」

「へ?な、何よ突然・・・」

はなびが慌てる。前に俺の事嫌うはずないと言っていたが、あれは実は気休めかな?とか思った。

「だって俺の方を見ないし。」

「あ、当たり前でしょ!!」

「やっぱり俺のこと嫌いなのか・・・」

俺は落胆する。顔すら見たくないなんて・・・

「ち、違うわよ・・・キライ、じゃない。」

何か歯切れが悪いぞはなびの奴・・・

「別に無理しなくていいさ。」

「無理じゃない!!」

「ちょ!お前声でか過ぎ!!」

何せ密室なもので大声は響くのですよ。

「あ、ゴ、ゴメン・・・でもアンタが変なこと言うからいけないのよ!!」

何かキレられました。

「変なことって?」

「だ、だから私がアンタを嫌ってるとかどうとか・・・」

最後の方はよく聞き取れなかったが。

「いや、お前俺のことどう思っているのかなって・・・」

俺は変なこと言ってないよな?

「ええ!?だ、だから・・・嫌いの反対・・・」

「嫌いの反対?イラキ?」

「この鈍感がぁぁぁぁぁ!!」

ボゴッ!

「痛ってぇ!!」

何か本気で殴ってきませんでしたか?確かにあの状況でボケるのは悪かった。ツッコミなのにボケるのは悪かった。

「よ、良く聞きなさいよ!!」

はなびの顔が真っ赤だ。こりゃ相当怒っているな・・・

「う、はい。」

俺はあまりの勢いに気圧されてしまった。

「私はアンタが・・・」

「お、俺が・・・?」

俺ははなびの言葉を待った。

「す「はい!終了!」きぃえええ!?」

ちょうどいいところで観覧車は終了。空気読めオッサン。だが今のはなびの叫び声から察するに多分カンフーをやろうとしていたのだろう。うん。・・・本気じゃないけどな。

「じゃあ行くか。」

「う・・・」

はなびは最後まで言えなかったのにショックだったのだろう。

「わかったよ。ここで聞く。で、何だ?」

「アンタって奴は・・・・」

何かはなびの体震えてませんか?まさか寒いのか!?

「デリカシー無いのか!!」

ボゴッ

今日2発目・・・今日は蹴りより殴りの方が多いな・・・

「すいません。」

こういうときは真っ先に謝る俺。謝った後は機嫌がよくなるよなはなびは。俺は顔を上げた。

「・・・」

何でまだ憤怒の形相なんですかね?やっぱり俺が・・・いや、もう考えるのやめよう・・・

「えーと・・・その・・・」

「私に何か買ってくれたら許す。」

うおお!!金欠がどうした!買うしかねえ!!

「ちょ、何してんのよ!!」

俺ははなびの手を掴んで土産屋にダッシュした。はなびが何か言っているが、何もしてこないのでまあいいやと思った。



結構高いものを俺は買わされて俺達は店を出た。辺りはもう暗い。

そして俺の財布が寂しくなっていく・・・でもはなびの奴かなり喜んでるからいいか。

「ありがとうね!!」

何か嬉しすぎてフラフラ踊っているようだ。っていうかそんな後ろ向きに歩いていると、

ドン

お、遅かったか・・・ここらへん不良多いから気をつけないと!

俺は走ってはなびに駆け寄った。

「キミ、大丈夫?ごめんね。怪我はないかな?」

はなびとぶつかった男が訊いてきた。

「あ、はい。こちらこそすみません。」

礼儀正しくはなびは謝った。

ん?俺は見覚えのある声に男の顔をみた。こ、この人は・・・

「あ、カイくん。久しぶりだね。」

「あ、どうもっす・・・」

俺はこの人が正直苦手だ。だっていい人そうだから!・・・じゃあ何で苦手なんだよ・・・

「えーと確か・・・あったあった。はい。まだ名乗ってなかったね。」

そう俺に名刺を差し出す礼儀正しい男。

しかし厚巻のように名前をつけるのは失礼だからこの人は紳士さんと呼ぼう!

と、思ったが名詞に名前あるじゃん。「初河崎はつがさき まもる」だそうです。

「あ、えーと・・・初河崎さんはどうしてここへ?」

はなびはこの人とアンタどういう関係?みたいな視線を送っていたが、それは後で話す、という視線を返しておいた。・・・伝わったかどうか知らないけどな。

「キミのチケット・・・ここの遊園地は蓮見財閥がスポンサーとしてついているんだよ。」

「あ、そうなんですか。」

それなら納得いくな。

「えーとあとそちらはキミの彼女さん?」

「「ええ!?」」

俺達は共に叫んだ。

「え?違うのかな?まあいいや。僕の名前は初河崎 衛。」

「あ・・・水島はなびです。」

はなびも礼儀正しく返した。緊張しているのが目に見えて分かる。全くお見合いじゃないんだぞ?

「カイくん。なかなか可愛い彼女さんじゃないか。」

「いや!だからそんなんじゃありませんから!!」

「ははは。ゴメンゴメン。ついからかいたくなって。」

この人はやっぱりいい人なのだろう。雰囲気も和らげてくれるし・・・これって劣等感と言う奴か?・・・別に俺には関係ないんだけどな・・・

「あの、レミちゃんは一緒じゃないんですか?」

「レミ?ああ、違うよ。」

レミちゃんとは一緒ではないらしい。俺には嫌な予感しか感じなくなった。

「あ、衛さん!ん?あれ?カイとはなび!」

さや先輩がやって来た。予想はついていた。この二人はデートでもしていたのだろう。前々から感じていたことが今分かった。

「あ、さや先輩。デートですか?」

俺は何故か動揺していた。

「え?い、いや別に・・・」

珍しくさや先輩がうろたえている。

「まったくデートならそう言って下さいよ。じゃあはなび。俺達は帰ろうぜ。さようなら。」

「あ、うん。」

俺は早口でそう言って挨拶して帰る事にした。

「あ、カイ!」

さや先輩が呼び止めようとするが、俺は速くこの場を立ち去りたかったので逃げるように去った。

「ちょっとカイ!引っ張らないで!」

「え?ああゴメン・・・」

いつのまにかはなびの腕を強引に引っ張っていたので、俺は慌てて放して謝った。

「どうしたの?急に帰ろうとして。」

「え?いや急じゃないよ。もう夜も遅いし・・・な?」

俺は言い訳じみた発言をした。

「・・・嘘。さや先輩と何かあったでしょ?隠しても無駄よ。さや先輩と会った時のカイの顔、かなり動揺していたわよ!」

はなびが声を大きくする。

「ちょ、ちょっと・・・もっと静かに・・・な?」

何か注目されて恥ずかしかった俺ははなびにそう言った。

「何があったの!?」

はなびは俺の言うことを全く聞かなかった。

「いや、別に何も・・・」

さや先輩とのキスシーンは俺の頭の中のかなり深くまで侵食しているらしい。

「・・・ねえ・・・カイってさや先輩のこと好きなんじゃないの?」

はなびが少し泣きそうな顔で訊いてきた。

「え?俺が・・・・?」



「はぁ・・・」

「どうしたんだいさやちゃん?」

私の横で衛さんが尋ねてくる。

「いいえ、何でもありませんわ。」

私は優雅に微笑んでみた。まあ作り笑顔慣れているけど。

「そう?カイくんと何かあったかい?彼かなり動揺していたよ。」

「え!?っそんなことはありませんわよ。」

どうやらカイはまだあのことを忘れていないらしい。

そりゃあ私だって忘れられないから仕方ない。だってファーストキスなんだから忘れられるはずがない。

「・・・ふふ。まあいいよ。で、これからどこに行くかい?」

「少し疲れてしまったのでもう帰ってもよろしいですか?」

疲れているのは本当だ。

でも別の何かが私に警告をしているのだ。

「そうかい?わかったよ。家まで送るから。」

衛さんがそう言って私の家まで送ろうとする。衛さんは正直良い人だ。礼儀正しくて優しい人だ。

「いえ、結構ですから。」

「そういうわけにはいかないよ。僕は君の婚約者なんだから。」

そう、でもこの人と婚約している私。確かに良い人だけど・・・私の心は渋っている。

元々蓮見財閥は姉さんが継ぐはずだったのだが、カズ先輩と恋人になったので私にそのポジションが回ってきた(姉さんとカズ先輩の後押しをしたのは自分なのだが・・・)ので私は結婚相手を選べない。

でも衛さんは悪い人でもないし・・・私は自分をそう納得させていた。

「わかりました。お父様がうるさいですしね。フフ・・・」

「ハハハ・・・・」

そう言うと衛さんは苦笑いをした。多分図星だったのだろう。

そうして結局私は衛さんの車で家に帰った。

でも何故か心にはわだかまりが残っていた。



俺は帰った後、ベッドで横になってはなびに言われたことを考えていた。

俺はさや先輩を好きなのか?

でも俺はあの人を尊敬しているだけで・・・

それにセバスチャンさんとの約束がある・・・今考えてみれば初河崎さんはさや先輩の婚約者であろう。さや先輩の重要な用事とはあの婚約者とのデートだ。そりゃあ大切だろう。

そして俺は結婚するまでさや先輩を支えなくてはいけない。ならば俺のやることは一つだ。俺はある決心をした。



俺は絶対にさや先輩を好きにならない。


次は修学旅行編です。


コメディータッチで書いています。そして時々シリアス。

そして旅行ならではの・・・

まあそんなこんなでもうすぐ第2部終了の兆しです。


40話で第2部を終わらせたいのですが、どうでしょうか・・・



カイ「次回予告!!」

ナナ「ポロリもあるよ!」

カイ「ねえよ!」

ナナ「次回はキャラ紹介パート2でぇす♪」

カイ「ちょっと先取りもあるよ」

ナナ「ネタバレもね」

カイ「それもねえよ!!」

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