第33話 体育祭か生徒会
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
仮題は銀河ブッチギリの大決戦。
〜あらすじ〜
体育祭は後半戦に入った。
しかしカイは・・・
体育祭は午後に突入。しかし俺は浮かない顔・・・
「どうしたんでしょうか?」
委員長が俺に聞いてくる。あ、まさかこれって俺の病気の症状の一つなのでは・・・?
「あの・・・俺さっき変な夢を見たんです。リアルすぎる夢・・・」
「ふむ。そうですか・・・ならなんで薬飲まないんです?」
「あ。」
なんてことだ。薬はすでに姉さんから貰っていたではないか。何故に忘れている?
「・・・まあいいですよ。はい、お水です。」
そう手際よく俺に渡した。
「あ、ありがとう。」
「これくらい当然ですよ。じゃ、また何かあったら呼んでください。」
そう言って委員長は去っていった。
俺は薬を飲んだ。・・・おっ何だか体の調子がよくなったみたいだ。
俺はついでに心も軽くなったので次の騎馬戦に備えてアップを開始した。
「では次は騎馬・・・ではなく生徒会役員による、早食い競争!!」※よい子は真似しないでね
「何だそれはぁぁぁぁあぁぁぁ!!!」
俺はアナウンスのボケ(?)に全力でつっこみ叫んだ。
「では生徒会役員達前へ。」
「・・・」
隣を見るとレイがムスッとしていた。こいつ出たくないんだな。
「えーと・・・説明を求めたいんですが・・・」
俺はアナウンスの女子生徒Aに質問した。
「女子生徒Aじゃありません!初島美空です!」
「ええ!?別にそんな事実どっちでもいい!」
「ひ、酷い!」
俺とA先輩は挨拶もそこそこに、
「だれがA先輩ですか!」
その先輩に叩かれたが、俺は返答を求めた。
「え?こんな競技聞いていない?」
「プログラムにも無いですよ!」
「だって言ってませんし。時間が余りそうだから。」
「余らせようよ!そしてさっさと帰ろうよ!」
俺は全校生徒みんなが思っているであろうことをみんなの代表として言った。
「しかし世論調査の結果では早く帰りたいより生徒会役員のはっちゃけぶりを見たいという意見が多数なんですね〜。」
「いつの世論調査!?」
「どこの世論調査!?」
「お前が質問するんじゃねえ!」
もう先輩に俺敬語使ってないよ・・・
「まあいいじゃない。」
そこにさや先輩が出現。
「だって参加するのあなたと俊哉とはなび、ナナちゃんの4人だし。」
「ああ、それなら安心・・・って俺参加すんのかよ!!」
どうやら自分達は上手く逃げたらしい。ていうかレイも逃げたのかよ。
「はなび達は納得しているのかよ!?」
俺ははなびとかを見てみた。
「絶対に負けない!!」
これははなび。そういえばこいつ勝負事は必ず参加するな・・・
「勝って景品を貰います!!」
これはナナちゃん。いや、景品あるのかよ!?ちょっと参加したくなっちゃったじゃないかよ!
「まあ・・・どうにでもなれ。」
本当にどうでもいいオーラを出してますね!俊哉さん!!
「さ、行くのよ。私の息子、カイよ。」
「だれがあなたの息子ですか!」
俺はさや先輩につっこみつつ結局スタンバイした。
はぁ・・・まあこうなることは目に見えてるし・・・
「じゃあ早食いするものを発表します!」
テテテテッテテー♪
「巨大ケーキ!!」
そこに現れたのは高さ1mのジャンボケーキ。
「うわあ!こんなもの食えるか!!」
俺は全力で食うのを躊躇ったが、はなびとナナちゃんは食う気満々だった。お前ら昼飯食っただろ。
「ではよーいスタート!!」
俺はもうやけくそになって食い始めた。
「うおおおおおおお!!!!」
「アータタタタタタタタ!!」
オイッーーーーー!誰がケン〇ロウの真似してるんじゃあ!!
そうこうして俺は吐き気を我慢して食っている。俊哉はマイペースに食っていた。オイ。まあこいつ勝つ気ないからいいけど・・・俺はなんであるのかって?ないとさや先輩に殺されますよ。本当。勘弁してください。
はなびは・・・
「jsdhgjgfsdhkふぁs!!」
何を言っているかさっぱりわかんねえ!!
「くぁwせdrftgyふじこlp!!」
俺も何を言っているかわからねえ!!
そうして食べ終わった・・・しかし手に入れたのは吐き気だけだった・・・
「うう・・・」
はなびが腹を押さえて蹲っている。見ろ、言わんこっちゃない・・・次の騎馬戦大丈夫かよ・・・
ん?ん?騎馬戦?・・・しまった〜〜〜〜!!こんな状態で満足に戦えるか〜〜〜〜!!いくら俺早食いで勝ってもこれポイント関係ないやん!!
ちらりとさや先輩を見るとしてやったりの笑顔だった。は、嵌められた〜〜〜〜!!
そうして騎馬戦が始まった・・・
俺の上にははなび。正直重い。しかもはなび苦しそうだし。
「オイ。無理しなくていいんだぞ?」
「だ、大丈夫よ!」
虚勢に決まっている声を出した。
「2−Aを倒すなら今だ!!突撃!!」
「うおっ!」
これが好機だと思ってか、大将騎のはなびをかなりの騎馬が全力で狙ってくる。
「き、来たわね・・・掛かってきなさい!」
はなびが言うが、俺達は・・・逃げることにした。
「ちょっと!何で逃げるのよ!」
「こんな状態で勝ち目ねえよ!前向け前!」
俺は腹痛をこらえて全力で走り抜けた。
「痛ッ!叩くな叩くな!」
俺は頭をポコポコ叩かれながら走った。そしてある程度走って振り向くと、追ってくる騎馬が半減していた。
「え?ずいぶんいなくなったぞ?」
しかしまだ追ってくるのもいたので俺達は逃走を再開した。
「さあ!地獄に落ちろ2−A!!」
ナナちゃんが物騒な応援をしている。俺達意外の。ちなみにナナちゃんは開始1秒後に自滅した。
「ん?」
俺はその中で一人の女性の勇姿を目撃した。レイだ。
俺達を追ってくる集団の帽子を片っ端から掠め取っていた。しかも下は俊哉だ。俊哉は早食いでほとんど食べていない。その影響であの騎馬はすごく強かった。
「ねえ・・・レイ強くない?」
「気にするな。ゲームバランス崩すような強さなだけだ。三国〇双だったら呂布だ。」
俺はさりげなく意味不明な言葉を口走ったのを気づかずに俺はその勇姿を見ていた。いや、俺達は、だ。
そうして帽子のないはなびも・・・・え?ない?
「オイ。なんで帽子がない?」
「は?ってええええええええ!?」
・・・はなびはぼうっとしていたので帽子を取られましたとさ。
・・・こんな終わり方納得できるか〜〜〜〜〜!!!
「さて、2ーA作戦会議をしよう。」
真里菜先生がみんなを集める。
「さて、まずはカイ。先ほどの君の騎馬戦はどういうことかね?」
「それって反省会じゃん!しかも俺のせい!?」
真里菜先生が俺に詰め寄る。ていうかみんなも俺のせいにしようとする目をするの止めろよ。こっちは腹の調子悪いんだぞ!
「はぁ?面倒くさいからお前のせいなんだよ。」
「それって理不尽ですよね!?」
「まあいいや。お前リレー絶対勝て。」
「う・・・はい。」
俺はリレーに絶対勝つことを約束してしまった。Noと言えない日本人の気持ちがよく分かったよ。
・・・俺日本人じゃん。
そうして一応胃薬を飲んで腹を落ち着かせた。はなびも大分楽になったようだ。・・・そういえば「だいぶ」と「おおいた」って同じ漢字なんだな。初めて知ったよ。
「位置について・・・ヨーイ・・・ドン!!」
こうしてクラスの男女混合リレーが始まった。最初の走者はレイ。ものすごく速い。何でも出来るお前は化け物か!
次々とバトンタッチする俺達。古賀は元バスケ部だし、渡辺、安西も体育会系。結構いいの揃えているなウチ。
そして第18走者の俊哉になった。順位は4位。だが一気に追いつく。
はなびのところまで行って順位はまだ4位。だが差は1位から4位までほとんど変わらないので勝機はある。
しかしさや先輩のクラスはさや先輩が走者だった。さすがのはなびも分が悪そうだ。さや先輩は一気に1位になると引き離しに掛かった。
はなびもそれに追いすがるように走るが、2位が限界。
「さあっ!!おおってぇっぇぇぇぇ来いぃ!少年よぉぉぉぉぉぉっ!!」
ん?アンタが最終走者か!厚巻ぃぃぃぃぃぃ!!
そういって厚巻は先にバトンをさや先輩から受け取った。遅れること1、2秒。俺ははなびからバトンを受け取った。
「絶対勝ってきなさいよ!!はぁはぁ・・・」
「任せろ!!」
俺は厚巻に負けるのは癪だったのではなびに威勢よく答えた。
しかし厚巻は予想以上に速かった。フォームは滅茶苦茶なのに何であんなに速いんだ?
俺も本気で走っているが中々追いつけない。クッ・・・ここまでか・・・?
「カイ先輩!真の力を解放するときです!」
し、真の力・・・?俺はキラキラ目をしているナナちゃんが目に入った。っていうか真の力なんてねえよ。
アル。
「は?」
俺はいきなり心の中から誰かが俺に話しかけられている感じを味わった。
シンノチカラ・・・カイホウサセテヤル!
俺の体が金色に光った。
「うおおおおお!!!!!」
俺の髪も金色に。そして俺はこのとき限界を突破した、スーパー蛟刃カイとなった。
・・・そんな非現実を味わって俺は勝った。・・・一体どこまでが本当なのか分からなかったがな。
そうして最終競技のリレーが始まった。男女別々で男子が最後だ。
今は女子の決勝が行われている。俺のクラスは・・・正直速かった。
「さや様を応援だ〜〜〜〜〜!!!」
「さ〜や!さーや!さ〜や!さーや!」
さや先輩ファンクラブのすごい応援が聞こえる。
かくいう俺はもちろん自分のクラスの応援をしている。
「はなび!!頑張れはなび!!」
俺はアンカーであるはなびを応援した。そしてはなびは見事・・・さや先輩から逃げ切ってウチのクラスがまたもや優勝した。
『うおおおおおおおおお!!!』
俺達のテンションがピークに達した。
「はなび!お前はすごい!」
俺ははなびを褒めて褒めまくった。
「べ、別に・・・・私は・・・」
最後の方は声が小さくなって聞こえないぞ。まあ褒められて照れているんだな・・・って俺また抱きしめてるし!!急いで離れた俺ははなびの反撃を待ったが・・・来なかった。
はなびは結局何もせずにみんなのところに戻った。そういえば顔が赤かったから熱でもあるのかもしれない・・・
俺は最後にそう訊いたが、なぜか飛び蹴りを食らった。俺、何か悪かったか?
「では最終競技・・・男子リレー!」
とうとう始まったよ。
「じゃ、みんな!絶対に勝つぞ!!」
「オウッ!!」
体育会系の渡辺に俺達が答えた。ちなみに走るのは5人、俺、俊哉、古賀、渡辺、中西だ。・・・中西については言及はしません。
そうして俺達はスタンバイに入った。ここでも俺アンカーかよ・・・俺ってそんなに足速かったかな?
「位置について・・・ヨーイ・・・ドン!!」
そしてリレーが始まった。
隣にはまた厚巻さんが。はぁ・・・またこの人と争うのか・・・
それはともかく俺はリレーを見てみた。俺のクラスは2位。かなり頑張っている。そしてやはり1位はさや先輩と厚巻さんのクラス。
そして俊哉に交代してもやはり2位のままだった。
「行け!厚巻!!」
そしてアンカーの厚巻さんにバトンが渡った・・・ん?ていうかクラスでも厚巻って呼ばれてるのかよお前!
「おう!坊主!掛かって来い!!」
勝手にライバル意識持たれちゃっているし・・・
「カイ!後は頼む!」
そして俊哉からバトンを受け取った俺は厚巻さんを追った。
厚巻さんはやはり速い。さっきはよく分からないうちに勝ったが今回は・・・どうか・・・
しかし俺はあんまり足が速くないはずなのだが、厚巻さん追いつき始めている。このリレーは男女混合より一人が走る距離が長いために、追いつく可能性は高い。勝機はある。
厚巻さんはこちらをちらちらと振り返っていた。あ、そんなところで振り返ったら・・・
厚巻さんがこけた。
あ、厚巻ぃぃぃぃぃぃ!!!!
・・・周りが爆笑。
そして俺は・・・
「わわっ・・・!!」
厚巻さんに引っかかってこけた。
あ、厚巻ぃぃぃぃぃぃ!!!!
また爆笑。
そして次々引っかかって・・・俺達は下敷きとなっていった・・・爆笑は止まなかった・・・
・・・
・・・・・
・・・・・・・
で、結局このリレーに勝ったのはさっき最下位だった奴(転んで一番上に乗った奴)だった。
何この終わり・・・ありえねえ・・・・あ、厚巻ぃぃぃぃぃ・・・
俺は爆笑の中に帰還した・・・
俺達は体育祭の後片づけをしていた。何でかって?パシられてるんですよ。
さや先輩に。
「ああもう!あそこで転ぶなんて信じられない!!」
さや先輩は厚巻さんに対してご立腹のようだ。
「えーと・・・俺も巻き沿い食らいましたけど?」
「総合優勝したくせに調子乗るな。」
さや先輩が俺をど突く。
そう、結局俺達のクラスがまた優勝した。厚巻さんすら転ばなければ多分優勝できなかっただろう。ありがとう!厚巻さん!
俺達が片づけをしている間に次々と人が帰っていく。
そしていつの間にか生徒は俺とさや先輩だけになった・・・
「えーと・・・」
何で気まずいんだ?なんか二人だとつい意識してしまうのだが・・・
「な、何?」
「いや、あの誰もいないな〜とか・・・」
じゃねえだろ!余計俺意識するだろ!
「そうね。じゃあ私も帰ろうかしら。」
「ええ!?」
帰るのかよ!俺一人で後片付けさせるのかよ!
「そんなに帰って欲しくない?」
「当たり前でしょう!俺一人に押し付けるつもりですか!」
「うん。」
とびきりの笑顔で答えやがりましたよ。ありえねえ・・・もういろいろと・・・
「はぁ・・・もういいですよ。俺やっておきますから・・・」
なぜか体育祭の実行委員も帰って、遠くに見える教員もあんまりいない。
だから俺はテントを運ぼうとした。が、さや先輩に止められた。
「手伝うわよ。」
なぜか拗ねた口調のさや先輩。え?手伝ってくれんすか?
「ほら!」
俺はさや先輩と甘くない一時をそこで過ごしたのだった。
・・・
静かな部屋に一人の女性が電話をしていた。
「はい。はい。何も問題ありません。」
電話の相手は知らないが今話しているのは皇マイだ。
「・・・黙って見ていて下さっていいのですよ?お父様。」
そう言った途端に電話から怒鳴り声が聞こえる。しかしマイはそれに対して涼しい顔をしていた。
「もう手遅れですよ。私は止まらない。」
ピッと電話を切ったマイ。その顔にはいつもの優しさが欠片も無かった。
家に帰った俺は姉さんがいないことを知った。
「あれ?どこに行ったんだ?」
すると机の上に紙切れを発見した。
「何だこれ?しばらくアメリカに戻るわ。帰りの予定は未定。でも10月中に戻ります。あなたの愛しき姉マイより・・・って・・・」
イヤッホ〜〜〜!!姉さんがいないならまた羽を伸ばせるぜ!!
俺はまた後で姉さんが帰ってくるなら良いか、今は羽を伸ばそうという短絡的思考をしていた。
そう、この姉さんがアメリカに戻る意味を俺は深く考えなかった・・・
体育祭は終了です。
残りのイベントは修学旅行だけですかね。
カイ「久しぶりの次回予告!」
はなび「舞台は遊園地。わ、私とカ、カイのデート……」
カイ「赤くなるな!」
はなび「気付いてしまった気持ち……それはとても重大なもの」
カイ「確かに腹減ってるな。これは重要だ」
はなび「最近カイはわざと鈍感に振る舞っているように感じる今日このころ……」
カイ「??」