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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第二部 激動
35/104

第25話 演劇だ生徒会

仮タイトル名は三国志とスターウォーズ。

〜あらすじ〜

咲は俺のことを憎んでいる。

そんな咲と紆余曲折を経た。

そして咲が生徒会に加入することになった。

さて、生徒会に新しいメンバーが加わりました。

名前は美作咲。俺と同じクラスの高校2年生。

身長は小さめで可愛らしい顔立ちのためか中学生みたいな容姿です。

でもそんな彼女ですが実は大学をすでに卒業している一種の天才さんです。

だから仕事はきちんとこなす有能な人材なのです。

しかし彼女には欠点がありましてね・・・

俺のことを憎んでいまして未だに会話も成り立ちません。

相変わらずレイと俊哉ともあんまり話もしませんし。

まあこんな狭い部屋の中に集まっていると、やはり仲の良さは重要なことだと思うんですよ。

だから俺は提案することにしました・・・



「ふう・・・」

今日も全ての授業が終わって俺は伸びをした。

「やっと終わったな。じゃ、行こうぜ。」

レイと俊哉は俺と生徒会室に向かおうとした。

はなびは後で咲と来るだろう。咲が入ってからというものの俺と咲が会話をしないおかげでレイと俊哉も咲とは会話をしない。

この状況を何とかしたい思いが俺を今突き動かす。

「ちょっと待って。先に行っといてくれ。用があるんだ。」

「用?」

レイが首をかしげた。

「ああ。」

「じゃあ仕方ねえなあ・・・レイちゃん行こうぜ。」

「わかったわ。」

レイと俊哉は先に行ってくれた。後は咲を呼び出すだけなのだが咲は大抵はなびといるので誘いにくい。

どうしたものか・・・と思案すると、はなびが一人で女子トイレの方へ向かったのが見えた。

よって多分咲は一人。俺は咲を見つけて話しかけた。

「なあ・・・ちょっと話が・・・」

「・・・・何?」

相変わらず俺には愛想の無い顔をする。

「ここだとちょっと・・・」

「じゃあ聞かない。」

そう言って咲は教室を出ようとする。

「ちょっと待って!言うから!」

俺は咲の左手を掴んで引き止めた。

「何?この手は?」

俺はさっさと手を放した。なんか怒っているみたいに顔が赤い。

「す、すまん。えーと話と言うのは俺とお前のことだ。」

「・・・・・何それ。私とあなたは今何の関係も無いわよ。」

咲はまた出て行こうとする。

「だからとりあえず表面的には仲良くしてくれないか?」

俺はこの言葉が言いたかった。これで仲良くなれば生徒会も大丈夫だろう。

「・・・みんなのためにそう言っているのね・・・分かったわ。凄く嫌だけど表面的には仲良くしてあげる。」

咲は受け入れてくれた。生徒会の現状を何とかしようと思っていたのは咲も同じだったらしい。

「え?どうしてカイと咲が?」

そんなところへはなびが戻ってきた。

「ああ。一応仲直りしたんだ。」

「そうなのよ。ね?カイ。」

飛び切りの笑顔の咲。呼び方もカイになったし・・・これが全部演技なんて怖すぎる。

「ふうん。良かった。これでまた楽しく生徒会出来るね。」

はなびが笑顔だ。俺は複雑。だって実際は仲直りのふりだ。

「じゃあ私行くから!」

そういってはなびは走って行った。

「・・・」

咲ははなびがいなくなってから無言で歩き出した。

「ってオイ!」

「みんな見てないんだから私はあんたと仲良くなんてしないわよ。」

そう言って咲は歩いていった。表と裏をきっちり使い分けているなこいつ・・・

俺はため息をついて咲のあとを追った。



「はいカイ。これ印刷してくれない?」

「わかった。じゃあ咲はそこの文化祭の資料まとめておいてくれる?」

「任せて。」

以上俺と咲の生徒会室でのやり取り。

「・・・・」

みんな異様な光景を見ているような目でこちらを見ていた。

「はなびちゃんから聞いていたけど・・・あなた達なんか変。」

「変じゃありませんよ。これが普通だったんです。」

さや先輩の発言にはなびが返した。確かに俺たち3人は昔から仲良くて意気もあっていた。そのせいか、いくら咲が演技をしていてもそう見えてしまう。

「そ、そう・・・」

さや先輩は初めてうろたえていた。そして咲はそれを見て少し勝ち誇った顔をしていた。確か彼女はさや先輩に虐められたしな・・・それを返せて満足なのだろう。

「じゃあ俺印刷しに行ってくる。」

「俺も行くよ。」

俊哉も付いて来ることになったので俺と俊哉は二人で文化祭の資料を印刷しに行くことになった。

「なあカイ。」

「何だ?」

俊哉が俺に何かを訊いてきた。

「お前と咲ちゃんさ、いくらなんでも仲良くなりすぎてるんじゃないか?」

俊哉は不審そうに俺に訊いてきた。

「そうか?あれが普通さ。」

俺と咲は確かにあれがいつものやり取りだった。恋人と言うよりは相棒という感じのやり取り。

「う〜ん・・・お前どうやって仲良くなったんだ?まさかあのこと話したわけじゃないだろ?」

あのこととは多分俺の中の一番苦い記憶だろう。

「いや、話してない。ただ、みんなの目があるからと言った。」

「・・・それって表面的に仲良くなったんじゃねえか。」

「!!」

ついうっかり口を滑らせた。これでは水の泡だ。

「まあいいよ・・・咲ちゃんもお前のこと大した嫌いじゃなさそうだし・・・」

俊哉の呟きは俺には聞こえなかった。

「ん?」

「何でもない。まあお前の望みはかなえてやるよ。」

俊哉がそう言ってからは咲と仲良く話すようになった。

もちろんレイもだ。

これで生徒会は元に戻った。よきかなよきかな。



「さて諸君!」

次の日の生徒会室にさや先輩の声が響いた。

「もうすぐ文化祭である!」

俺達はさや先輩の言葉に耳を傾けた。

「今年は生徒会で何かをやろうと思う!!」

「え?生徒会はいつもどおり後方支援じゃないんですか?」

俺はさや先輩に訊いた。確か例年生徒会は文化祭を実行委員に任せてバックアップに回るはずだ。

「チッチッチッ・・・今年は例年と違うことがやりたいのだ。」

さや先輩が興奮気味に言う。

「では何やるか決めたんですか?」

俺はどうやら何かをやるのは決まったらしいのでその何かを訊いた。

「それを今から話し合うのよ。」

「そ、そうですか・・・」

俺まだ仕事あるのに・・・とか思いながら結局話し合いに参加する。

「じゃあ意見言ってねみんな。」

「さや先輩は何かあるんですか?」

ナナちゃんがさや先輩に訊く。

「そうねえ・・・無難に劇がいいと思うのよ。」

「劇ですか?どうして?」

俺はさや先輩に理由を聞いた。

「お化け屋敷は場所取りが面倒だし、喫茶店も同じく。ならあいている時間に練習できる劇なら・・・と思ったの。」

「なるほど。」

しっかりさや先輩は考えている。俺は感心しつつ納得した。

「じゃあもう劇でいいんじゃないですか?」

はなびが提案する。

「ちょっと待って。みんなは意見無いの?」

「私はSM「ほかに何か無いか?」うう・・・」

俺はナナちゃんの言うことを強引に遮った。いつもならはなびに口を塞がれる筈だがはなびはナナちゃんの向かいに座っているために防ぐことが出来ない。

「う〜ん・・・」

みんな考えていたが、結局意見は出なかった。

「じゃあ演劇でいいわね?」

俺達は一応演劇をやることに決定した。次は何のお話にするか・・・だ。

「じゃあ次はどういう話にするか、ね。」

俺達は考える。ちなみに俺は陳腐なものすら思い浮かばない・・・ちなみに頑張って思いついたのは三国志とスター・ウォーズという演劇では多分不可能なものだ。

「オリジナルはもう時間が無いから、すでに話が作られている奴ね。」

「う〜ん・・・」

やはり三国志とスター・ウォーズか・・・

「白雪姫とかシンデレラなら・・・」

咲が発言する。

「ふふ。中々いいわね。」

もう三国志とスター・ウォーズは言えない空気だった。つうか言わなくてよかった。

「じゃあどっちにするかは多数決で。」

こうして滞りなく白雪姫に決定した。ちなみに俺もそれにした。理由は特に無いけど。

「後は役ね・・・くじで決めたいのだけれど・・・」

「え?くじ!?」

俺は仰天した。くじだと白雪姫が俺になる可能性が・・・

「勘違いしないでね。もちろん男女分けるわよ。あと、人数足りないからエキストラもつれてきて欲しいな。」

確かに。俺は馬鹿だった。エキストラとは・・・誰にすれば・・・

「私呼んで来ます!」

ナナちゃんは走って行った。多分後輩5人組を呼ぶのだろう。そしてさや先輩も瀬川先輩を連れてくるのであろう。だがあと一人欲しいところだ・・・

「あと一人欲しいですね。」

「そうね・・・」

「ふっふっふ・・・」

その時また天井裏から声が聞こえた。

「誰だ!?」

「誰だ!?と訊かれたら答えないのが普通だが、まあ特別に答えてやろう。地球の破壊を防ぐため!地球の平和を守るため!愛と誠実の正義を貫く、キュートでお茶目な敵役!な初島美空ででーす!」

そう言って天井裏からひらりと宙返りしながら降りてきた。何故かパンツは見えなかった。奴も絶対領域の持ち主だと言うのか!?

「・・・で?」

さや先輩の声は冷たい。

「ふっふっふ・・・そんなこと言っていいんですか?私が折角手助けしてあげようと思ったのに。」

「別にいらないわよ。私の魅力なら簡単にもう一人連れてこれるから。」

おい。さりげなく自分の美貌を自慢するな。でも確かにさや先輩なら出来てしまうと俺は思っている。

「そ、そんな・・・」

一気に劣勢になった美空先輩。

「じゃあ用が無いんだったら帰ってね♪」

「うわ〜ん!」

そう言って土下座し始めた美空先輩。

「出させてください。お願いします。」

「ふふ・・・ご主人様は?」

さや先輩の目が完全にイッちゃっている。

「ご、ご主人様〜。私を演劇に出させてくださ〜い。お願いします〜。」

土下座しながらお願いする美空先輩をさすがに俺は哀れに感じた。

「もうそれくらいに・・・」

「そうね。」

あっさりとさや先輩は了承した。

「あなたも出ていいわよ。」

「あ、ありがとうございます〜。ご主人様〜。」

・・・・・今の発言は聴かなかったことにしておこう。

ガラガラ

「は〜い。今日もサディスティックな時間だYO!」

変なノリで瀬川先輩が出現。

ガラガラ

「遅くなりました〜。」

その後すぐにナナちゃん率いる後輩軍団出現。

そしてとうとう役決めになった。

「まずは王子だけれど・・・カイにしよう。」

「ええ!?何で俺!?くじは!?」

俺はいきなり役を決められて混乱していた。王子っていったら俊哉のほうが似合うと思うぞ。

「あなた何でも言うこと聞くって言ったわよね?」

「え?」

そんなこと言ったっけか?もし言ったならその時の俺の精神状態は異常だな。

「第21話を見なさい。」

「へ?ああ!!」

何てことを言ってしまったんだ俺は〜!!

「と、言うわけで俊哉は狩人で決定ね。」

「ああ。ま、頑張れカイ。」

俊哉は俺の肩にぽんと手を載せた。

「それじゃあ後はくじ引きね。まずは白雪姫!」

・・・・

異様な空気だ。何で?

はなびは顔を赤くしてるし他はそわそわしている。まあ主役には誰だってなりたいのかもな。

「恨みっこ無しで!」

そう言って先ほど作っておいたくじを俺に渡したさや先輩。

一応イカサマチェックをするが問題は無かった。

後は俺が引くだけ・・・では・・・!!

・・・・

・・・・

「発表します・・・白雪姫は・・・さや先輩!!」

「うそっ!!」

『エエ!?』

俺も驚いているが一番驚いているのはさや先輩だった。

「ちょっとなんかイカサマしてないわよね?」

何故かはなびは俺を睨んで言う。

「アンタさや先輩が美人だからってわざと選んだんじゃない?ってことよ!」

はなびは俺に不平を言う。さや先輩じゃなくて俺に言うところがらしすぎる。

「ちょっと待てよ!俺そんなことすると思う!?」

「し、しないと思うけどさ・・・でもなんか言わなきゃ気が済まないのよ!」

はなびはずいぶんと理不尽な理由で俺に怒鳴る。まさか自分がいっぱい出たかったのだろうか・・・

「そんなに出番欲しいならお前の役の出番増やせばいいじゃん。」

「は?」

みんなが俺を呆れた目で見ているような・・・

「アンタ私が何考えてると思ってる?」

「え?出番が欲しいんじゃないの?」

俺は間違ったことは言っていないと思うぞ。

「バカ。もういいわよ。余計なことしないで。」

また怒られました、はい。よくはなびには訳が分からないことで怒られるのでもう慣れましたよ。

「じゃあ他の役決めましょう?」

そう言って次々と決まった。

で、結局役はこうなった。


王子  カイ

白雪姫 さや

魔女  レイ

妃   ゆう(二人一役)

鏡   咲

狩人  俊哉

小人達 ナナ

    はなび

    美空

    那穂

    由美

    美代子

    久美


じゃあ明日から練習スタートね!

『はい!!』

俺達はみんなで返事して今日は解散した。しかし生徒会メンバーは残って台本製作にかかった。あまり時間も無いのでネットから引っ張り出してきた内容を少し変えるだけだったが・・・

そして俺達は練習を開始した。



そう、開始した。



一応書き溜めしてます。



実は感想をくれてとても舞い上がっている沙希です。

感想有難うございます。



本当に第6話と第15話が人気です。

あと第19話も。将来的に第22話も人気が出そうです・・・



カイ「次回予告だぞ」

さや「次回はメイドさんによるご奉仕タイム!」

カイ「マジかよ!」

さや「マジよ」

カイ「いやあ楽しみですねえ」

さや「(フフフ。あの顔が苦痛に歪むのが楽しみだわ)」


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