第∞話 続くエピローグ
第一部エピローグです。
部屋の中は薄暗くて静寂に包まれている。
時折する物音もどこか無機質である。
薬品のにおいしかしないこの部屋には一人の女性しかいなかった。
その女性はタバコをふかしながらどこかを空虚に見つめていた。
あの日から自分の運命は変わってしまった。
どうしてこんなことになってしまったのか。
父親のことを憎んだこともあった。
しかし私は由緒正しい皇家の後取りだ。
父親に反抗することは許されない。
そのままだらだらと時間は流れた。
しかし私はいつまでも子供ではない。
留学の後に飛び級で大学を速攻で出て、薬剤師となった。
テレビにも出演することもある。
そこで名声を高めた私は家柄の影響もあって研究室を手に入れた。
その研究室で私は「彼」との約束を守るためのことをしている。
私は今なんでここにいるのだろう?
人生が虚しい。所詮は人に捧げた人生だと理解してみても。
だから頑張った。結果が欲しかった。
しかしその結果すら虚しかった。
私はある一つの決意をする。
私は「彼」を守りたい。
私は「彼」を救いたい。
そして「彼」について思案することになる。
そろそろ限界かもしれない。
私は「彼」についてそう考えている。
もう時間がない。
早くしなければ彼は消滅してしまう。
そう、彼、蛟刃カイは。
いや・・・皇カイは。
まだ何も始まってはいない。
全てはここから。
そう、ここから
第1部<終>
この女性は既にもちろん出てきています。
分かると思いますが。
ちなみに最初の「彼」とそれからの「彼」は別人です。