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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第一部 日常
24/104

第19話 夏合宿な生徒会

仮タイトルは「それそれの夏合宿」


〜あらすじ〜

俺達生徒会メンバーは今、夏合宿としてさや先輩の姉のまや先輩のペンションに行った。

そこで俺達はビーチバレーを楽しんだ。

俺達は日が暮れるまで海で遊んだ。

そしてその後にペンションに戻っていった。

「おかえりなさい。」

『ただいま。』

まや先輩の挨拶に俺達も返した。

「もうすぐ夕食の準備出来るから。みんなシャワー浴びたらここに来てね。」

そう言うとキッチンに戻っていった。さりげなくキッチンにカズ先輩が見えた。

「じゃあシャワー浴びたらここに集合ね。」

そう言うとさや先輩はあらかじめ振り分けられた部屋に戻っていった。

もちろん俺も振り分けられていた。しかも一人部屋。シャワールームつきでベッドはふかふか。

部屋一つだけで俺のアパートより豪華だ。ずっと過ごすのは息が詰まりそうだが、たまにはいい。



俺はシャワーを浴びて夕食を食べにリビングに向かった。

「おう。俊哉、早いな。みんなは?」

俺は一番早く来ていた俊哉に言った。

「まだ。女の子はこういうの時間かかるからな。」

「そうなのか。」

「ああ。覚えておけよ。」

俺はよく分からないが、女の子がシャワー浴びるのに時間がかかるのを覚えた。

そしてみんなが揃うまで俺達は待った。

「うわあ・・・豪華です・・・」

「俊哉君の家と並ぶぐらい凄いね。」

ナナちゃんとはなびは感心する。しかしやはり俊哉とさや先輩は慣れているのか、比較的反応が薄かった。

「太るかも・・・」

レイがみんなに聞こえないようにポツリと呟いた。・・・俺には聞こえているが。

「じゃあみんな遠慮なく食べてね。」

まや先輩とカズ先輩も席に着き、みんなで挨拶して食べることにした。

「これ・・・おいしいな・・・」

俺もポツリと感想を漏らすほどまや先輩とカズ先輩の料理は美味しかった。

「これ美味しいですね。」

俺はまや先輩とカズ先輩に言った。

「そう?ありがとう。」

「・・・ありがとな。」

まや先輩は多少恥ずかしそうに、カズ先輩はぶっきらぼうに言った。



そして俺達は夕食を食べ終わった。一応みんなで食器も洗った。

「じゃあ待ちに待った肝試し大会!!」

パチ!パチ!パチ!

みんなで拍手をした。

「じゃあ早速だけどペア決めね。」

「はいはーい!」

さや先輩が言ったすぐ後にナナちゃんが手を上げる。

「何かしら?」

「私カイ先輩と組みたいです!」

「ちょっと!」

ナナちゃんが言ったすぐ後にはなびがそれを止める。ていうか止めてください。いやな事を思い出す。

「まあまあ。ここは公平にくじ引きにしない?」

レイが提案する。

「そうだな。」

俺と俊哉はそっちに賛同した。

「じゃあくじ作るわね。」

さや先輩はくじ製作を開始した。

俺達はイカサマしないようにさや先輩を見張った。

そして・・・

「完成!!」

くじが完成したらしい。さっそくやることにする。

「じゃあ公平にはなびちゃんから。」

「え?私?」

はなびはくじを引いた。そこにはBと書いてあった。ようするにもう一人のBと組むのだ。

そしてはなびの目線がずっと俺の方を向いている。

そして次はナナちゃんの番だ。ナナちゃんはお祈りしながらくじを引いた。

結果は・・・A。

「さあはなび先輩!恨みっこ無しですよ!」

「そうね。さあ掛かってきなさい!」

はなびとナナちゃんは一体何で争っているのか疑問だった。

「次は俺だ。」

俊哉は手を突っ込んですぐ出した。

・・・Cだった。よってはなび、ナナちゃん、俊哉は違うペアになる。

そして俺の番になった。

俺はくじびきに手を突っ込んだ。

そして躊躇いも無く、出す相手のことを必要以上に気にせずに開いた。そこに書いてあったのは・・・C。俊哉と同じ。

「ちょっと待って〜〜!!」

「そうです!!」

はなびとナナちゃんが講義をしてきた。

「え?」

「え?じゃねえよ。男と二人で肝試しなんて気持ちが悪い。」

俺に俊哉が言った。・・・確かに。

ナナちゃんにもいわれ、俺はさや先輩にもう一度始めからのやり直しを提案した。

「まあいいわよ。」

そうしてくじ引きをもう一度することになった。



結果、俺は無難にレイと組むことになった。多分一番無害だろう・・・

はなびと俊哉。

「悪いな。俺で。」

「別にいいわよ・・・レイなら大丈夫だし。」

レイの心配をしているのか?

そしてさや先輩とナナちゃんが組むことになった。

「行くわよ。」

「カイ先輩!先輩と組めなかったことは非常に残念です!」

ナナちゃんは言葉とは裏腹に全然残念そうじゃない。

「俺はまあ・・・ほっとしてる。」

つい本音が漏れた。

「ああ!そういう時男性は残念って言うものですよ!」

ナナちゃんが俺に説教する。

「わかったよ。」

俺はナナちゃんとの会話を終わらせてレイの元へ行った。

「・・・私でいいの?」

レイはいつも通りの無表情で言う。

「いいに決まってるだろ。それともお前は嫌か?」

「・・・別に。」

本当に感情を感じ取りにくい。だからこそ少し不安になる。

「お前って俺のこと嫌いか?」

「嫌いな人と同じ場所でバイトするのはおかしいでしょ。」

・・・俺を嫌ってはいないらしいのだが、やはりよく分からない。

「わかった。よろしくな。」

「こちらこそ。」

俺達はそう言って握手した。



「じゃあ俺達は最後だから少し待ってようぜ。」

俺とレイはペンションで待つことにした。肝試しの道順を辿っていけばペンションに戻ることが出来る。つまりペンションはスタート地点かつゴール地点でもある。

「・・・」

「・・・」

会話が無い。レイと二人だとたまにこういうことがある。

「なあ・・・」

俺が耐え切れずに口を開く。

「何?」

相変わらず感情がこもっていない。

「お前肝試しは初めて?」

「・・・そうね。」

少し思案した後レイはそう答えた。しかし次の話へと繋げることもしない。

「楽しみか?」

俺は何でこんな会話をしているんだ?

「・・・普通。」

無難な回答。話は全く盛り上がらない。レイから話をするときはそれなりに盛り上がるのに。

「何ていうか・・・」

「つまらないでしょ?私全然話題持ってないから。」

レイが今は初めて俺に話しかけた。

「いや・・・そんなことはない。」

「そう。優しいのね。やっぱりあなたは。」

レイは俺から目をそらして夜空を見上げた。

「・・・」

「・・・」

何かしゃべってくれよ・・・俺は時計に視線を向けた。

「おい。時間だ。行くぞ。」

俺はそう言ってレイと共に肝試しを開始した。

「・・・」

「・・・」

静寂だよ。レイの方へ顔を向けるが感情が読めない。

「なあ・・・怖くは無いか?」

俺は一応肝試しならではの質問をする。

「あなたは怖いの?」

「怖くねーよ!」

ついムキに言い返してしまった。

「ふふふ。」

すると突然レイが笑った。

「何がおかしいんだよ?」

「あなたといると、あなたをからかいたくてしょうがないの。」

そう言っているレイは楽しそうだった。どうやらレイは俺をからかうことに至福の喜びを見つけるらしい。性格悪いぞ。

「そんなに?」

「ごめんね。私の趣味みたいなものだから。」

そういうレイはちっとも悪いと思っていないらしい。だって笑顔だ。

「へいへい。っと。」

俺は躓きそうになった。

「気をつけたほうがいいわよ。足元暗いんだから。」

そう言って俺の前を歩き始める。男としては格好が悪い。

「ちょっと!俺が先導する。」

俺はレイの肩を捕まえて止めた。

「キャッ!」

レイは悲鳴を上げて後ずさった。

「わっ!一体どうした!?」

俺はレイの悲鳴にびっくりした。

「何でもないわ。少し驚いただけ。」

レイはそう言うとまたすたすたと早足で先に行ってしまう。

「ちょっと待ってよ!俺が先に行くから!」

俺は男としてのプライドを守るために言った。

「別に無理しなくてもいいのよ?」

レイは視線をこちらに向けずに構わず歩き続けた。

「そうじゃなくて!俺は男としていっているんだ!」

俺は結局本音を口走った。逆に格好が悪いかもしれない。

「大丈夫よ。別にその程度のことで私はあなたを評価しないから。」

そう言ってさらにスピードを早める。

「お前何焦ってんだよ。」

俺は早歩きのレイにそう訊いた。

「別に焦っていないわ。あなたこそ焦ってるんじゃないの?」

ここまで焦っているレイを見るのは初めてだった。

「お前・・・まさか怖いんじゃないか?」

俺がそう質問するとピタッと足が止まるがすぐに歩き出した。

「え?マジ?」

俺はその無言が肯定だと思った。

「こんな森に長くいると蚊に刺されそうだわ。」

レイが再び話したが、俺は半信半疑だった。しかしここで勘違いでした・・・だったら凄く恥ずかしい。相手はあのレイだ。演技ということも考慮しなければならない。

そこで俺は策を立てることにした。今回はレイの策には引っかからないようにしなければ。

レイが怖くないなら脅かしても驚かないはず。驚かなければこれはレイを脅かそうっていうみんなの作戦だ、と言う。

その後が勝負。レイに感づかれないように地図をわざと無くす。しかし地図を覚えている可能性がある。

それには偽者の地図で対抗・・・却下。覚えている場合には寄り道させて迷わせる。・・・これだと俺も素で迷う可能性もある。しかしこれでいく。

地図を無くしたら俺達は迷うだろう。俺はその間にペンションのさや先輩達に協力を要請する。そうしてレイの連絡手段を取っ払う。

レイが不安になったところで俺達が襲撃。少し可哀想だが、これで俺は仕返しが出来る。・・・ていうかレイの驚いた顔が見たい。

早速作戦を実行する。

「ギャアア!!」

「キャアア!!」

あれ?何だこの反応・・・まるで怯えているみたいじゃないか・・・

「ど、どうしたんだ?」

しまった・・・これがレイの作戦だったら・・・

「ごめんなさいごめんなさい。許してください許してください。」

レイの反応は予想外だった。これはまずいかもしれない。

「だ、大丈夫か!?」

「うん・・・」

俺がそう言うとレイが落ち着きを取り戻した。

「ごめん。お前が怖がると思わなかったから。」

俺は謝った。まさか本当に苦手だったとは・・・

「もういいわよ。私もつまらない意地を張っていたんだし。でも、誰にも言わないで。」

レイがそう言うので俺は「わかった。」と返した。

それにしても意外なものが苦手なんだな。

「でも罰として私をエスコートしてね。」

結局最後はいつものレイに戻った。

「はい、お姫様。」

俺はそうしてレイをエスコートしてペンションに戻った。



ペンションに戻った俺達は先ほどの肝試しについてみんなに訊かれた。

なお、レイのことは全く言わなかった。約束したから当たり前だけど。

「本当に怖かったんですよお。」

ナナちゃんが笑顔で言う。ていうか怖いのに笑顔って無いだろ。

「はなび達は何か面白いことあった?」

俺がはなびと俊哉に話題を振る。

「いや、特に。」

俊哉は平然と言う。

「そうよ!何か勘違いしてる!?」

何の勘違いだか知らないが、俺は何故はなびに怒られている?

「ふうん・・・さや先輩は?」

俺はさや先輩に訊いた。

「強いて言えば、ナナちゃんが一番怖かった。」

「な、何でですかあ!?」

ナナちゃんが愕然とした。

「だってこの子なんか怖くも無いのに抱きついてくるし。」

「仕方ないんですよ。」

「仕方ないで済ますな。」

俺が即座にツッコミを入れた。ちなみに自己最速ではなかった。

「まあ、楽しめて何より。明日は町に出ようか。」

そうさや先輩が取り仕切って明日の予定も決まった。

「じゃあもう寝るか。」

俺は寝ることにした。

そんな俺に触発されてみんな自分の部屋に戻る。

俺は部屋に入ってベッドに寝転がった。そして今までのことを反芻していた。

生徒会に入るきっかけのこと、ナナちゃんと出会ったこと、レイと友達になったこと、はなびと喧嘩したこと、球技大会、水泳大会のこと、そしてさや先輩が俺を導いてくれたこと、・・・そんなことを考えていたらいつの間にか眠気に襲われて俺は意識を手放した。



・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「わっ!トイレトイレ!!」

俺は突然トイレに行きたくなって目覚めた。俺は寝ぼけているのかトイレまで行ったはいいが、帰りどうしたのかが全く覚えていなかった。確か布団に入ったことは記憶している。



・・・

息苦しい・・・

何かに締め付けられている・・・

俺は目を開けた。

どうやら朝のようで周りは明るかった。が、しかし俺は身動きが取れない。

「何だこれ?」

俺を締め付けているのは人の手だった。

「え!?俺、今締められているのか?」

いや・・・抱きつかれてるといった方がいいだろう。

俺は何とかはがそうとするが、あまりの力でびくともしない。・・・なんて力強さだ。

さらに力を入れるが全然駄目だった。しかも起きない・・・ん?起きない?

俺は嫌な予感がして俺に抱きついている人物の顔を確認した。

・・・

予想通りではなびだった。

俺的にははなびが何故ここにいるのか疑問だった。俺は確かトイレで起きて、部屋に入って寝た・・・ということははなびが俺の布団に入り込んだということか。

その時ドンドンドンとドアをノックする音が聞こえた。

「はなび先輩〜起きてますか〜?」

ドンドンドン

まずい・・・この状況を見られるのは非常にまずい。そしてはなびが起きても非常にまずい。

俺は物音を立てずにナナちゃんが行くのを待った。幸い部屋には鍵がかかっている。多分俺が寝ぼけながら掛けたのだろう。

・・・ん?俺はおかしいことに気づいた。何ではなび先輩ってナナちゃんは呼んでいるんだ?

そこで俺は最悪な可能性を考えた。まさか部屋に忍び込んだのは俺・・・そしてこの部屋の主ははなび。

俺はいきなり最大の危機に陥った。ていうかはなびは寝るときに自分の部屋に鍵を掛けなかったのかよ。多分いつもの癖でそのまますぐに寝たのだろう。

「まだ起きてないんですね〜。じゃあまた後で行くか・・・」

ナナちゃんの気配が消えた。俺はここからが勝負といわんばかりにはなびの腕を引き離しに懸かった。

しかし両者一歩も譲らない戦いが続く。俺は疲れと煩悩で頭がおかしくなりそうだった。何せこんなことをしているせいで両者のパジャマは完全にはだけていた。はなびに至ってはズボンが完全に脱げていた。

「くっ・・・」

このときの俺はもう一人の気配が近づいていることに気づかなかった。

そのまま俺は何とか体制を整えようとする。

そして邪魔な布団を何とかどけて俺がはなびの上に行くことに成功した。そして俺は精一杯力をこめた。そしてはなびの腕は何とか解けた。

しかしそれとこの部屋の鍵がピッキングで開けられるのは同時だった。

「あ・・・」

「あ・・・」

俺とレイの視線がぶつかり合う。俺は冷や汗を流した。何でピッキングしてんだよというツッコミすら浮かばなかった。

「えーと・・・これは・・・その・・・」

俺がうろたえる。レイの見ている光景。俺がはなびの上に馬乗り。はなびは手を解いて無抵抗。はだけたパジャマ。そしてこの部屋に鍵が掛かっていた。

ここからレイは一つの結論に結びつけた。

「朝這い?」

「断じて違う。」

俺は全力で否定した。

「そう?隠さなくてもいいのよ。」

「俺の言葉が真実。」

俺は汗がダクダクだった。

「・・・弁解を聞きましょう。」

レイは感情のこもっていない声でそう言う。一番やりにくい。怒っているのか、面白がっているのか分からない。

「俺が寝ぼけて昨日の夜にはなびの部屋に入った・・・んだと思う。」

「へえ・・・ずいぶんと自信がないのね。」

レイはこの状況をどう思っているのだろうか。

「だって寝ぼけていたんだ。分かるわけないじゃないか。」

「じゃあはなびに何かしてしまっても覚えていないってことよね?」

レイの発言に俺は青ざめる。まさか俺ははなびに何かしてしまったのでは?しかも何かしてしまっても思い出せない。

「お・・・俺・・・何かしちゃったのかなあ?」

俺はレイに助けを求めるが、目線をそらされて拒否された。

「はなび先輩!あ、レイ先輩、おはようございます。ん?」

俺とナナちゃんの目が合った。ちなみに俺は今もはなびに馬乗りの状態だ。

「うわあ・・・なかなかカオスになってますね〜。」

ナナちゃんは俺のその光景を見て驚きと呆れが半分半分の顔をした。

「いや、だからこれは訳があってだな・・・」

「訳ですか?そんなことよりしたんですか!?しなかったんですか?」

俺にナナちゃんがそう訊いてくる。

「いや、していない・・・と思う。」

俺は自信なさ気に答えた。だって覚えていないし・・・

「ナナちゃん、ベッドに血の染みがなければ大丈夫よ。」

レイがナナちゃんにそう言う。

「分かりました。・・・・無いですね。」

ナナちゃんははなびのベッドを調べた。そして染みはなかったらしい。

「あなたは無罪ってことになったわ。」

「良かった〜。」

俺はほっとした。何とか助かった。

「ホッとするのはいいけど、早く退いた方がいいわよ。」

「え?」

俺が視線をはなびに戻すとはなびが俺を見つめてきた。

「あれ?はなび、おはよう。」

俺ははなびに挨拶した。しかし俺ははなびに馬乗り、そして双方のパジャマがはだけている。

「・・・」

俺はそのことに気づかずに無言のはなびを見ていた。

「何・・・してんのよ!!」

俺ははなびに胸倉を掴まれてそのまま巴投げをされた。

「イテ!」

俺は壁に頭をぶつけた。そして意識が朦朧としてきたので俺はそれに乗ることにした。



目覚めたとき、俺はペンション内の自分の部屋にいた。

「あれ?確か俺は・・・」

俺は体を起こした。そうすると机の上に一枚の紙切れがあった。

何だこれ?と思いながらそれを取ると、「ゴメン。やりすぎた。勘違いってレイから聞いたから。本当にゴメン。はなび」と書いてあった。

・・・ん?みんなどこにいるんだ?

俺はリビングに向かった。

「あの〜?」

俺はリビングの中に入って誰かいないのかな?と人を探した。

「んあ?ああカイか。」

カズ先輩がいた。

「あの、みんなは?」

俺は恐る恐る訊いた。

「買い物なんだと。お前じゃないもう一人の男・・・えーと、トシ・・・トシ・・トシキ?」

「俊哉です。で、俊哉はどうかしたんですか?」

「女共の買い物の荷物もちをしている。」

「うわあ・・・」

俺は5人の女性の買い物の荷物もちになっている自分を想像して俊哉が可哀想になった。

「じゃあカズ先輩だけですか?」

「ああ。というわけでお前のためにわざわざ飯作るのめんどいから昼はカップ麺な。」

俺の昼飯はカップ麺に決まったらしい。どうやらこの豪華なペンションにもカップ麺はおいてあるらしい。俺はカップ麺の偉大さに感心した・・・もちろん昼がカップ麺だけという現実から逃避するためであるが。

「はぁ・・・」

自分の蒔いた種だし・・・と俺は思った。しかし自分で作るという選択肢もあったので訊いてみた。

「お前料理出来るのか?」

カズ先輩が疑わしそうにしていたので俺は反論した。

「出来ますよ。一応3年ほど一人暮らしなもので。」

「へえ・・・そんなにしてんだ。」

その後俺は一人暮らしの面倒臭さを語った。しかしカズ先輩は俺の話はあまり興味ないらしく、早く作れと言うだけだった。



「どうよ?」

俺は自慢げに料理を出した。

しかし・・・

「お前さ、食材全部使っただろ?」

「はっ!つい張り切りすぎた!」

カズ先輩は俺を「使えないな・・・」みたいに思っていそうな目で睨む。

「うう・・・」

俺達は買い物に行ったさや先輩達に食材を買うのを頼んだ。

これで一安心。


かと思ったが・・・



プルルルル・・・♪

さや先輩からだった。

「はい、もしもし。」

「あ、カイ?ゴメンね。今日遅くなるからカズ先輩と二人で何か食べてね?」

プチッ

電話は一方的に切れた。俺はさや先輩に食材が尽きたことを伝えていない。だからまだ食材があるのだろうと思っているのだろう。

そしてこの日、

俺達の夕食はカップ麺に決定した。



その後11時ぐらいにみんな帰ってきた。

こんな時間まで何してんだ?

「ごめんね。パレード見てたら遅くなっちゃった。」

何のパレード!?ていうかパレードって何!?ここの近くに遊園地でもあるのか!?

俺は疲れていたためにこんなツッコミすら返すことだ出来なかった。

「じゃあね。おやすみなさい。」

「おやすみなさい。」

俺は最後にさや先輩と挨拶して部屋に戻った。

そして楽しい時間はあっという間に過ぎていってとうとう7日目・・・帰る前日を迎えた。



そう、迎えた。


次回とうとう第1部最終話


まだ全然物語の核心に迫っていませんが。


さや「次回予告」

カイ「とうとう終わってしまうのか……」

レイ「大丈夫よ。終わるのはカイの人生だけ」

カイ「俺の人生かよ!」

ナナ「そして気づいてしまった気持ち。どうして浮気なんかしたの?ねえ?答えてよ。あの女が悪いんだよね。あの女が先輩を誑かしたりするからいけないんだよね?そうでしょう?」

はなび「壊れてる人はほおっておいて……」

俊哉「第1部は次回で終了!」

さや「ここまで読んでくださり、有難うございます」

カイ「無難に締めただと……!?」


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