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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第一部 日常
20/104

第16話 七夕祭りと生徒会

仮タイトルは「二人っきりの場所」


〜あらすじ〜

水泳大会は俺達の優勝で幕を閉じた。

次の大きなイベントは七夕だ。



あとがきに後日談があります。

水泳大会が終わった。

そして七夕がもうすぐやってくる、今日この頃。

俺、蛟刃カイは今日も生徒会で仕事をしています。

「もうすぐ七夕ね。」

いつものように雑務しながらさや先輩が突然言う。

「どうかしたんですか?」

俺はその会話に乗ることにする。

「みんなで七夕祭りにいかない?」

「いいですね!」

「賛成です!」

さや先輩の提案にはなびとナナちゃんが一番速く賛成した。俺はどうしようか・・・

「カイは確定として、俊哉君とレイちゃんはどうする?」

「俺確定かよ!!」

「それで二人ともどうする?」

「スルー!?さすがさや先輩はスルーも優雅ですね!!」

「カイ、五月蝿い。」

俺、撃沈。

「う〜ん・・・まあ大丈夫だと思いますよ。」

俊哉が答える。

「私、お祭り初めてだけど・・・」

レイはお祭りに行くのが始めてらしい。珍しいな。

「大丈夫よ!!楽しいから行きましょう?」

はなびがレイを執拗に誘う。強引は如何ぞ?

「そこまでいうなら・・・」

そう言ってレイも引き受けた。

「じゃあ全員と言うことで。カイ、あなたは罰として残りの仕事全部やりなさい。」

「ええ!?俺何かした!?」

「別に。ただあなたに命令したいだけ。」

なんかさや先輩のサディストぶりが今日はやばいな。

「へいへい。」

オレは渋々といった感じで返事する。

「そんな返事で良いと思っているの?」

俺は寒気がしましたよ、その凍りつきそうな笑みに。

「すいませんでした。全力でやらせていただきます。」

「じゃあみんな帰ろう?」

そう行ってレイを除いて帰った。

「お前は帰らないのか?」

「自分の仕事を人にやらせたくないだけ。」

そう言ってパソコンに向かっていた。正直ありがたかった。俺は唯一レイの仕事だけは苦手だ。アナログ派だし。

そうして俺は今までのどの仕事よりも全力で行なった。

「はぁ・・・終わった・・・」

何とか凄い速さで終わった。集中してて気づかなかったがレイは既に終わって読書をしていた。

「あれ?終わってたの?早く帰っても良かったのに。」

「あなたを待っていたの。一緒に帰りましょう。」

レイに直接そんなこと言われると照れるな。

「えーと・・・俺と帰りたいの?」

こういうとき素直じゃない俺は何か訊いてしまう。悪い癖だ。

「はなび風に言えば、べ、別に他意はないのよ。ただもう夜遅いから送りなさいよ。みたいな感じ。」

はなびを真似た様だが、勢いが無くただ淡々と台詞をしゃべっている感じであまり似ていなかった。

「ああ、そうだな夜も遅いし。」

俺はそう言ってレイと帰った。



七夕の日、俺達はいったん帰ってから神社に行くことになった。

俺は制服から私服に着替えて神社に向かった。

そこに最初にいたのはさや先輩とはなびだった。

「あ、こんばんわ〜。」

「あ、カイ。」

はなびが反応する。

「まだみんな来ていないんですか?」

「そうね。まだ待ち合わせより30分早いし。」

さや先輩はきれいな着物を着て言った。本当に綺麗だ。もちろんさや先輩もかなりの美人なので相乗効果という奴だ。

「むっ・・・」

はなびが俺を睨んできた。

「こらこら。嫉妬しちゃ駄目よ。」

さや先輩がはなびをちゃかす。

「し、してません!カイがさや先輩を変態的な目で見るからいけないのよ!」

「見てねえよ!!」

いつものやり取りが始まった。

「ひゅ〜。夫婦喧嘩?」

「「誰が夫婦だ!?」」

「おお。息ぴったりだな。」

そう言いながら俊哉がやって来た。

「お待たせ〜。」

そしてナナちゃんが可愛い着物でやって来た。

そういえばはなびの奴の着物を褒めなかったな・・・そのことに後悔した。多分後で五月蝿く言われそうだな・・・

「ごめんなさい。みんなもう来ていたのね。」

最後に現れたのはレイ。しかしその服装は凄かった。着物の綺麗さと本人の綺麗さが合わさって完璧に似合っていた。さや先輩にも負けないだろう。

「ほう・・・なかなかのセンスだな。」

俊哉も感嘆していた。そういえばはなびが睨んでこないな・・・と思ったらその本人もレイの着物に釘付けだった。

「な、何?どこかおかしい?」

レイが不安そうに聞く。

「いや、全然大丈夫だよ。綺麗で良く似合っている。」

俺がみんなより先に答える。

「あ、ありがと。・・・はなび、本当に彼天然ジゴロね。」

「やっぱりそう思う?」

レイが恥ずかしがりながら礼を述べてはなびに何かを耳打ちした。

「じゃあ早いけど全員揃ったから行きましょう?」

そう言ってみんなで歩き始めた。

「それにしても込んでいるな?」

「そうね。」

俺の言葉にレイが返す。

「キャッ!」

レイがバランスを崩した。着物の裾でも踏まれたのだろうか。俺は急いで抱きとめて人ごみからレイを連れ出した。

「大丈夫か?」

「大丈夫よ。心配してくれて有難う。」

そう微笑を見せてくれた。共に笑い合うという俺の願いは叶ったようだ。

「ねえ。みんなは?」

レイが訊く。

「は?みんな周りに・・・いねええええ!!」

俺は周りを見渡したが、人ごみから離れてしまったので逆に見失ってしまったようだ。

「連絡しないの?」

「そ、そうだな・・・」

俺は慌ててみんなと連絡を取ろうとしたが携帯が見つからない。どうやら家に置いてきたかも・・・何てドジをこんなときに・・・

「はぁ・・・仕方ないわね二人で探しましょう?」

「お前は携帯どうした?」

「私も置いてきた。」

「何がはぁ・・・だよ。お前だって同じじゃないか。」

俺はレイの反応にムッとしてつい不機嫌に返す。

「ごめんなさい。私感情表すの下手だから・・・」

そう申し訳なく謝ってきた。何だか俺自身が馬鹿馬鹿しくなった。

「いや、こっちこそゴメン。大人気なかった。」

そう共に謝るとどちらともなく笑い始めた。

「じゃあ行きましょう?エスコートしてね。」

「はい、仰せのままに。姫。」

笑い終わった後に俺達はまともに探すのを始めた。



「ねえあの袋なあに?」

「綿飴だよ。」

「金魚がいっぱいいるわ!」

「そりゃあ金魚掬いだし。」

「あの瓶に入っているの何?」

「ラムネだよ。名前は知っているだろ?」

「こんな所で調理して安全面大丈夫かな?」

「いやそれが屋台の醍醐味だよ。」

俺はまるで子供のように目を輝かせてキョロキョロしながら質問しているレイに一つ一つ答えた。

「凄いわ・・・なんか新しい発見ばっかりよ。」

レイは素直に感嘆している。俺はそんなレイを綺麗ではなく可愛いと思ってしまった。

「何?」

いつのまにか凝視してしまったらしい。気を付けなければ。

「いや何でもない。とりあえず・・・おっと、ちょっとこっちに来てくれ。」

俺はあることを思い出してレイの手を引っ張る。

「ちょっと。どこに行くの?」

「いいからいいから。」

俺は神社の奥地に進み、山を登った。

「こんな所で何を・・・?エッチなことじゃないでしょうね?」

「そんなわけないだろ!」

「分かってるわよ。」

気づいていたさ。冗談だってことは。でも否定しなきゃおちょくられるじゃないか。

そうこうしているうちに目的地にたどり着いた。

「ここ・・・は?」

レイが疑問に思うのは無理も無い。ここは少しスペースが空いているが何も無い場所だからだ。

「あれを見てみろよ。」

俺は町の方を指差した。ちょうど町を見下ろせる場所だ。

「綺麗・・・」

「だろ?」

どうやらお気に召したようだ。レイの顔が笑っている。

「ここはまだ誰にも話していない、秘密の場所だ。」

「でも私にばれてしまったわね。」

「だからこれからは二人だけの秘密・・・って奴だ。」

俺はその響き何だかいいな・・・とか思いながら言った。

「ふふ・・・」

レイは何を考えているか分からない笑みをこちらに向けた。

「そろそろかな?」

ドーン!ドーン!ヒュルルルル〜ドーン!

花火が一斉に撃ちあがった。

「凄い・・・」

レイは完全に気に入ってくれたようだ。

「気に入った?」

「ええ。とても。」

レイは視線を花火から外さずに言った。

「良かった。じゃあ何かお互い悩んでたらここで打ち明け合おうぜ。」

「そうね。それもいいかもね。」

俺とレイは花火を見続けていた。

「はなびに申し訳ないわ。」

突然ポツリと言葉をこぼした。

「え?花火じゃなくてはなび?」

「そうよ。」

どうして申し訳ないんだ?・・・分からない。まあレイの言うことは分からないものが多いしな。

「まあでも・・・これが見れたからいいわ。」

最後にレイは本当に笑ってくれた。それは今までとは違う笑顔だ。これが彼女の本当の笑顔の気がした・・・



俺達は急いで山を降りた。

「まずいぞ・・・さや先輩たち怒ってる。」

「一番怒るのは多分はなびね。」

そう、俺達は祭りに夢中でいつのまにかさや先輩達を探すのを止めてしまった。急いで探索を再開した。

「二人で楽しそうね?」

背後から声が聞こえた。振り返ってみると青筋をぴくぴくしながら立っているさや先輩だった。

「いや。その・・・えーとですね・・・」

「アンタ、レイと二人きりで何してたのよ!!」

「別に何もしてねえよ。」

俺は秘密のことがばれたくなかったのでそう言い返した。

「嘘ですね!絶対エッ・・・ん〜〜〜(もがもが)」

「あんたは黙ってなさい!」

何かを言おうとしたナナちゃんの口をはなびが塞ぐ。何を言おうとしてたんだろう?

「ふうん・・・なんか楽しかったみたいじゃない・・・」

さや先輩が何故か拗ねた様な顔をする。

「ええ。とっても。」

レイはにっこりと嫌味ったらしい笑みを向けた。

「・・・始めてあなたにむかついたわ。」

「ふふふ・・・」

何か一触触発の危機だったので俺は慌てて二人の腕を掴んで走り出した。

「ちょっと!」

「一体何!?」

二人が反論するが俺は無視だ。後から「待ちなさいよ!」「待ってくださ〜い。」とはなびとナナちゃんが追いかけ、俊哉が微笑んでそれについていった。

「今日は楽しいな!!」

そのまま俺はみんなを引き連れて走り回った。この瞬間が好き。楽しい。



そう、楽しい。


後日談

さや「ところでみんな何を短冊に何を願ったの?ちなみに私は世界平和。」

カイ「ずいぶんとスケールでかいですね。」

さや「そういうカイは何にしたのよ?」

カイ「俺はこんな日常をいつまでも続けたいと願いました。」

さや「ふうん・・・普通ね。」

カイ「う・・・」

さや「はなびちゃんは?・・・あ、訊くまでも無いか。」

はなび「どういうことですか!」

レイ「言わなくても分かることなんじゃない?」

ナナ「ばればれですよねえ・・・」

カイ「え?一体なんだ?」

俊哉「お前は多分一生分からない。」

さや「じゃあレイちゃんは?」

レイ「私はこの間参加したヤフオクの商品を競り落としたい・・・かな?」

カイ「ずいぶんスケール小さ!」

レイ「あなたに言われたくないわね。」

さや「俊哉は?」

俊哉「俺は書いてない。つうか興味なかった。」

カイ「らしい・・・」

はなび「そうね・・・」

さや「じゃあナナちゃんは?」

ナナ「私はカイ先輩のパンツが(もがもが)」

はなび「アンタいい加減にしなさい。」

ナナ「冗談ですよ。本当は脱ぎたての(もがもが)」

はなび「ふふふ・・・私のツインソルトキック喰らいたい?」

ナナ「先輩こそ私のトリプルアクセルでも喰らってください!」

カイ「ナナちゃんそれ攻撃技じゃないからね。」

さや「はぁ・・・まともな人がいない・・・」

カイ「先輩が言わないでくださいよ!」

<続く>



レイ「次回予告ね」

カイ「次回はどうでもいい話だ」

レイ「あら、カイの人生の話?」

カイ「俺の人生どうでもいいのかよ!」

レイ「私には関係無いし」

カイ「酷すぎだろ……」


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