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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第一部 日常
13/104

第10話 放課後の生徒会

仮タイトルは「秘密の放課後」


特に大きな話はなく常にほのぼのです。

会長を名前で呼び始めて5日が経った。

そしてはなびやナナちゃんにそのことについて問い詰められた。

そして俺達で協議した結果、会長のことをみんな「さや先輩」と呼ぶことに決まった。

今、そんな日の生徒会室に俺達はいる。

「球技大会も終わって次は中間テストかぁ〜。」

ナナちゃんが落ち込み気味に言う。

「あと1週間ちょっとだな。」

俊哉も確認したように言う。

「そうね。」

レイの声には余裕が含まれている。多分それなりに勉強が出来るのであろう。

「うわあ・・・余裕そう・・・」

はなびも辛そうだ。まあコイツも俺と同じく補習組みだからな。

「じゃあ今日は早く帰って勉強時間にした方がいいわね。」

さや先輩が提案する。しかし例え早く帰ったとしてもはなびなどは多分勉強しないだろう。・・・・・俺はするよ?真面目だし。・・・本当だって。

「じゃあもう帰りましょう。」

ナナちゃんが提案する。多分この子も勉強しないな。

「そうね。そうしましょう。」

はなびが同意。オイ、お前ら面倒くさいだけだろ。

「カイはどうする?」

会ちょ・・・ではなくさや先輩が俺に訊いてきた。

「俺は・・・・・少しだけ残ります。」

一応雑務を少しでも終わらせたい。

「まあ俺は帰るけどな。何も無いけど。」

「オイ。」

俊哉も素で面倒くさいようだ。ちなみにレイが会計になったので俊哉はその補佐となり、暇になっている。

「私は今日社交パーティがあるの。だから戸締りお願いね。」

「はい。レイは?」

「私も残るわ。」

どうやら俺とレイだけ残るらしい。それにしてもさや先輩は社交パーティだとは・・・次元が違うな。

「じゃあね。」

「じゃあね〜。」

「じゃあな。」

「さようなら。」

そう言って4人は帰った。一気に部屋が静かになった。

「さ、きびきびやりましょう。」

「おー。」

俺は気のない返事で応答したが、レイに流された。少し悲しい。

カタカタカタ・・・

レイはずっとキーボードを叩いて画面を見ている。しかもブラインドタッチですよブラインドタッチ。凄いよな、ブラインドタッチ。俺はアナログ派だからパソコン出来ませんけど。

「何?」

しまった、いつの間にか凝視していたらしい。

「いや、何でもない。ただキャリアウーマンみたいだなあと。」

これは本心だ。

「そう、あなたは余所見しないで集中してね。」

そういってまた仕事に戻り始めた。絡みにくいぞ・・・というか絡むために残っているわけじゃないよな。俺もちゃんとやるか。

そして30分後・・・

「ふぅ〜。」

俺は大きく息を吐いて仕事の終了を実感した。集中していたら早く終わってしまった。意外と楽だったな・・・と思いレイをちらりと見る。

「・・・・」

カタカタカタ・・・

まだ終わっていないらしい。一体何をやっているのかと画面を覗くと訳の分からないことをやっていた。

「何やってんだ?」

「エクセルよ。昔までのファイルをバックアップしてからやってるから時間かかっているの。」

エクセル?バックアップ?何だそれ・・・正直分からない。宇宙語にしか聞こえへん。

「もう少しで終わるけど・・・あなたは終わったみたいね。」

「ああ。」

「そう、なら後で戸締りやっておくわ。だから帰っていいわよ。」

レイが告げる。

「いや、待ってるよ。もうすぐだろ?」

「まあ・・・」

「俺と一緒に帰りたい?」

「どっちでもいい。」

俺のからかいに本当にどっちでもいいようなオーラで答えられて少し寂しい。もうちょっと恥ずかしがるとかないのか?

「あなたこそ私と帰りたいんじゃないの?」

カウンターだ。それを受け流せ、そして再び反撃だ。

「ああ。お前綺麗だもんな。」

どうだ!恥ずかしがったらこっちの勝ちだ。何で勝負しているか知らないけどな。

「そうね。私綺麗だから。」

「自分で言うか!?」

しまった!ついつっこんでしまった。

「まだまだね。」

レイは勝ち誇った顔をしていた。全部読まれていたのか・・・残念。ていうか雑談しながらでも仕事がはかどっているなんてどれだけ有能なんだよ。

「はぁ・・・お前って凄いよな。」

「普通よ。」

レイとの会話は盛り上がる感じはあまりないが楽しい。それに面白みもある。でも一体どんな闇を抱えて・・・おっと詮索は良くないな。人には誰だって思い出したくはない過去の1つや2つはあるはずだ。

そんなことを思っているうちにレイはパソコンの電源を落としていた。

「終わったのか?」

「ええ。」

そういいながら俺達は帰る準備をし始める。そして戸締りをきちんとして俺達は学校から出た。

「なあ。俺本屋寄るんだ。」

そろそろ参考書を買いたい。それにバイトの情報誌も読みたいしな。

「ふ〜ん。じゃあね。」

「っておい!待ってよ!一緒に行こうぜ?」

レイが帰るオーラを出していたので急いで引き止めた。

「始めからそう言えばいいのよ。」

「はい。」

レイは俺を虐めて楽しいんだろうな。何か快感を感じている笑みを浮かべているし。

こうして俺達は本屋へと向かった。

「じゃあ買ってくるから。」

「分かったわ。」

俺は参考書コーナーに向かった。うわあ・・・いっぱいあって正直どれを選べばいいんだ?

俺が迷っている間にレイは小説を探していた。

「(これの新刊出たのね・・・)」

わずかに喜びを示しながらレジに出しに行った。

その頃俺は迷いつつも一応絞った。後は財布の中身との相談だな。そして長いカイ内サミットの結果、英語と数学を買うことにした。まあ英語は得意なんだけどね。

俺はそれとバイト情報誌を手にとってレジへと向かった。その最中に俺は信じられないものを見た。

何とレイが18禁コーナーへと入っていったのだ。俺は「これはしめた、レイの弱みゲットか?」などと思って後をつけてみた。

しかしどこにもレイの姿がない。あれおかしいな?と中を覗いてみたが、中年のオッサン数人しかいなかった。

その時後からカシャッという音がした。嫌な予感がして振り返ってみると、携帯を片手に持ったレイがいた。

「まさか・・・」

俺は冷や汗を掻いた。

「しっかりと証拠を収めたわ。まさかカイが変態だったなんて。」

「お前まさか・・・始めからこれを狙って?」

無言は肯定を意味していた。始めから俺を誘い出すための演技だったとは・・・完全に一本を取られてしまった。

「ま、冗談だから削除削除。」

そして速攻で削除した。さや先輩や瀬川先輩だとこうはいかずに大変なことになるだろう。レイで良かったと心から思った。

そして俺は会計を済ませてレイと共に帰り支度をすることにした。

「レイは何買ったの?」

「推理小説。」

なるほど。結構お似合いだな。というかクールな探偵としてドラマの主演務められるぞ。あの本屋での演技力ならば。

「そういうあなたは?」

「参考書とバイト情報誌。」

「バイト探しているの?」

「ああ。」

俺が告げるとレイは少し思案して、

「いいところ紹介してあげようか?」

「え?」

そう言って俺はレイにとある喫茶店に連れてこられた。

「ここ?」

「いいから入って。」

「おわっと!」

レイに強引に引っ張られて躓きそうになるのを何とかこらえて中に入る。

「いらっしゃい。お!レイちゃんか。今日はバイトない日だよね?」

「今日は用事で。」

どうやらレイはここで働いているらしい。そして多分レイに話しかけたのはマスターだろう。だって髭が生えてるしな。・・・偏見だけどな。

「何々・・・あれ彼氏?」

「違いますよ。」

簡単に否定されたことには少しショックを覚える。

「彼の片思いです。」

「なるほど。」

「違ーーーーーーーーう!!」

危うく酷い誤解を与えられそうになった。恋人ならまだしも片思いなんて格好悪すぎる。

「何だつまんないな。まあレイちゃんに彼氏出来たらびっくりだけど。」

確かに。レイが特定の男子と付き合っているところは想像出来ない。

「マスター、彼は今バイト探しているの。良かったらここで働かさせてください。」

「まあレイちゃんの友達なら大歓迎だけどね。」

そう言って俺に向かって微笑むマスター。

「よ、よろしくお願いします!あ、でももうすぐテストなんでテスト終わってからでいいですか?」

「いいよいいよ。学生の本分は勉強だ。かくいう俺は高校中退だ。」

マスターって結構面白いんだな。あのクールなレイもクスクス笑っていた。

こうして何とかバイトを見つけることが出来た。後はテストだ。



喫茶店で少しお茶した後、もう暗いのでレイを送ることにした。

「あら。紳士なのね。」

「普通だろ。」

暗い夜道に女の子を一人で帰らすのは男として終わっている。

「普通ねえ・・・そうやって何人もの女の子を天然で口説き落としているのね。」

「は!?」

何だか頓珍漢なこと言われたような気がする・・・

「まあいいわ。ありがとう。」

「どういたしまして。」

俺達の間に和やかな空気が流れていた。

「勉強はどうなのかしら?」

「英語以外はやばいね!」

自慢できることじゃないけどな。

「自慢できるところじゃないでしょ。」

レイも俺と同じことを思ったらしい。当たり前か。

「そっちは?」

「別に普通よ。」

こういう奴に限って全教科出来るんだよな。

「いいよな・・・勉強できて・・・」

「なら勉強会する?」

突然の提案に驚く俺。まさかレイから提案されるとは・・・

「都合が良ければでいいから。はなびと俊哉君も誘って、ね?」

「そうだな・・・二人に連絡するから。明日、日程決めようぜ。」

「分かったわ。さようなら。」

そう微笑んでアパートの中に入っていった。それを見てレイも一人暮らしなんだろうなとか思った。

「じゃあな。」

そうして俺も帰ることにする。



翌日、約束通りに俺達は日程を決めることにした。場所は図書館に決まり、日程は・・・

「俺日曜は無理。バイト。」

俊哉が言う。

「私もちょっと・・・」

「いや、お前家でごろごろしたいだけだろ。」

「何ですって!?」

俺の発言に図星だったのか、いつものようにキレるはなび。

「カイは?」

レイが俺に訊く。

「俺は大丈・・・」

と言いかけたところでさや先輩との約束(詳しくは第7話)を思い出した。危ない危ない・・・キャンセルしたら何されるか・・・

「じゃなくて無理だった。すまん。」

「はあ?アンタ何かあるの?」

「ああ。」

「何?」

何故かしつこく聞いてくるので正直に話すことにした。

「な・・・・」

はなびが絶句していた。

「アンタテスト間近にデートってどういうことよ〜?」

はなびは般若の顔で問い詰める。

「いや、デートじゃないし。」

「男と女が休日に一緒に出かけるのをデートって言うのよ。」

レイまでも俺を攻め始めた。助けを求めて俊哉を見るが笑っているだけで期待出来そうになかった。

何とかはなびとは一緒にテスト終わった後に遊びに行くことを約束してなだめた。はなびは結局遊びたいだけなんだろうな。

「じゃあ日曜以外で・・・でもそうしたら放課後しか空いてないわね。」

レイが少し困ったように笑った。

「ああ。でもまあ生徒会はないわけだし。」

テスト間近だと生徒会はやらなくていい規則になっている。どうせ行っても誰も来ないしな。

「じゃあ放課後、図書館に集合ね。図書館が閉まったら私の家で。」

レイがみんなに最終的な予定を告げた。こうして勉強会の予定は決まったのだった。

そう、決まった。

す。



レイ「次回予告」

カイ「次回は変な企画みたいですよ、レイさん」

レイ「ホンマかいな、カイさん」

カイ「Sure!」

レイ「Let's read next story!」

カイ「うぃ」

レイ「うぃじゃないわよ」


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