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生徒会な日々  作者: 双樹沙希
第一部 日常
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第7話 球技大会だ生徒会―前編―

仮タイトルは「熱き男女達の戦い」


2話完結ですいません。

ちょっと長くなりそうなので切りました。

5月に入った。

あれからクラスの団結力は高まり、球技大会も間近に迫ってみな頑張っている。

バスケは俺、俊哉、田島、古賀、渡辺で決まった。ちなみに渡辺は運動バカである。

はなびもバレーボールのスタメンとなった。レイはテニスを選択した。

「皆さん!頑張っていきましょう!」

『オーーーーッ!!!』

委員長の掛け声に皆が反応する。

「頑張ろうぜ、カイ。」

「ああ。」

俺は175ぐらいでバスケにしては身長は低い。だが宮城も低いから俺も大丈夫だと思っていた。←意味不明な上にイタイ。



「ふーん。結果的に私はカイのクラスを強くしちゃったわけか・・・」

生徒会室でいつものようにダベリながら仕事をしていると、会長がそう言ってきた。

「いや・・・まあ確かにそうなってしまいましたけど・・・」

会長はこういうとき俺に何かをさせる。

「そうねえ・・・お詫びに今度の日曜に荷物持ちしなさい。」

「う・・・はい。」

俺は会長の言うことに素直に従った。というかそうなるように俺は調教されたのか?

「はなびちゃんやナナちゃんには黙っといたほうがいいわよ。」

「え?どうしてですか?」

意味分かんないぞ・・・何故会長の話でその二人が出てくる?

「どうしてもよ・・・痛い目を見たくなければ。」

「わ、わかりました。」

本当は全然分かっていないけど口が勝手に動いてしまう。

「じゃあ仕事を続けましょう・・・・そうだ!」

突然何かを思い出したように手を叩いた。

「な、何ですか?」

俺は少し嫌な予感がした。

「球技大会で負けたほうが次の次の日曜日に昼飯と夕飯を奢るって言うのはどう?」

「え!?」

「嫌?」

会長が上目遣いで俺を見てくる。うわあやばい!やばい!やばい!これは反則だぁぁぁ!

「別に嫌じゃないですよ。望むところです。」

「ふふ。ありがとう。」

そうしてまた俺に微笑みかけた。くっ・・・駄目だ・・・可愛すぎる。

俺は会長の顔を出来るだけ見ないように務めた。



そしてとうとう球技大会の日を迎えた。

天気も良好で絶好の日となった。

「おーいはなび〜・・・・・!」

俺はいつものようにはなびを起こしに行った。しかし俺はそこで衝撃の光景を目の当たりにした。

「おはようカイ。早かったじゃない。」

何と・・・何と何と・・・何と何と何と・・・はなびが俺に起こされずに起きているからだ!!

「どうしたの?何かむささびを撃ってしまった越前みたいな顔をして。」

「どんな顔だよ!?むしろそのネタ古!?」

おいおい何がどうなっているんだ。落ち着いて考えろ・・・俺は何を言っている?はなびが一人で起きる?そんなことあるわけが・・・

「ねえどうしたの?」

「嘘だっ!!お前は嘘をついている!!」

「はぁ?」

何だかはなびの目つきがかわいそうなものを見る目に変わった。

「何を言っているのかよく分からないのかもしれないが俺も何を言っているのか分からない。」

「脳がっ・・・とでも言えばいい?」

は!!俺は一体何をしていた?目の前の光景が信じられずにトリップしてしまった!

「今のは聴かなかったことにしてくれると助かる。」

やべえ何言ったか自分でも覚えてねえ・・・かなりの重症だ。

俺はその後はなびと朝食を食べて一緒に学校へ行った。



教室に入ったとき、クラスメート達はかなりやる気があるらしくすでに半分以上来て準備体操をしていた。

「おお、おはよう。早いなお前ら。」

「おはよう。」

「おはよう俊哉君。今日は頑張ろうね。」

いつもは自分のほうが先に来るので驚く俊哉。ていうか俊哉もいつもより早いぞ。

「おはよう。」

レイもやってきた。俺たちはレイに挨拶すると更衣室に行って体操着に着替えることにする。

「それにしてもやる気凄いなうちのクラス。」

俺は自然と言葉が出てきた。

「そうだな。お前のおかげだよ。」

「そ、そんなわけないよ・・・」

動揺してしまった。まったく、何でこうも照れやすいんだよ・・・

「ふっ・・・緊張ほぐれたならいいぞ。」

「え?」

どうやら俺の緊張をほぐしたかったらしい。しかし俺はあんまり緊張していなかったので効果は無かったが・・・

そして着替え終わった俺たちもみんなと準備体操を始めた。



開会式15分前・・・

「おはよう。みんな調子はどうだ?」

呑気に最後にやってきたのは我が担任、倉橋真里菜先生だった。

「おや?みんな揃っているな。感心感心。やるからには絶対に勝つ!いいな!」

『はい!』

みんなの声が一つとなる。団結の証だ。

だが俺は真里菜先生のその態度に疑問が生じた。この人はそんな熱くならない性格だったよな?とか思い返している。本当はやるときはやる人なのかもしれない・・・

「先生気合入ってますね。」

俺が先生に話しかけた。

「ああ。ちょっと耳を貸せ。」

そういうと俺の耳の近くまで口を寄せた。

「実はな、ある先生と球技大会の勝敗で賭けをしてしまってな・・・負けたらお酒を奢らなくちゃいけないんだ。」

「・・・・・」

「誰にも言うなよ。」

そう俺に釘を刺して先生は立ち去った。

誰にも言わねえよ・・・そんな馬鹿馬鹿しい理由なんて。俺の中でランク上昇していた真里菜先生尊敬度が急激に下降をし始めた。

「どうかしたの?」

レイが俺に話しかけてきた。

「いや、何でもないんだ・・・ただ世の中の汚さを痛感しただけさ・・・」

俺はつい遠いほうを見る目をしてしまった。

「・・・・・そ、そう・・・それは大変ね。じゃあそろそろ行かなきゃね。」

見るからに引きつっている作り笑顔をしながら俺はレイ達についていって開会式の式場へと急いだ。



「で、あるからにして・・・」

俺は校長の最早球技大会に関係の無い話を聞き流しながら周りを覗いて見た。

はなびは上下に舟をこいでいた。当たり前だ。あいつがこんなこと耐えられるわけが無い。

俊哉はあくびをかみ殺していた。でも聞いているだけ真面目だな・・・とか思っていると俊哉の耳にイヤホンが見えた。・・・ブルータス、お前もか。

レイは表情を崩さずにじっと前を見ていた。凄いな、俺は真似できん。

ちらっと横を見ると会長がいた。会長は背筋も伸ばし、前もじっと見つめていた。さすがは会長。完全に模範的な生徒だ。

ナナちゃんは・・・と見ると友達とずっと話すをしていた。確かあの子達は飯盒炊爨の子達だな・・・とか思い出した。

かくいう俺はどうするか悩んだ挙句寝ることにした。



「うわあ!もう開会式終わってる!?」

見事体育館の真ん中で一人立ちながら俺は寝ていた。

ていうか誰も起こしてくれなかったのかよ!俺はそのことがショックだった。

「副会長が寝るってどういうことかしら?」

会長がやってきた。

「いや・・・はなびも寝てましたけど・・・」

「わ、私は違うのよ!」

いつのまにかそばにいたはなびは思い切り否定していた。

「あれは・・・・そう、瞑想よ瞑想!イメージトレーニングよ!イメトレよ!準備運動みたいなもの!」

はなびが急いで捲し上げるが、強がりは見え見えだった。

「っていうかアンタなんでみんながいなくなってるの気付かないのよ。」

矛先を俺に向けることで話をそらす気らしい。だが面倒くさいので俺はそれに乗ることにした。

「知らないよ。いつのまにかこうなっていた。」

はなびは話をそらせたことに安堵したそぶりを見せた。まあ追求はしないでおこう。

「それよりカイ、約束覚えてる?」

「はい。」

「約束?何それ?」

はなびが不審そうに聞く。正直はなびには関係が無いので俺は教えなかった。それが会長の作戦だと知らずに…

その後会長の読みどおりに俺ははなびに徹底的に追及された。

会長に口止めされているが、仕方ないので俺ははなびに例の件を話した。

「え?それってデー…」

「何?」

突然はなびの声が小さくなっていったので俺は訊き返した。

「何でもないわよ…」

「あ、そう。」

こういうときは追求しないほうがいいことをさすがの俺も学んだ。しかしずっとぶつぶつ「もしかして会長は…そんなわけないよね…」などと呟いていたが極力無視することにした。



そしてとうとう球技大会が始まった。

男子バスケはラストだ。だから俺は俊哉とはなびたちと共に生徒会席で見ることにする。


うちのクラスは団結力の高さからか、様々な強豪を破って順調だった。

「へえやるわね。カイのクラス。」

会長は嫌味の籠もっていない心底感心した声で言う。

「う…私のクラスやばいです…」

ナナちゃんのクラスは由美ちゃんだけがずば抜けているが、その他がついていけていなかった。このままだと最下位争いに食い込みそうだ。

「で、会長のクラスは…と。」

俺は会長のクラスを探してポイントを見た。

「!!」

「ふっふっふ…」

俺が驚愕して会長は不敵に笑う。なぜなら会長のクラスはかなりの競技で勝っていて圧倒的に1位だった。

「くっ…ここまで強いとは…」

俺は唇を噛んだ。このまま俺達は簡単に負けてしまうのか…

その時、外のテニスコートで歓声が上がった。

「何だ?」

俺達は首をかしげた。そこへ…

「大変です!大変ですよ!」

委員長こと城凪夕陽がここへやってきた。

「どうした?」

「レイさんが…レイさんが…」

俺は顔色を変えた。

「レイに何かあったのか!?こうしちゃいられない!」

「あ、待ってよ!」

俺が駆け出したと同時にはなびと会長が俺についてきた。

「レイ!」

「あ、カイどうしたの?」

俺が駆け寄ってみたのだが、レイは平然としていた。それどころか元気にすら見える。

「あ、なんか歓声があがったから…」

俺がそういうとレイがポンと手を叩いた。

「あ、何か私優勝候補の人を破っちゃったらしいわ。」

普通にそんなことを言いやがりましたよ。ようするにさっきの歓声はこれか、と納得する。

委員長め…分かりにくい言い方しやがって…だなんて思ってないよ?多分。

「え?それって凄いじゃない!」

はなびは興奮しながら言う。

「あの子が例のあの人か…」

会長がレイをどっかの殺人卿みたいに言う。

「どうしたんですか?」

「あの子を生徒会に入れたいのよ。だって俊哉より会計できそうよ。その俊哉は書記にでもすれば良いし…」

「確かに有能だと思いますよ。俺よりも全然ね。でも本人の意思を尊重してくださいよ?」

俺は一応感想を述べたと同時に忠告もする。まあ大丈夫だと思うけど。少し心配だけど。



そしてレイは決勝で会長のクラスの人と当たるらしい…というか瀬川先輩だった。

はなびもバレーボールの準備をしに行った。

俺達は昼食を食べて後半戦に望む。

俺達はまだ会長のクラスに負けているけど挽回の余地はまだある。

だからまだ諦めない。



そう、諦めない。

深夜まで頑張るのって大変です。


さや「はい、次回予告」

はなび「球技大会の後編です!」

さや「私のクラスの優勝。以上」

はなび「勝手に決めないでくださいよ!絶対私のクラスです!」

さや「いや、私ね」

はなび「むぅ〜〜〜!」

カイ「何やってるんだか……」


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