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桑の実をジャムにして…  作者: 花好 モピナ
第6章 梅雨終わり編
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★ 18 可哀想な人

その日から、色んな人の弱みを掴み、脅し

面白おかしく過ごしてきた。


…しかし今、全部しょうこ失った。

そして、今までの行いが、全て帰って来ている最中。


小さい頃に母から


「悪い事をすると全て帰ってくるよ。」


と言う話を思い出す。

嘘じゃなかったのね。

悪い事をしなくても、嫌な事起こるのに。


(アンタの、おどしで作った友達と思っていた人達は

アンタの事を友達と思っていなかったんだよ。)


八重崎の言葉が、何度も木霊こだましている。


「…知っているわよ。私も友達のつもりじゃなかったもん。」


壁に寄りかかりながら、私は呟いた。

虚ろな瞳で天井を見つめる。


足元に置いてあるノートには

「死にたい」と言う文字が、ギッチリと書き尽くされていた。


(もう…疲れたな。死のうかな…。)


そう考え、よろめきながら洗面所に向かった。

鏡に映った自分の顔を見て、苦笑いを浮かべる。

つけまは取れかけ、マスカラが少し落ちて黒くにじ

目の周りがパンダみたいになっていた。


(…ひどい顔。どうせ死ぬなら綺麗にして死にたいな。)


そう考え、綺麗に洗顔する。

洗い終わり、化粧水を付けていると

呼び鈴が鳴った。


母は、今日も遅番で、明日の朝まで帰って来ない。

もちろん、家には私しか居ない。


(はぁ~あ。マジだるい。)


私はっぴんのまま、玄関を開けた。


外は雨が凄かった。

そんな中、赤い傘を差した白鷺洲さぎしま

ポツリ、立っていた。


白鷺洲は私の顔に、一瞬目を見開いたが

直ぐ心配そうな表情に戻った。


「何よ…。もう何も証拠残っていないわよ。」


そう言って、ドアを閉めようとすると


「先輩…。ごめんなさい!!」


そう言い、ボロボロと大粒の涙をこぼした。

涙が私を逆撫でる。


「泣きたいのはコッチの方よ!

アンタがデータ消したから、こんな目に…!!」


叫ぶ様に声を荒らげた。

憎しみを込めた瞳は、白鷺洲に向けられた。

しかし、白鷺洲のグチャグチャな表情を見て

自分をみじめに感じめた。


「まぁ、家に入りなさいよ…。」


そう言い、私は白鷺洲が入れる様にドアを開けた。

白鷺洲は何も言わず従い、瞳から涙を零しながら入った。


部屋に招き入れた後、お茶をもてなし

私は、嫌な事を忘れ

愚痴から自慢話まで、楽しげに語り続けた。


上目遣で見つめ相槌あいづちをしながら、静かに私の話を聞き続ける。

…楽しかった。

白鷺洲は私の話をちゃんと聞いてくれるから。

何も無くなった私でさえも真剣に。

…母さえ真面まともに、話できるじかんが無いのに。


しかし、そんな楽しい時間は直ぐに終わってしまうものだ。

時刻は18時になり、帰りの時間になってしまう。

帰りの準備をする白鷺洲のそでに、無意識に掴んでいた。

そして、「泊まっていって」と、懇願こんがんしていた。


白鷺洲は静かにうなずき、私の家に止まっていく事になった。

それに物凄く喜んでる事に気付き、自分でも驚いた。


時刻22時。

電気を消して、私は静かに眠りにいた。



「…馬鹿な先輩。」


アタシは、寝息を立てている朝倉先輩を見下ろしながら呟いた。

暗闇に慣れた目で、家を徘徊はいかいする。

目的の物を手にし、アタシは口元をゆがませた。


(…取りにくいな…。)


そう思いながらも、手袋を外さず

薬を一粒一粒出していく。


起こさない様に気を付けながら、朝倉先輩の上半身を

斜め上に持ち上げる。

最後、朝倉先輩の無防備な口元に、薬を沢山入れる。

そして、水をしっかり流し込む。


朝倉先輩は、眠りながら素直に飲み込んだ。


(…もう、ここに用はない。)


作業を終え、家から立ち去ろうと考えた。

しかし、玄関へ向かう足を止めてアタシは呟いた。


「…素っぴんの方が、綺麗だねぇ。

貴方は自分を飾りすぎた。本当に勿体無い。」


「貴方は人を疑い、人を愛せなかった。

…それが逆に、自分を追い込む事になる事を知らずに

自分を守るため良く見せようと、着飾りすぎた哀れな女。」


一瞬暗い表情を浮かべていたが、アタシは不敵な笑みを浮かべる。

だって何時までも、感情を引きずっていても仕方がないから。


(さようなら。朝倉先輩かわいそうなひと


気持ちよさそうに、寝息をたてる朝倉先輩を置いて

アタシは雨道、楽しげにスキップしながら帰った。

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