★ 12 セェンパイ。
7月13日(金)
(わかった?もう貴方は私の玩具よ。)
朝倉先輩が、昨日言っていた事を思い出す。
パソコンに映し出されたのは私が写った写真。
お弁当を食べながら、私は溜息を吐く。
これからどうすれば良いんだろう?
「…どうしたんだ?ケイ。」
目の前で食べていた紗百合が、心配そうに私に尋ねてきた。
私は何も言えず唯、首を振った。
紗百合は、そんな私を不審がっていた。
私は何も言えないまま、お弁当を食べた。
放課後の曇り空の下、私は屋上で人を待っていた。
ドアが開き、朝倉がアホづらでやって来た。
「…なに?男じゃないの?女?」
「こんにちは先輩」
ベンチに座り、私は笑い話し掛けた。
朝倉は舌打ちを打ち、自慢の頭を掻いた。
「セェンパイ~。ケイに何かしてるでしょ?」
私は立ち上がり、朝倉のもとへ歩きながら言った。
朝倉は目を泳がせた。
「…何の事かな?」
「昨日からケイの様子が変だったし、弱味を握ってたりしてないですよね?」
腕を組み目を真っ直ぐ見つめ…と言うか、ガンを飛ばす。
朝倉も負けずと睨み返してきた。
「していたとしたら…どうするの?」
「やめて下さい。見苦しいですよ?」
「はっ。見苦しいって良くわかんなぁい~。」
気持ち悪い反応に、私は苦笑いをする。
先輩と呼ぶ気力が薄れる。
年上だから仕方なく、そう呼んでいるけど。
溜息を吐き捨てながら、悪態をつく。
「……フラれたからって…。」
その言葉に朝倉が反応し、私に掴みかかった。
「うるさい!!」
「……!?」
胸ぐらを掴み、大声で吠えた。
女性とは思えないくらいの力で、体が持ち上がる。
それと共に首が締まり、空気が吸えない。
苦しい。
「私がフラれるなんて変だ!」
私は朝倉の手を、どうにかして放させそうと爪を立てる。
ギリギリと音を立てて、更に朝倉の手に力が入った気がした。
「…何よ…どこがいいのよ!あの女のどこよ!!」
…そろそろ意識が朦朧としてきた。
どうしよう。もう無理かも…。
涙で歪む視界の中
唯、朝倉の恐ろしいほど歪な瞳を
朦朧とした意識の中、私は見ている事しか出来なかった。




