6 ごめんなさい。
「あれ…今何時だろう。」
目が覚めてベッドから体を起こす。
彼と、一方的に喧嘩してから
家に帰宅した後、泣き寝入りしてしまった様だ。
時計を見ると、短い針が6時を指していた。
部屋から出ると、下の階から良い匂いがしてきた。
1階に降りると、お母さんが夕ご飯を作っていた。
お母さんは、2階から降りてきた私に気づき
優しく話しかける。
「どう?ケイ。元気になった?」
頷く。
「何か嫌な事あったの?お母さんに話してみ?」
お母さんに、余計な心配掛けたくなくて頷いたけど
バレバレだったみたい。
私が黙り続けてると
お母さんは、困った様に微笑みながら
「…5時頃ソラ君が御見舞に来たわよ。」
「えっ?」
…もしかして、手紙の事を聞きに来たのだろうか?
信用されてないのは、本当に嫌だな…。
胸のあたりが…押し潰される様に苦しくなる。
「ソラ君、ケイのこと心配してたわよ。」
「え?…そうなんだ。」
一方的に喧嘩したのに、彼は怒るどころか心配してくれた?
そう聴くと、昔から変わらず優しい彼に、私は謝りたくなった。
…でもダメ。
謝る事は、明日付いてきて良いという事を
許可する事と同じだから。
彼なら駄目と言っても、絶対に付いて来てしまう。
なので、明日が終わってからじゃないと素直に謝れない。
…仲直りしては行けないのだ。
そう考えると、涙が出そうになった。
(…まだソラ君に会いたくないな…。)
彼に会って、避け続けるなんて耐えられないでしょう。
何故なら「心配させてごめんなさい。」って
言いたくて仕方なくなりそうだから…。
…だから、最終手段を使わせて頂きます。
「お母さん。」
「なぁに?」
「明日学校休む。」
「へっ?」
そして私は、6月1日(金)は、学校を休んだ。
ケイは1人娘。
お母さん、お父さんで、3人家族。