5 約束
灰色の雲空の下。
ジメっとして生暖かい風が、たまに髪を撫でる。
そんな気持ちの良くない中、俺達は屋上にあるベンチで
弁当を食べながら、仲良く楽しく会話をする。
中川は、弁当のオカズを頬張る。
そして、箸を持った右手で頬を押さえながら、幸せそうに体を震わす。
「んん~。凄く美味しいよ!タコさんウインナーも可愛い♪」
中川の反応を見て、松崎は満足そうに笑っていた。
…と言うか、気持ち悪い変な顔をしている。
「ふ…ふへへ…。」
松崎は頭を軽く書きながら、変な声を出し始めた。
それを見て俺は、松崎に嫌悪感を覚える。気持ち悪!!
まあ、松崎達の事は放っておこう。
変な松崎をみて、嬉しそうに微笑んでいるケイに
俺は話しかける。
「もうすぐテストだから明日の放課後、一緒にテスト勉強しよう」
「うん。」
ケイは返事をして、お茶を入れたカップを両手で持ち、飲んだ。
俺も欲しいと言うと、空になったカップに
水筒の中に入っていた、お茶を適量に入れ、俺に渡す。
…うん、美味しい。
それを見て松崎が、何やら口をパクパクさせ言いたそうだが
放っておこう。
間接キスも、早い者勝ちだ。
「…ねえ、相野谷君。」
「…ん?何だ?」
中川は、弁当箱を大切そうに持ち、体をモジモジさせる。
そして上目遣いで話を続ける。
「…僕も良いかな?中間テスト赤点をギリギリ回避できたけど怖くって…。」
「中川なら大丈夫だろう。」
(大丈夫大丈夫。だから邪魔するな。2人きりにさせてくれ。)
「むぅ…。」
(本当は皆で、美味しいご飯食べながら勉強したいんだよね。)
中川は俺の隣をチラッと見てから、口元に笑みを浮かべた。
「…松崎さんも皆で、テスト勉強したいよね?」
そう言って、上目遣いで松崎を見る。
すると
「そ…そうだぞ!私も行っていいよなケイ?」
松崎は顔面真っ赤にさせながら、両手を上下に振っている。
何あれ、意味分かんないんだけど。
ケイは「勿論」と嬉しそうに言う。
これで3対1。
…まぁ、ケイが喜んでいる時点で100%話が決まったけど。
複雑な気持ちを抱きながら、反対できなくなった俺は
静かに、頭を頷かせるしかなかった。
そして明日の放課後、皆でテスト勉強すると話が決まり
俺達は教室へ戻るのであった。




