15 海に水着にsunshine 後編
中川と一汗かいたところに、ケイ達がジュースを持って帰ってきた。
それに気付き中川が、私が打ったボールを捕まえて勝負が終わった。
結果は0対0。引き分け。
2人がジュースを買ってきた今まで、一度もボールは落ちていない。
私達があまりにも良い勝負していたもので、
周りには40人くらい観客が、何時の間にか出来ていた。
「お疲れ様です松崎さん!お陰様で、いい運動できました♪」
この暑い中ずっとやっていたと言うのに、まだ余裕そうな表情で
私に労いの言葉をかけて来た。
(見かけによらず体力凄いなコイツ…。)
そう思いながら息を切らす私に、ケイは
私が好きな、さんぴん茶を買って来てくれた。
さんぴん茶とは沖縄で見つけた、美味しいジャスミン茶みたいなやつ。
沖縄では自動販売機やコンビニなどで、手軽に買えるものだ。
「ありがとうケイ。」
「お疲れ様です。紗百合」
そう言ってケイは、私に優しく微笑んだ。
それを見て、疲れなんか簡単にどっかに飛んでいった。
今汗だくじゃなければ、人目を気にせず抱きつけたのに。
そう思いながら、さんぴん茶を一気に飲み干す。
飲み干したペットボトルを、ケイは回収し2本目を私に渡す。
(さすが私の親友、分かってるぅ~。)
そう感心しながら礼を言う。
すると、嬉しそうに笑いながら、ケイはタオルで頭を拭いてくれた。
私はハニカミながらケイにされるがままになる。
少ししゃがんで俯くと、丁度ケイの肩の辺が見える。
私はケイの左肩を見て、ペットボトルを開ける手が止まる。
ケイの肩には赤い跡…。
蚊に刺された時の様に膨れている訳でなく唯、赤く跡が付いていた。
馬鹿でも分かる。これがキスマークなんだと。
(あぁ、これは…。)
相野谷を睨みつける。
そして、大きく息を吸って…。
人の話し声で賑やかなこの浜辺でも、皆に聞こえるように
私はその場で大声を出した。
「相野谷君がここにいたよ~!サングラス掛けてる~キャ~♥」
その声を聞き、浜辺で相野谷を探し回っていた女子達の視線が
一斉に、こちらに集中した。
そして、相野谷の存在に気付いて一斉に駆け寄ってきた。
私を睨みつける相野谷。
相野谷に向かって、思い切り馬鹿にした笑みを浮かべると
更に物凄く怖い顔立ちになり、鬼の形相で睨み付けてきた。
それを気にせず、中川とケイの腕を私は引きその場を走り去る。
「相野谷を置いて、先に水族館に行こうよ。」
そう言って私は笑う。
(愉快、愉快。あぁスッキリした~。)
何より、ケイの仕返しができて、嬉しいという気持ちが大きいな。
まあ、どのみちケイはもう着替えたほうが良かったし丁度いいだろう。
そう考えながら、嬉しくて、勝手に緩む口元を隠さず私は笑った。
ケイは、置いてきてしまった相野谷の事を気にして
何度も振り返っていたが、素直について走る。
…あの女子の集まりに、近づくのは危険だからな
きっとケイもそう思ったんだろう。
更衣室で中川と一度別れ、すぐに着替えて次の目的地
水族館に、私達は歩いて向かうのであった。




